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友達を作っていただけなのに、三千年後には初代大聖女と呼ばれていました!?  作者: Atelier Lotus


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第1話 四種族の時代

はじめまして。


本作を見つけてくださり、本当にありがとうございます。


この物語は、最強の主人公が無双する話ではありません。


世界を救おうとした少女の話でもありません。


ただ一人の女の子が、


「友達を作りたい」


その気持ちのまま旅を続けた結果、三千年後には「初代大聖女」と呼ばれるようになってしまった物語です。


本人はというと、


「普通の商人の娘として暮らしたい!」


そう思っているのですが、昔の友達や世界中の人々が放っておいてくれません。


ほのぼのあり。


笑いあり。


時々ほろり。


そして、美味しいご飯とお酒もちょっぴり多めです。


少しでも皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。


どうぞ、リアネたちとの旅をお楽しみください。

 約三千年前。


 エトワール大陸。


 人族。


 竜族。


 エルフ族。


 ドワーフ族。


 四つの種族は互いを恐れ、疑い合い、種族という壁によって分断されていた。


 人族は竜族を恐れ。


 竜族は人族を信用せず。


 エルフ族は深い森へ籠もり。


 ドワーフ族は険しい山々で鍛冶に明け暮れる。


 互いに関わろうとしない時代だった。


 そんな世界へ、一人の少女・エリアネが現れる。


 彼女は種族など気にすることなく、大陸中を旅して回った。


 人族の街へ行き。


 竜族の国へ行き。


 エルフの森へ行き。


 ドワーフの鉱山都市へ行く。


 旅先で彼女がしていたことは、たった一つ。


 友達を作ることだった。


 仲良くなれば、一緒にご飯を食べる。


 一緒にお酒を飲む。


 一緒に笑う。


 それがエリアネにとっては、ごく当たり前の日常だった。


 ある日。


 エリアネは竜族の王都を訪れる。


 そこで出会ったのは、竜族の頂点に立つ統治者。


 五大竜王を束ねる白竜皇。


 白竜皇オルド・アルカ=ヴェル。


 人族であれば誰もが畏れ敬う存在だった。


 しかし。


「へぇー!」


「竜って人の姿になれるんだ!」


「竜の姿も格好いいけど、人の姿も格好いいね!」


 オルドは思わず目を丸くする。


「お前は変わった娘だ」


「普通の人族なら、我を見ただけで震え上がる」


「えー?」


「だって格好いいじゃん!」


「竜の姿も大好き!」


 数秒の沈黙。


 やがて。


「ははははっ!」


 オルドは心の底から笑った。


「やはり、お前は面白い」


 またある日。


 エリアネはエルフの森を訪れる。


 そこで出会ったのは、エルフ族の王にして精霊王。


 精霊王アルディオン・エルヴェシア。


「わぁ!」


「エルフって、めっちゃ美形なんだね!」


「男の人でも女の人でも綺麗すぎてドキドキするよ!」


 アルディオンは優雅に微笑む。


「初対面で、そのようなことを言われたのは初めてだ」


「本当のことだもん!」


「耳も綺麗!」


「触ってみたい!」


 アルディオンは少し困ったように苦笑した。


 さらに旅を続け。


 エリアネはドワーフの鉱山都市を訪れる。


 そこで出会ったのは、ドワーフ族の王にして鍛冶の頂点。


 鍛冶王ガンドール・アイゼンハルト。


「すごーい!」


「みんな真剣!」


「何にでも信念を持ってて素敵!」


 ガンドールは豪快に笑う。


「がはははっ!」


「嬢ちゃん!」


「細けぇ話は後だ!」


「まずは一杯飲め!」


 大きな木製のジョッキへ、黄金色の麦酒が豪快に注がれる。


「やったー!」


 エリアネは嬉しそうにジョッキを掲げた。


「かんぱーい!」


 杯を交わし。


 笑い合い。


 友達になる。


 それがエリアネだった。


 王だから。


 平民だから。


 竜だから。


 エルフだから。


 ドワーフだから。


 そんなことは、彼女にとってどうでもよかった。


「みんな良い人じゃん!」


 ただ、それだけだった。


 その小さな出会いの積み重ねは、


 やがて世界初の四種族融和を実現させる。


 そして。


 四種族融和の盟約が結ばれた日。


 人族。


 竜族。


 エルフ族。


 ドワーフ族。


 四種族の代表が一堂に会する。


 静寂の中。


 白竜皇オルドがゆっくりと立ち上がった。


「友好を未来へ残そう」


 その一言が、


 後に世界中で語り継がれることとなる、


 四種族友好の証の始まりとなるのだった。

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