二十・愛した分だけ締まる首
昔、おとぎ話で神はいないと聞いた事を不意に思い出す。
――嘘だったら、どれだけ楽だったか。
暗い部屋の中央に佇む少年は、突きつけられた言葉に下唇を噛み締めた。そんな少年を値踏みするように見据える人々の視線は、どれも不愉快極まりなく、何故こんな所に連れて来られたのだろうかと運命を呪った。
「ガドール=クーリッジ、お前にオールマイティー監視の任を与える」
オールマイティー、そう呼ばれたのは小さい頃から一緒にいた幼馴染だった。人々は語る。奴は我々の脅威になりかねない存在であり、もし奴が反逆者となりえた場合は殺してしまえ、と――。
「失敗は許されない。もちろん、この事は他言無用である」
「……御意」
拒否する事など許される訳もなく、少年――ガドールは声を絞り出す。明日からどんな顔をして、ロックの隣にいればいいのか。こんな事が知られてしまったら、ロックに嫌われてしまう。不安が頭にまとわりつき、気分が悪くなる。
「……どうして、ロックが」
「ロック?あぁ、あの子供の名か」
ガドールの呟きに興味がないと言わんばかりに誰かが返す。彼らにとって、ロックの存在がいかに瑣末な事であるのか、それがまざまざと分かり、ガドールはキッとその人物を睨み付ける。オールマイティーは確かな脅威ではあるが、ロックという人間自体に恐れる必要はないといった所か。
「奴は現オールマイティー……シュネル=ペプラムの孫だ。オールマイティーは遺伝性ではないが、あの子供にはその特徴が見られる」
「特徴……?」
「金髪銀眼だ」
誰かの言葉にガドールは違和感を覚える。確かにロックは金髪だが、眼は灰色だ。
「銀というには、黒みがかってはいるが、例の事件で魔獣を倒した事実が何よりの証拠だろう」
例の事件というのは、数日前に村を襲ったロマノフ=ジョーヴァンが引き起こした災厄の事だ。幼心に冷酷にも焼き付いた惨状は今思い出しても、胸を抉り、自身の無力さを痛感させる。
――俺にもっと力があれば……。
ロックの両親も、村の人々も死ぬ事はなかった。不毛だとは思いつつも、考えずにはいられない。残された者の傷は計り知れないが、ガドールはそれ以外にズタボロだった。目に浮かぶのは、両親を亡くし、墓の前で泣き続けているロックの姿ばかりだ。
「その子供がオールマイティーとして完全覚醒すれば、老いた方のシュネルを殺すはずだ」
「そんな事、させる訳……!」
「ならば、その子供が死ぬだけだ」
吐き捨てられた言葉にガドールはきつく拳を握りしめる。オールマイティーは世界に二人しか存在出来ない。それはこの世界が出来た時からの理であり、覆る事のない連鎖だ。つまり、ロックがシュネルを殺さなければ、逆にロックが殺されてしまうという事だ。
――俺は……、どうすれば……。
告られた結末に抗う術もなく、数年後、ロックはシュネルを撃ち殺した。血に塗れたロックは不気味な笑みを浮かべたまま、放心状態だった。覚醒してしまった――。そう絶望しかけた時、ロックの口から悲鳴が上がる。
「ガドール、俺……俺、じいちゃんを……!」
涙で顔を汚しながら、ガドールにしがみつくロック。その様を達観的に見据えていたガドールはロックにバレないようにニヤリと口の端を上げて笑っていた。
――ロック、俺はまだ……お前を救ってやれる。
