旅は道連れ(3)
転生したら転生してないの俺だけだった
〜レムリア大陸放浪記〜
1-37.旅は道連れ(3)
翌日昼食後にタンジンは荷馬車に帰って来なかった。
「商団を降りるのかしら?」
「いや、荷物はまだあるぞ」
気になるので、今日も商団の夕食の様子を見に行った。
タンジン、メルと並んで飯食ってやがる。
「お二人は随分親しくなられましたねえ」
商団長がニヤニヤしている。
「いやあ、主上の話、ヨウコ様の話が弾んでしまってな」
「本当にタンジン様からお聞きするヨウコ様のお話は初耳なお話ばかりで」
メルぶれないな。ヨウコの話しか耳に入らないらしい。
「昼食後、お二人が2号車に乗られた時には、一同侍従長様も男だったのだ。と」
「どう言う意味だ。俺は兵士の頃から宮殿に仕えてからも、一度も女子と狎狎しくした事などない男だぞ」
「なればこそ、老いらくの」
「馬鹿を言え!その様な不純な話ではないわ。メル殿に失礼だろう」
「私は構いませんよ」
「なっ!?」
「ヨウコ様のお話が出来るならば、私は悪鬼とでも、同室いたします」
メル本当にぶれない。ひょっとして男に興味のないヒト?
「悪鬼は心外ですが、剣の訓練の時は、主上にもヨウコ様にも"鬼!"と罵られましたよ」
「そ、その話を是非!」
「明日に致しましょう」
どうやらタンジンは結構メルを気に入っているらしい。ただ色恋と言うより俺たちの代わりか?
「ほらみろ!旦那は荷馬車の中で、ややこしい事をする様なお方じゃないって言っただろ」
部下Aが部下Bに言う。
「これ!はしたないですよ」
商団長は叱ったが、顔は笑っている。
タンジンは苦笑いして、
「あの2号車で、メル殿にふしだらな態度をとる事は誰にも出来んよ。どうもあの馭者、メル殿を乗せているうち、メル殿に懸想してしまったらしい。ちらちら後ろを向き、わしの事を凄い目で睨みつけおる」
「そうなんですか?気づきませんでした。お気の毒ですが、私は既にヨウコ様のものです」
ガチのカミングアウトだった。
その後はごく平穏に旅は続いた。タンジンは昼食後、2号車に乗り込み、オコに午後の熟睡をプレゼントしてくれた。
メルグッジョブ!
情報を得たい。ダラの様子とか話が出るかも知れない。と言う事で、俺たちは毎晩勝手に商団の夕食に招待された。
決して二人の進展を知りたかった。と言う様な下品な理由ではないゾ。
俺たちは酒は飲まないので商団の酒盛りは羨ましくない。煮炊きした食事も羨ましいかな?と思ったが、具は干し肉なので、俺たちも干し肉を持って行って齧っていた。
本当に平穏な旅だった。一度100人程の山賊に囲まれたが、特に問題無かった。
もっとも護衛たちは
「ボスの手下じゃねえ!」
「どこのシマだ!」
とパニックになっていた。
当たり前だろ、この大街道を全部仕切れるボスがいたら、そいつは第二のアンゴルモア大王だ。
護衛たちはそんな腕に覚えがあるわけではなかったらしく、全然使えなかった。
結局30人位をタンジンが斬り伏せ、残りをメルの風の刃が一瞬で首を跳ばして終結した。
「タンジンはジョウザ最強の剣士だな」
俺は感心した。
「私のお師匠様ですもん」
二人とも人類の範疇を超えたバケモノには言及したくなかった。
「どうも邪魔だった様だ。次は全てメル殿に任せよう」
メルの強さに、タンジンも呆然としていた。
何をおっしゃいます。とか謙遜しながら、メルは山賊の死肉を漁りにきたジャッカルを、"可愛くない"と言う理由で、20頭ほど一瞬で斬殺した。
メルはベンガニーの次に好きですw
いつか
「暴虐の魔女メルハバ」
の話を書きたいです。もちろん
「あれ?私また何かやっちゃいました?」
系の話ですw
読んでいただきありがとうございます。
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