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54-18.敵のやり方

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


54-18.敵のやり方


『呆れたなあ。豚じゃないの』

まあもしかしたら、とても豚に似た兵隊かも知れんが。

『豚ですね。間違いなく』

『つまり両軍出来レースという事?』

『将棋的な?盤上遊戯の類でしょうか』

つまり天蓬元帥こと豚伯爵は、大東のどこからか兵隊を調達して禁軍に偽装して、青島から連れて来たり朱雀国軍を青く塗り替えた青龍軍と戦わせている。

ということか?


『なんのためにそんな手の込んだ事を?』

『シミュレーションでしょうね。翼院大尉の証言にも"青が足りない"の様な声が聞こえたと』

つまり今後の戦闘に備えて、大群をレムリアで動かす訓練、と言う事か?


『しかしそれだけの大群を生成しても、維持が大変だろう。最初は元々の軍糧を徴収するとしても』

『使い捨ての駒なんでしょうね』

『という事は、戦闘が終わったら』

『消すか、何らかの方法で保存するか』

『保存…』


つまり生命のない傀儡として再利用と言う事か。

『ということは、豚伯爵も傀儡魔法を使う。という事?』

『その可能性は45%ですね』

『そんなに低いの?』

『豚伯爵も傀儡魔法が使えるなら、鹿の王は天使兵部隊の操縦に使うのではないか?と思うんですよね』

なるほど。


『ただ豚伯爵子飼いの部下に傀儡使いがいる可能性はありますね』

それで45%か。

いずれにしてもこの傀儡兵にはあまり複雑なコマンドはこなせないだろう。おそらく横一線

「突撃ぃ〜!」

みたいな大量投入の消耗戦なんだろうな。


「許せないわね」

俺の報告を聞いてオコが言う。

「そんな、人間を道具としか思ってない使い方」

まあ戦争と言うものはそういうものではあるけどな。


前世の古代戦争で最も有効な戦術兵器だったのは、古代ギリシャの

重装歩兵(ファランクス)

だろう。


右手に長い槍、左手に体を覆う盾を持ち、きっちり横何人かの長い縦隊を作って、しっかり固まって、号令一つで前後左右斜め、全方向に動ける人間戦車だ。

右手の槍は前列と後方では長さが違い、後方の槍は長い。

つまり激突で最も多くの槍先が敵に当たるようにできている。

盾は自分の左半分と右側の兵士の右半分を覆う。

一番右側はがら空きなので、丸い盾を持った剣士がガードする。


これが古代ギリシャの重装歩兵で、アレクサンダー大王の東方遠征では、かつてのペルシャ戦争でアテネ軍がペルシャの大軍を撃破した経験からこの兵団を主力として連戦連勝、占領した地域の軍の戦い方も取り入れながら、ついにインド国境まで攻め込んだ。


この若き帝王は戦半ばで病に倒れたが、征服王アレクサンダーの名はインドの神話にも取り入れられ、現地語訛りになった

「イスカンダル」

の名が今も伝えられている(※松本零士が宇宙戦艦ヤマトの目的地に設定した、あの星の名だ)。


(諸事情により、18話は普通より短いです。ご了承ください)

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