DAY0 まずは名札から。――旧校舎の住人案内
ようこそ、国立天晴大学へ。
こちらは、本編に登場する人たちの紹介ページです。
すぐに物語を読みたい方は、DAY1へ。
名前が分からなくなったら、いつでも戻ってきてください。
全員の名前を覚えなくても大丈夫。
まずは気になった人を一人、見つけてください。
なお、大学の正式な案内パンフレットではありません。
正式なパンフレットなら、もう少し静かです。
【旧校舎組・十七人】
■軽音楽部
◆神谷莉央
通称・莉央
ギターを抱えた、歌うことが大好きな女の子。一人称は「ぼく」。
歌いたいのに、周りのボケにツッコむ声の方が大きくなりがち。
「ぼく、まだ何も歌ってないんだけど!?」
◆夜乃さとみ(よの さとみ)
通称・さとみ
莉央と同じ軽音楽部。明るく、騒ぎの中でも自分の調子を崩さない。
莉央が慌てていると、そばで笑っていたり、お茶を差し出したりする。
慌てる人が二人になるよりは、たぶん助かる。
■科学研究会
◆理科野発
通称・ハジメ
白衣を着た発明好き。一人称は「吾輩」、語尾は「なのである」。
発明品の機能を説明したがる。聞く側は、まず停止方法を知りたがる。
「でゅふふ! まだ説明の途中なのである!」
■筋力トレーニング研究会
◆田中真摺
通称・まっする
筋肉への情熱と声の大きさに、いささか遠慮がない。
困ったときは、まず自分の筋肉で何とかできないか考える。
できるかどうかを考えるのは、そのあと。
「うおお! 筋肉の出番だぁぁ!」
◆仁藤均
通称・仁藤
まっするの相棒。筋トレにも付き合うが、無茶には付き合わない。
大きな筋肉の横で、常識を手放さずに踏ん張っている。
「お前、いったん話を聞け」
■アニメーション研究会
◆込家羅武
通称・ラブ
好きなアニメの話なら、いくらでも続けられる。
一人称は「拙者」、語尾は「ござる」。笑うと「デュフフ」。
話題が自分の好きなものになると、途端に元気になる。
だいたい、いつもその話をしている。
◆絵巻千景
通称・千景
眼鏡と長い前髪の、物静かな絵描き。
ラブが長く語り、そのそばで千景が描く。それがいつもの研究会。
口数は少ないが、短い一言がよく刺さる。
「……先輩、長い」
■農業・畜産研究会
◆熊田牛男
通称・牛男
動物への愛情にあふれる、田舎言葉の学生。
生き物のことになると、説明にぐっと熱が入る。
こちらが相づちを打つと、写真が追加されるかもしれない。
「大事な家族だべ!」
◆優居減子
通称・ヘルシー
食事や栄養に詳しく、食材のこともきちんと考える。
勢いだけで話が進みそうなときも、必要なことを一つずつ確かめる。
名前の読みは「やさい・へるし」。呼ぶときはヘルシーでどうぞ。
◆稲森穂乃
通称・ほの
穏やかな物腰の、農業・畜産研究会の仲間。
育てたもの、収穫したものを、丁寧に見ている。
騒がしい旧校舎で、ほっとできる声の持ち主。
■映像制作研究会
◆白澤秋
通称・アキ
カメラを手に、構図と撮れ高を考える映像好き。
誰かが慌てているときほど、いい場面が撮れそうだと思ってしまう。
「あっ、気にしないで続けて」
言われた側は、非常に気になる。
◆地味来有
通称・キアリ
眼鏡姿の、控えめな男子学生。
アキと一緒に撮影や編集をこなす。大きな声で主張するより、静かに手を動かす方。
賑やかな画面の外で、機材を支えている。
■サバイバルゲーム研究会
◆狼羽いやる(ろわ いやる)
通称・ロワ
マントを翻し、何かにつけて闇や封印を語りたがる。
本人はいたって真剣。こちらが普通の言葉で返すと、話の壮大さが急に縮む。
「ふっ……ついに、この時が来たか」
◆影山忍
通称・シノブ
ロワと同じ研究会の、寡黙な学生。
大げさな言葉が飛び交う横で、道具や周囲を静かに確かめる。
名前も雰囲気もそれらしいが、忍者と決めつけてはいけない。
「……違う」
■投資研究会
◆煎論益子
通称・益子
お金の流れや数字の話になると、説明が具体的になる投資好き。
みんなが勢いで賛成しているときにも、費用や条件を考える。
ただし、その提案を最後まで聞いてもらえるとは限らない。
■テニスサークル
