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18-38.マルブ戦決着

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


18-38.マルブ戦決着


18部までお付き合いいただいた読者の皆様には流石にお気づきと思うが(メタ表現)、

ここから先は特に面白い事はない。

もう一本道さ。

なにしろどこで・いつテロが起こるかを、逐一権太夫(仮)が教えてくれるのである。

ただし同時多発テロと言うだけあって、犯行場所は実に13箇所に亘った。

それぞれに筋肉兵100人を派遣し、現場を制圧しつつ大型爆弾を炸裂させる。

時限装置とか導火線とか気の効いたものはないので、筋肉兵ごと巻き込んでの自爆である。


「なんで13箇所なんかな〜」

レムリアには13とか4が不吉、と言う習慣はない。

「もしかしたら、金羊毛が一度に開ける事が出来る空間の穴が13なんじゃないかな?」

と師匠。

その師匠は才蔵と組んで反対勢力の逮捕に向かっている。

こっちも実にあっさりだったそうだ。


その夜、マルブの街に奇妙な噂が立った。

真っ黒な大型犬に跨った覆面の男(後にカマイタチと言う事になった)と女の子をおぶった女が、恐ろしい速度で街を疾走していたと言うのだ。

覆面は俺だ。奴らの登場に間に合わなかった場合に第二のチートを発動すべく、同行した。

犬はもちろんパーサ(アヌビス体)。

女の子はセイコαとフュージョンしたセイコβだ。

そしてセイコαβをおぶっていたのは、助っ人に頼んだ五娘だった。

つまり俺とセイコαβはレムリア最速の生き物と、レムリア最速の人間に乗って、13の拠点を最も合理的な順番に回ったのだ。(俺の方が体重が重いので、速度ではほぼ同等だったが、パーサと五娘は『アタシの方が速かった』と、後々まで譲らなかった)


同時と言っても、多少はタイムラグがある。

一斉に爆発させてしまっては轟音が一回で、市民に恐怖を味合わす効果が薄れる。とでも思ったのだろう。

その順番は現場任せのランダムなものだったので、レーダーであるセイコαβを巡回させて、処理の順番を決定して行った。電撃は五娘も使えるので、とりあえず出てきた順に100人の筋肉兵を眠らせて行く。コンコンと、最近すっかりその弟子になっているエールが、人払いの結界を兵たちに巡らす。


全て無力化した上で、パーサが順に善人化して行く。

結局間に合わず俺が時間を巻き戻したのが5件。うち本当に爆発が1件。想定内だ。

こうして夜明けまでに作戦は終了した。

天幕では師匠から通信機を借りて、ウラナαβら3名(6名?)が、ナノ姫007からの通信を受信していた。

通信は記録されるのだが、速報として内容をメモし、俺たちに知らせるためだ。


「ふう…終了だな」

「エール!こん中にあんたらーの父さん(倒産と同イントネーション)はおらしたかね?」

「今回の1300人の中には、いませんでした」

エールが残念そうに言う。

「まんだ次があるに」

「1300人と言った?」

反対派逮捕から戻って来た師匠が言う。

「はい、きっちり」

とエールが言った後一瞬目が白目になり、そして戻った。(四娘が憑依したな?)

「才蔵、草はどこへ失せた」

「いや、それがし見かけておりませぬ」

「反対派の元にはおらなんだか…」

また逃したか?と一同ちょっと凹んだが、これ以上は手が足りないので止む終えまい。


しかし結果的に津藝権太夫(確定)はこの後二度と現れなかった。

「ウラナ神様、最新情報です!」

よしよしウラナαβ、ちゃんと『ナノ姫007の情報』とは言わなかったな。

「最新情報?」

「四娘様」

才蔵がエールに話し掛ける。四娘が憑依した者は、目の色で分かるらしい。

「人代様はノミサイズの画期的な密偵を開発されております。その者の情報かと」

説明ありがとう。

もちろん『そう言う事にしておく』

訳だ。


「ほうウラナ殿、一度その装置(ギア)に付き詳しく」

結局師匠は、20機のノミくんアドバンス(情報送信出来るタイプ)を上警に納入する事になった。一機大金貨千枚(邦額換算1千万円)だから大儲けだが、前世のミサイル1発よりは安い。上警は人出不足を補う戦略価値がある。と踏んだのだろう。

「して、蚤殿の知らせにはなんと?」

俺は結構分厚いメモを開く。

そこにはオコαβの手で几帳面に速記された情報が、びっしりと記されていた。

「何者かとの会話だな」


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


【速記内容】


A「なぜ戻って来た!」

B「事の次第を殿に一刻も早く報告せねばと」

A「馬鹿者!敵に付けられたらなんとする!」

B「それがしも忍者、その様な事は」

A「しかし、13の拠点、全て未然に取り押さえられてしまったではないか!どう言う事じゃ」

B「それが、狐につままれた心地にて」

A「聖狐天だけに。か?ふざけている場合ではない!(かなりのノリ突っ込み)」

B「今原因を調べております」


A「計画の全容を知っておるのは、そちだけじゃな。そちが敵に漏らしたのではないか?」

B「滅相もございませぬ。それがしは殿に忠誠を捧げております」

A「もうよい」

B「は?」

A「ゴンダユウ、そちには失望した。帰るがよい」

B「殿!お許しくだされ、今一度それがしに機会を!」

A「ならぬ。大儀であった」

B「嫌だぁ〜〜っ!あの暗い黄泉に戻るのだけはぁ〜〜っ!」


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


「以上になります」

「津藝権太夫の相手は間違いなく大御所であろうな。しかしこの後、蚤殿はどうなった?」

「あの超小型人形は自己防衛プログラムを持っているから、どこかに身を隠したかと。しかし安全の為当分は機能停止しているだろうね」

師匠が説明する。

(もちろんノミくんアドバンスにもその機能があるが、ナノ姫007の隠形はもっと完璧だ。我々は大御所のアジトに007(スパイ)を送り込む事に成功したのだ)

「ふーん可愛い奴だな」

師匠に頼んで私用に一体、四娘にプレゼントしようかな?


こうして俺たちはマルブ公演を大成功のうちに終わる事が出来、チャガムIV世の政権はますます安泰となった。

逮捕された反対派は上警の厳しい詮議を受けたが、権太夫にそそのかされた以上に大御所とのつながりはなく、チャガム太公により恩赦を受けた。

「政敵が一人もいない様では独裁者になってしまうではないか(チャガムIV世談)」

しかし彼らはそれ以降、表立って反抗する事はなかった。


大御所筋肉兵残存数:8100人(81%)。


【第18部おわり】




いつもご愛読ありがとうございます。

マルブ公演までで18部は終了です。

まだまだ残機数も沢山残っており、

大御所一派が今後どう出て来るか、

予断は許されません。

今後の戦いにご期待下さい。


では明日、第19部でお会いしましょう。


鈴波潤

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