完全にオールマイティとして、覚醒していないのなら――、ロック自身の人格が残っているのなら――、処理は簡単だ。
「忘れろ」
ガドールは能力を使い、ロックの記憶の一部を書き換える。シュネルの死体は、エージェントに任せ、死因は病死と偽った。
――俺が守ってやるんだ。
託された想いがあった。守りたいという意志があった。しかし、例の命令が邪魔をする。知られたら最後、ロックはガドールから離れていくだろう。俺はお前を断罪する為に生きているのではない、と。
「ぐあっ……!」
村の人々の哀れんだ目や気遣いにロックの心は疲弊し、度々原因不明の発作を起こすようになった。誰もがロックをあの事件の象徴としていた。それを感じ取っていたロックはストレスから料理さえも出来なくなっていた。
「ロマノフ=ジョーヴァンの野郎をぶっ倒しに行くぞ」
ロックを連れ出すための口実になれば、何だってよかった。あの元凶をぶっ飛ばしてやりたい気持ちは確かにあった。しかし、それ以上に思っていたのは、ロックの事だった。本人の知らぬ所で自身の運命が左右されているなど気付かずに、幸せになってくれと心から願っていた。だから、ガドールはロックと共に故郷を出たのだ。
「ガドール?」
その声で名前を呼ばれる事が心地よかった。肩を並べて、冗談を言いながら歩いて行ける日々が楽しかった。偽りだらけの中で唯一、真実だと信じられたモノ。いつか失ってしまうであろう、当たり前のロックとの日常がガドールには眩しく、愛おしく思えたのだ。
「お前みたいに綺麗なまんまに生きられたら、最高なんだろうな。きっと」
些細な幸せで満たされていた心がひょんな事から欲を出す。クルッカに出会って、ガドールは自分も誰かを愛してもいいのだと、許されたような気がした。元より誰かに禁じられていた訳ではないが、ガドール自身、自分は誰も愛せないだろうとどこかで思っていた。何故なら、ガドールが愛していたモノはすべからく、その手から零れ落ちていってしまったからだ。ただ一人――ロックを除いては。
――何度だって、欺いてやるよ。
能力を使わずとも、上手くやれる自信があった。何たって、自分には嘘つきの色とされる紫の瞳があるのだから。
「雷帝、オールマイティーの様子はどうだ?」
「相変わらずだ。奴が脅威になるとは思えない」
他にやり方があったのなら、教えてほしい。誰も傷付けず、誰も苦しまない守り方があったのならば、今も相棒として、純粋にロックの隣にいられたというのに。
――……苦しいな。
胸に秘めた思いを全てぶちまけられたら、どんなによかったか。助けてくれと伝えられたら、仲間は手を差し伸べてくれただろう。しかし、そんな事を考えても、もう後の祭りだ。
「よぉ、下等生物共」
ニヤリと浮かべられた笑みにガドールは全てを悟る。シュネルを殺したのは、ロックではなく、こいつであると。何故かは分からないが、オールマイティーはロックとは別人格として、その体に宿っていたのだ。
「俺が、俺だけがお前を愛してやる。死ぬまでずっと、永遠に」
狂った告白じみた言葉にガドールの全身からバチバチと電流が流れ出す。それと共にだだ漏れる殺気を隠す様子もないガドールは、オールマイティーを殺さんとばかりにキューを振るう。相手が誰であろうと、ロックであるなら、自分が負ける訳にはいかない。これ以上、格好悪い姿など見せてなるものか。
――ロック、俺は……!
