表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/81

黒い翼と出合いと別れ 7

「……お姉さんは、生きる事を諦めていた」


「――っ」


「ように、見えた」


 女性は標の言葉に動揺した。


 ……ああ、そういう事か。


と、標が納得した様に呟いた。


「掟、分かったよ。僕が急に誰かを追い掛けたくなる訳が」


 標は掟を見た。


「自殺願望だ。死にたいと思う感情が僕を引き寄せるんだ」

「……待て。話が唐突過ぎて理解できない」


 掟は手を上げて標の言葉を止めた。


「そもそも何でそんな結論になるんだよ」

「病院で言われたんだ。偶に自分の意思じゃなく、無意識に普段とは違う行動を取ったりする事があるって」


 標は一気に言う。


「それがもし『黒翼症』の影響だとしたら――あ」


 と、不意に気付いた様に口を閉じた。


 掟は疑問に思ったが、すぐに気付いた。


 女性が居たという事を忘れていたのだ。見ると、女性は目を見開いている。


 二人の目線に気付くと、女性はすぐさま視線を逸らした。


「……帰る」


 言って女性は慌てた様に立ち上がり、玄関へと向かった。


「お姉さん」


 標の声に、ドアに掛けてあったチェーンを外そうとしていた手がビクリと止まる。


「もしかして、『黒い翼』って知ってる?」


「……知らない」

 硬い声で女性は呟いた。


「私は何も知らない」


 振り向かずに言うと、チェーンを外し、ドアを開けて足早に出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