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その後の顛末

一応事件は終結しますが、メグル達がジョウザを脱出するまで、もう少し第一部が続きます。よろしくお付き合い願います。

転生したら転生してないの俺だけだった

〜レムリア大陸放浪記〜


1-31.その後の顛末


まず俺、ボン76世は正式に廃され、先先代がちゃっちゃと手配した新しいボンがあっさり見つかり、真の76世となった。俺は めでたく後世に"無冠様"と呼ばれる、初めての即位しなかったボンとなった訳だ。


事件に関しては

1.原因について。大火花収束後直ちに参加者約1000人に対し、当分の間宮殿から出ないよう申し渡され、聴取が行われた。史上最大級の爆発と火花については、式の司には罪がない事が証明された。勿論ベンガニーの詳細な記録が大いに証拠となった。


更に司からは当日の朝、至上から"今回の発火物関係は全て至上自ら用意する"との申し出があった点が証言され、至上の私室から七色の火花を飛ばす魔法の処方メモ(わざと置いた)が発見されたため、大爆発については至上の魔法式設計ミスと言う見方が有力となった。

因みに七色火花処方に関しては、後にジョウザの重要な観光資源、大花火大会の元となった。


2.ヨウコ様の不可解な行動について。

最初は痴情のもつれ説が有力だったが、これは宮殿としては不名誉な結末の為、侍女達が中心となって

"悪鬼(ジン)と思われる何者かに対するヨウコ様決死の忠義物語"に置き換えられていった。

末端の使用人は未だに妊娠説を噂するものもあったが、噂を撒いた侍女達自身が真っ向から否定しており、妊娠説否定の証拠としての、ヨウコの腹筋が割れていた件も、一部のヨウコファンには衝撃を与え、筋トレを始める者が男女問わず激増した。


「添い遂げる」についても、当初結婚を連想させる言葉ととられていたが、これは"Stand by you."つまり

"対等のパートナーからの強い忠誠の誓い"と解釈されるようになり、

これには、ヨウコ本人が慌て、俺は詰問を受けた。

「ええ?どないやねん!」

義母譲りの関西弁で凄まれ、俺は給料3ヶ月分の指輪を約束させられた。まあ今は俺プーだから、どこかで収入を得たらね。


なんだかんだで、ヨウコは、悪鬼(ジン)の妨害から主君を守った聖狐として、信仰の対象となった。


3.二人の安否について。

ゲヘナの炎鎮火後、若い男女の骨が発見され、至上とヨウコ様のお骨と推定された(DNA鑑定とかないからね)。何より新しいボンと妖狐が見つかっているので、俺たちの死を疑う者は居なかった。

お骨は高熱と爆発で破砕されており、どちらのものかは分からなかったが、各地の寺社が競って分骨し、各地に舎利塔が建立された。ジョウザ百塔である。


ヨウコは聖狐になったが、最初俺の立場は微妙だった。

「ああ、あの失敗した人?」

みたいな。

しかし次第に民間からは、


悟りを開いても何もしてくれない覚者(梵)よりも、

人間らしく生きて行動的(時系列がおかしいのだが、崩れそうな観客席を支えたのもなぜか俺。と言う事になっていた)だった俺。

悟りの手前のボーサットの方が願いを聞いて頂ける。

いやあえて俺は衆生を救う為、ボン(梵)にならなかったのではないか?


と言うボーサット信仰が始まり、今までボーサットと呼ばれていた上位修行僧は呼ばれなくなった。

こうして俺は知恵と愛の神、マンジュ・ボーサット(大東読みで文珠菩薩)、ヨウコは聖狐天と呼ばれ、民間信仰の対象となった。


まあ俺たちの手は離れたので、どうでもいい事だが、諸国放浪中に小さな祠に、夫婦和合の神として素朴な抱擁裸身像が祀られていたりするのは、ちょっと恥ずかしい。


そうそう、あの人。ベンガニーであるが、侍女を辞したあと、悲願を成し遂げた。

同期の侍女達がいずれもボーサットのお世話をした貴人として、望まれて王侯貴族に嫁ぎ、それぞれボーサット信仰布教の基盤となったのに対し、ベンガニーは、なんと妖狐の里に住まいを定めた。やがて彼女の描く、

"ポン様とキョウコ"を主人公にした

"ギョウザ物語"は次々と続編が発刊され、大ベストセラーになり、芝居も上演された。


実在の赤穂藩家老大石蔵之助が、歌舞伎の仮名手本忠臣蔵では大星由良之助となっている様に、彼女の描く物語はあくまでもフィンクション、架空の人物であり、内容は奔放な恋愛小説であったが、背景がジョウザを忠実に取材している為、こちらを信じる人も多かった。


民間信仰で俺たちが夫婦和合の神になってしまったのは、こいつのせいである。

彼女自身も元ジョウザ侍女であり、式の司の配下(臨時だとは言わない)であった事を最大限に利用し、ペンネームも


「式役のベンガニー」と名乗った。因みにベンガニーはレムリア南部の言葉で"紫"である。

ベンガニーの名前を決めるとき、この結末が書きたかったw


読んでいただきありがとうございます。


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