正気に戻して、言わなければならない言葉がある。例え、許されないとしても、ただ一言――ごめんと言いたかった。
_____________
「ガドール君!」
シュネルの声にガドールは乱れた息を整える。その下には馬乗りにされ、身動きの出来ないオールマイティーがおり、口にはガドールの警棒が突き立てられている。
「ガドール……」
心地よかった声がガドールの名を呼んだ瞬間、突き立てられた警棒からバチバチと火花が散る。
「くくっ……。また欺くのか?じいさんをぶち殺した時みたいに隠してくれるんだろう?」
「黙れ」
ガドールの警棒の先端がオールマイティーの喉の奥に当たる。これにはさすがのオールマイティーも嘔吐き出し、生理的な涙が頬を伝う。
「殺されたくなきゃ、関わるな?それはこっちのセリフだ」
これがロックの体でなければ、嬲り殺していただろう。それ程にガドールの怒りは頂点に達していた。あの日、何も守れなかった時から、ガドールは穢れているのだ。今更、何かしたくらいであの頃以上に傷付きはしない。
「うげぇっ……」
「今すぐ、ロックの中からいなくなれ。じゃねぇと、ぶっ殺すぞ」
オールマイティの耳元に口を寄せ、低い声で言い放つ。すると、数メートル先で見守っていた三人の空気が張り詰める。
「ガドール、お前……!」
「勘違いすんな。書き換えたりはしねぇよ」
「じゃあ、どうするつもりだ?ロックを殺さずにそいつだけ殺すなんて事、出来るとも思えないが」
チェイスがガドールを真っ直ぐに見据える。一方のガドールは、警棒を突き立てたまま、視線だけをシュネルに動かした。
「一時的に封じ込めるくらいは出来るけど、彼だけを殺すなんて事は出来ない。残念だけど、彼もロックの一部だからね」
「……だろうな」
目を伏せるシュネルにどこか分かりきっていたと言わんばかりの表情のガドール。しかし、やる事に変わりはない。ガドールはオールマイティーに視線を戻すと、もう一度耳元に口を寄せる。
「おい、ロック」
ビクリとオールマイティーの体が震える。余程気持ち悪かったらしい、オールマイティーはバタバタと手足をばたつかせる。
「俺はちゃんとお前を見てる、お前だけを見てる。何があっても、俺はお前の味方だから」
「あがっ………ぐぇっ……!?」
「大好きだぞ、ロック。他の誰よりも、愛してる」
「っ……!!」
目を見開いたオールマイティーは、不愉快とばかりに口に突き立てられた警棒を退かせ、ガドールを突き飛ばす。耳元で囁かれた事が酷く気に入らなかったようで、オールマイティーは耳元を手で摩っている。
「野郎に囁かれる趣味はねぇんだよ!クッソ気持ち悪ぃ……」
「ッチ。これくらいじゃ、戻ってこねぇか」
「お前、バッカだろ!?これだから、下等生物は……」
ふとそう言いかけた、オールマイティーの口元が不気味に歪む。悪巧みでもしているような表情にガドールはぞわりと悪寒を感じた。
「お前も大変だなぁ。思ってもねぇ事を口にしねぇといけないなんてよ」
「あ?」
「いや、殺す度胸がねぇだけか。大事な家族だもんなぁ?いくら命令でも殺せないよなぁ?」
あからさまな挑発にガドールは何だとオールマイティーを見る。今は先程よりだいぶ冷静だ。そんな挑発に乗る程、馬鹿ではない。
「殺せるぞ。お前だけなら」
「お〜、怖い怖い……。でも、それは間接的にこいつを痛めつける事になるって忘れてないか?」
指で焦げた髪先を弄るオールマイティー。瞬間、カッと頭に血が上る。我が物顔のオールマイティーが心底気に入らなかった。
「誰よりも信じてた幼馴染に裏切られて、しかも体までズタボロにされて……。挙句、口から出る言葉は嘘だらけ」
――誰のせいでそうなったと思ってる……。
「騙してたんだよな、ずっと」
ギリィっと食いしばった歯から嫌な音がする。
「お前だけは……違うって信じてたのに」