◆藤澤千荒
通称・チャラ男
軽い調子で話しかけてくる、陽気なテニスサークルの学生。
場を明るくする勢いは十分。勢いが、言葉より先に出ることもある。
本名より通称の方が、ずいぶん広まっている。
■土木研究会
◆千堂俊雄
通称・千堂
図面と現物を確かめ、安全を大切にする学生。
地味な確認も手を抜かない。ただし、決め台詞の音量は地味ではない。
「手抜きは爆発だぁああ!!」
実際に爆発させる、という意味ではない。
【学生自治会・三人】
旧校舎だけでなく、大学のさまざまな学生や部活に対応する三人。
書類と相談事は、今日もどこかで増えている。
◆御坊千也真
通称・御坊
学生自治会執行部長
細かな要望も受け止め、どうすれば実現できるか考える。
きちんと話そうとするのだが、莉央を前にすると、ときどき言葉がつまずく。
「り、莉央さん……! きょ、今日は……!」
まず深呼吸から始めたい。
◆三重晴美
通称・三重様
学生自治会副会長
縦ロールと鉄扇が目印。礼儀、規律、手続きを大切にする。
話の通じない相手にも、話を通そうとする。おかげで声を張る機会が多い。
「皆さん、少しは落ち着いてくださいまし!」
◆剛田つよし(ごうだ つよし)
通称・剛田
学生自治会書記
一人称は「オレ様」。仲間には「心の友」と呼びかける。
勢いはあるが、学生が不利になるような無茶には慎重なところもある。
頼もしさも声も、よく届く。
「心の友よ! まずは話を聞こうぜ!」
【旧校舎を取り巻く大人たち】
◆照日富士夫
通称・御来光
国立天晴大学・学長
白いひげを蓄えた、穏やかな学長。
学生たちが騒いでいても「ほっほほ」と笑っている。
笑っているからといって、何も聞いていないとは限らない。
「ほっほほ……青春だのぉ」
◆禿山光
通称・うおっまぶし!
国立天晴大学・副学長
旧校舎の建て替えを進める、学生たちの前に立ちはだかる副学長。
大学の発展と成果を重んじる。呼ばれたくない通称がある。
晴れた日の対面には、少し注意が必要。
「……その呼び方はやめたまえ」
◆和色貴史
和色建設・社長
旧校舎の再開発計画に関わる建設会社の社長。
話し方は穏やかで、学生たちとは違う速さで話を進める。
ただし、この大学では予定どおりに話せるとは限らない。
「……この大学は、いつもこうなのですか」
◆雨宮すみれ(あまみや すみれ)
通称・売店のお姉さん
大学の売店
学生たちを見守る、少し謎めいたお姉さん。
売店に立っているからといって、売店のことしか知らないわけではない。
慌てる人の多い大学で、今日も落ち着いている。
「あらあら……ずいぶん派手に始めちゃったのね」
◆雨宮警視
警視庁刑事部捜査第二課・課長補佐
すみれの兄で、国立天晴大学の卒業生。
母校に顔を出すときは、売店のパンも気になるらしい。
穏やかに話を聞くが、確かめるべきところでは目つきが変わる。
「……四つだったかな」
パンの数の話である。事件の数ではない。
【まだ、名前のない紹介欄】
ここから先は、今はまだシルエット。
名札を渡すのは、本編で出会ってから。
◆???
礼儀正しい、その声。
話を聞くほど、こちらの調子が狂っていく――。
『お問い合わせをいただいておりませんでしたので』
◆???
入ってきた瞬間、全員が振り向く。
その存在感は、紹介文だけでは収まらない――。
「…………モォ」
◆???
その小さな一歩が、また一つ騒ぎを増やす。
ちょっと、そっちは待って――。
「ブヒッ!」
◆???
海の向こうから、旧校舎に嵐がやってくる――。
「エルフは長生きデス!」
◆???
この騒ぎ、学内だけでは収まらない――。
「ブンブン!」
◆???
いつもの部室、その外にも驚きが待っている――。
「今日も、てぇてぇ!」
名前を知る前に、声だけ覚えておいてください。
いつか本編で、その声に出会うかもしれません。
【それでは、本編へ】
十七人と、自治会の三人。
好きなことも、得意なことも、話の通じる方向も、見事にばらばら。
そんな彼らのいる旧校舎が、取り壊されることになった。
ここから先は、名札だけでは説明できない。
――DAY1へ。




