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11-9.狼森の村

※第11部の主な登場人物

◯旅の仲間(ビッグセブン)

メグル(ウラナ)…主人公。元ボン76世(未)。旅行家志望。生真面目な15歳と結構浮気症な66歳が同居している。"国民的英雄"に加え、"改革者(イノベーター)"の称号を獲得。更にマーリンから"人類の代表"を押し付けられる。

聖狐天の父となる。

オコ…メグルの妻の元妖狐。メグルとの子作りを夢見ている。弓の達人。弱者の味方で直情的。聖狐天の母となる。

コンコン…先先代妖狐。子狐と伎芸天女の童女に憑依できる。

ステル(ラン子)…鳥ジャガー神。ラン(獅子)とヘレン(白虎)の娘。メグルをあるじと慕う優しい少女。第6章で進化を遂げ成体、幼体(子猫)以外に猫耳娘の形態をとる。

パーサ…元八娘2号。シバヤンから譲渡され、メグルの侍女となった名古屋弁美少女。諜報活動に大活躍。自称第二夫人。大型肉食獣アヌビスに変身出来る。

ノヅリ…バクロン第3王子。魔法省長官を辞し魔法修行の旅に出る。メグルの師匠。コリナンクリンの恋人。

コリナンクリン…ワタリガラスの鳥神。運送業ワタリガラス商会の女社長。ノヅリの恋人。

○妖狐一族

白銀丸…初代妖狐の娘。医術に優れる。真名はイネ。

◯ナイラス神界

アヌビス…ミイラ製造者の神。父はセトだが、実の父はオシリス。オシリスの体を繋ぎ合せて再生する。母はネフティス。パーサを妹とし、マァトに思いを寄せている。

ラー…太陽神。

マァト…ラーの娘。アヌビスに思いを寄せている。

セベク…鰐頭の神。セト家の執事。

レネネト…コブラの頭を持つ女神。セベクの妻。

ハトホル…愛と美の女神。永遠の17歳。

○狼の群れ

ウプウアウト…狼神。

サラ…ウプウアウトの母。


転生したら転生してないの俺だけだった

〜レムリア大陸放浪記〜


11-9.狼森の村


森の端には小さな村があった。

ここはかつて森の幸を採り、小さな畑を耕して暮らしている人間の村だった。

この村には昔から森の神様の言い伝えがあり、それは大きな狼だった。

姿を見た者は居ないが(かなり前に裂け谷に移動していたので)、人々は狼を神として信仰していた。


ウプウアウトが姿を現した時、村人はその巨大さに大いに畏れ、生贄は何人必要か?と聞いた。ウプウアウトは、生贄は不要である事。木の実、野草などは自由にとって良い。狩りは獲物の数により村人の取り分を伝える事を告げた。

村人は感謝し、農作物の捧げ物を約束した。

何度か小さなイザコザもあったが、ウプウアウトの命令通り狼は人や家畜を襲わなかったし、ある時大規模な盗賊団がこの村を襲った時、狼がこれを撃破した事から、村人の信頼は高まった。

これがウプウアウトから聞いた狼の森の概要だった。


「小さい村だね」

適当な距離を置いて着地し、天幕を張った俺たちは、これからの事を話しあった。

「まずは村に行って安心させよう」

ステルとトトムが着地した時、畑を耕していた村人の姿があった。

びっくりして腰を抜かし、村に走って行ったので、今頃村はパニックだろう。


「では余り大人数ではかえって不安がられますので、俺と師匠。ウプウアウトと白銀丸の4人で向いましょう。白銀丸は依代(フィギュア)に入ってね」

「アシは別行動でいいかね?」

パーサは常に自律的に行動する事を許している。おそらく森の周辺を広域に調査・警備するつもりだ。

「ぼ、僕も行っていいかな?」

「にいちゃんは来んでもいいわ。足でまといだで」

足ではパーサとアヌビスはいい勝負だが、咄嗟に判断して姿を隠したり、陽動で攻撃したりする斥候任務は、楽しく走るのとは訳が違う。

アヌビスにはもし何か大きな問題が起きた時に、ナイラス神界の調整に回って貰う必要があるので、今は自重して欲しい。


「お前達は何者だ!」

古い剣や槍、鍬などを持った村人が20人ほど門を守っている。

「落ち着け。オレだ」

ウプウアウトは人型を解き、狼の姿になった。

「おお、大神様でいらっしゃいましたか?」

村人達はへたり込んだ。明らかにケンカ慣れしていない。


「この方々は、オレ達を助けるために来てくれたのだ」

ウプウアウトは、俺を人類の代表。師匠をナイラス最大の魔術士、そして白銀丸を力ある医師。と紹介した。

白銀丸の紹介の際、村人達の中から

「うぉ」

と言う様なため息が漏れた。


「何かこの村に病が発生しているのですか?」

白銀丸が尋ねる。俺たち緊張が走った。

狼達を蝕んだ病が、村人にも?

いやそれなら他の狼にも伝染したはずだ。

「病人が10人ほど出ています」

村長とおぼしき老人が申告した。

「悪い病でしょうか?」

直ぐに病人をまとめて看病している集会所に、白銀丸は急いだ。


流行性感冒(インフルエンザ)ですね」

白銀丸は手を洗って薬の処方を始めた。

この世界にはワクチンもタミフルもないが、代わりに治癒魔法と言うキラーアイテムがある。

白銀丸の治癒魔法はそれほど強力なものではなかったが、俺も師匠も専門家なので、白銀丸に教えながら効果的に治癒魔法を使った。

これで病魔への抵抗力が増す。

体が病魔と戦い出すと、当然高熱が出る。

氷魔法で冷やしながら、白銀丸の処方した薬を飲ませる。


「これは父絞陀(シボルダ)の処方にて、丸薬は病魔の力を弱める薬。水薬は病魔の増殖を妨げる薬です」

「病魔を?」

「はい父は流行り病の原因は病魔(ウイルス)と言う小さな小さな生き物だと申しておりました。一人の患者に病魔が取り付いても、それは本人の抵抗力で治る事が多い。しかしながら、病魔は増殖し、咳や痰から人に移る。と」

絞陀さんは前世の現代医学とほぼ同じ防疫法を知っていた事になる。


白銀丸は、患者に接する時よく洗った布を巻いて口と鼻を覆う事。手に付いた病魔が口に入らぬよう、手洗いうがいをするように申し付けた。

翌日には患者は全員快方に向かったので、村人は白銀丸をほとんど神様の様に扱った。


「なんだか昔を思い出しました。やっぱりやり甲斐がありますね」

俺はこの子を初代様のお世話や、芸能(アイドル)活動に消費していいのか?と思ってしまった。

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