わなわなと震える肩を諌める手も払い除け、ガドールは声を上げる。
「ガドール!!」
「お前さえいなけりゃ、俺は……っ!?」
――あいつの相棒でいられたのに。
続くはずの言葉は声にならず、ガドールの心臓は一気に熱を失っていく。まるで心から凍っていくような感覚だ。
「…………ロック」
いつの間に入れ替わったのか。ガドールの目の前には眉を顰め、苦しげに涙を流しているロックがいた。最悪の形での再会にガドールは唇を噛み締める。
「俺は……、お前の罪の産物じゃないっ……!」
発された言葉にガドールの体は強ばる。俯いていたロックは、垂れた前髪越しにこちらを睨み付けていた。覚悟していた事とはいえ、実際にそんな視線を向けられた事へのショックは想像以上のものだった。
――嗚呼、これはきっと罰だ。
築いてきた絆がガラガラと崩れていく、そんな音がガドールの頭の中で嫌に響く。
「ロック、ガドール君は君を……!」
「みんな……みんな、俺をそんな目で見てきた!あの事を忘れろって言うくせに、俺をあの日からずっと縛り付けてくる!!」
「誰も俺を見てくれない……。俺越しに違うものばかり見て……」。顔を両手で覆い、その場に膝をつくロック。震える肩はいつも以上に華奢に見え、今にも壊れてしまいそうだ。見ているだけでも胸が痛くなる光景にガドールは何も考えられなくなる。
「俺が、オールマイティーだから……ずっと傍にいたんだろ?馬鹿みたいにお前に憧れてた俺は、滑稽だったか?」
「ロック、やめるんだ。それ以上は……」
「俺は……俺はっ……!!」
「ロック!」
シュネルはロックに駆け寄ると、その背中を優しく撫でる。過呼吸のようなおかしな呼吸音が耳に付いて離れず、やがてロックは意識を失った。色のない頬は死んでいるかのようだった。
――こいつを欺き続けた、罰なんだ。
「……ガドール、大丈夫か?」
控えめにかけられた声にガドールは生気のない声で何とか返事をする。振り返れば、そこには心配そうな顔をしたチェイスとモルドレッドがいた。
「モロ、お前はガドール達と艇に戻ってくれ。俺はクルッカ達と合流する」
「……了解。無理すんなよ」
「あぁ、そっちこそ頼んだぞ」
チェイスはガドールを一瞥した後、その場から駆け出した。一方のモルドレッドはロックを診ているシュネルに声をかけ、状態を確認しているようだった。
「よいせっと……!あ〜……、バズーカーどうする?」
「私が持って行こう」
テキパキと撤収作業に入る二人に対し、放心状態のガドールは焦点の定まらない目で立っているのがやっとだった。
「ガドール、お前が過去に何してたのかなんて、俺は知らねぇし、こんな事言われるのは癪だろうが、今だけはシャキッとしてくれ」
「まだ敵地なんだよ、ここは」。強い光を宿す青い瞳にガドールはハッと我に返る。そうだ、今はここから離れなくては。
「……悪い。先頭は俺が行く」
「あぁ、頼んだ」
ガドールは武器である警棒を握り直すと、艇の停めてある外を目指し、歩き始めた。
―――――――――――――――――――――――
一方、クルッカに加勢しようと上に残ったマティアスとジェイドは目の前に広がる惨状に息を呑んだ。
「何、これ……」
コンクリートの壁はボロボロと脆く崩れており、中の鉄骨は熱で溶かされたのか、原型を留めていない。部屋のあちこちには幾つも瓦礫の山があり、よく見ればそこから人の手らしきものが覗いている。
「ジェイド、手伝って」
「えぇ」
二人がかりで瓦礫を何とか退かすと、中から出てきたのはバネッサだった。満身創痍で気絶しているようだが、命に別状はなさそうだ。
「バネッサ、しっかりしなさい。バネッサ!」
バネッサを膝に抱え、声をかけるジェイド。ペチペチと軽く頬を叩くも、バネッサから返ってくるのは呻き声のようなものばかりだ。
――クルッカとゼータは?
