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黒い翼と出合いと別れ 6

 女性の台詞に、標と掟は硬直した。


「いきなり路地裏に連れ込まれて首を絞められたのは覚えてる。あんな場所で気を失ってたなら、普通の人は気付かないだろうし。……ただ、殺そうとした人間を助けようとするのは不可解だから、違うのかな?」


 淡々と言いながら、目線はしっかりと標に注がれている。


(……なんだかんだ言って、気付いてんじゃねえか)


 掟が口を開くその前に。


「ごめんなさい!!」


 と、標が勢い良く土下座した。


「…………」

「…………」


 掟と女性は無言で、床に頭を打ち付けて悶絶する標を見た。


 そして女性は説明を求めるかのように、掟に視線を向ける。


「……あんたを殺そうとしたのは、そいつだよ」


 誤魔化しようがなかったので、掟は素直に標を指した。


「ご、ごめんなさい」


 額を押さえながらも謝る標を見つめた後。


「……で? これからどうするつもり?」

 と女性は聞いてきた。


「あんたが言うのか、それを」

 思わず掟は突っ込んだ。


 女性が淡々とし過ぎている。


「じゃあ、貴方達はどうしたいの?」


「……それは……」


 掟が言い淀むと、標が伏せていた顔を上げ、女性に目線を合わせた。


「お姉さんは、僕達の事を警察に言いますか?」


 あまりにも馬鹿らしい質問に、掟は怒鳴ろうとしたが。


「どうして欲しい?」


 と女性が茶化すでもなく、真剣に聞いてきたので口を閉じた。


「口封じをするなら、あの場で殺せば良かったのに。どうして君は私を助けたの? 何をしたいの?」


 一瞬だが、標は確かに殺そうとしていた。それを止めたのは掟だ。しかし部屋まで連れていこうと言ったのは殺そうとしていた標本人だ。確かに、矛盾している。


 標は、女性の顔を見つめた。

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