バネッサをジェイドに任せ、マティアスは瓦礫の山を崩しにかかる。人の気配がしない分、気を付けなければならないが、悠長にしている場合でもない。
「クルッカ、ゼータ。聞こえてたら、返事して」
声をかけながら、人がいそうな場所を手当たり次第に見て回っていると、物陰から微かに低い声が耳に届いた。ゼータの声だ。
「ゼータ!」
壁に開けられた穴から隣の部屋に入ると、壁に凭れているゼータを見つける。バネッサ同様、満身創痍だが意識はあるようで、マティアスを見るなり、困ったと言わんばかりに眉を顰める。
「ゼータ、大丈夫?」
「敵の心配をしている場合か」
呆れた口調のゼータは話す事もしんどいのか、ヒューヒューと変な息をしている。こういう時、ロックがいれば心強いのだが、ロックもロックで大変な時だ。回復魔法の一つでも覚えておくんだったとマティアスは軽く後悔する。
「敵でも友達、だから」
「……そうか。まだ、そう言ってくれるのだな」
口の端に笑みを浮かべ、嬉しそうなゼータ。おもむろに手を上げたかと思えば、その指先は更に隣の部屋へと向けられた。
「クルッカならあちらだ。今は落ち着いているとは思うが、気を付けろ……」
「ん、ありがとう。すぐ迎えに来るから」
マティアスはゼータから離れると、ゼータの指した隣の部屋へと足を踏み入れる。荒らされた形跡のない部屋は、無機質でひんやりとしている。思わず、マティアスが身震いしていると、部屋の中央に佇んでいたクルッカがゆっくりとこちらに振り返る。
「マティアス……?」
レモン色の目がマティアスを捉える。意識があるのか、ないのか。その目はたゆたっており、焦点が合っていない。
――wild cardの暴走とは違う……。
部屋の惨状から、wild cardが暴走したのかと考えていたマティアスは、様子の違うクルッカを真っ直ぐに見据える。wild cardが暴走したのなら、クルッカの意識は奴にのまれているはずだ。
「マティアス、下がれ」
クルッカに近付こうと一歩踏み出そうとした時、マティアスの肩をチェイスが掴む。ロックの方は片が付いたのだろう。その事にマティアスはホッと胸を撫で下ろす。
「……ロック、は?」
「あいつなら無事だ。ガドールもな」
そう語るチェイスの顔は笑ってはいたが、マティアスは直感的に何かあったのだと悟る。元々、何かしら抱えていそうな二人だ。特にガドールは不器用ながらもロックを大切にしている反面、たまに苦しげに眉を顰めている時がある。何かない方がおかしい。
「そっか……。よかっ……」
チェイスの言葉に安心したのか、クルッカの足から力が抜けた。ゆっくりと床へと倒れ込む直前、チェイスが滑り込んでクルッカを抱き留める。バネッサやゼータ以上に傷だらけのクルッカは、綺麗な銀髪を血で赤く染め、痛々しい有様だ。
「……チェイス、バネッサとゼータはどうするの?」
クルッカを抱え、その場を後にしようとするチェイスをマティアスが呼び止める。今回の元凶とはいえ、二人はクルッカ達と浅くない間柄だ。このまま、ここに置いていく事は簡単だが、今回の事についての真相も分からないままというのは後味が悪い。
「もちろん、連れて行くさ。王都に着き次第、騎士団に身柄は拘束させてもらうがな」
「……ありがとう、チェイス」
「お前が礼言う事じゃないだろ?」
「本当、いい子だよな。お前は」と笑うチェイスにつられて、マティアスも笑みを浮かべる。
「チェイス、あいつらどうする?」
不意に壁の穴から顔を出したモルドレッドがゼータのいる方に親指を向ける。「艇に運んでくれ」とチェイスが返すと、モルドレッドは頷いてみせた。
「おい、ゼータとか言ったか。お前、歩けるか?」
「あぁ、大丈夫だ……」
よろよろと立ち上がるゼータにモルドレッドが肩を貸してやる。身長差があるせいで互いに歩きづらく、重いだのと愚痴りながらもゼータを気遣っている辺りがモルドレッドらしい。
「よし、それじゃ戻るぞ」
「へいへい」
クルッカを抱え直したチェイスは、モルドレッド達と一緒に艇へと向かう。その背中に安心感を覚えつつ、マティアスも後を追うのだった。




