第八十話「ルーキー達と情熱の赤」
こんばんは、作者です。
いつもご愛読ありがとうございます。
変なタイトルですが、今日も本編まいりましょう。
ホテルに帰るとアーク達が待っていてくれた。
すっかり遅くなったな。
「おかえりー」
「ただいまー」
みんなが声をかけてくれた。
何故か全員ドヤ顔をしている。
あれ?何だこのこいつらの誇らしげな表情。
「先生!見てこれ!」
トッドが胸のバッヂを誇らしげに見せた。
みんなの胸や首からかけられた紐に、保安官バッヂが揺れていた。
はあ?
「何何ー?」
レイナも驚く。
「我々は保安官補に任命されたのさ」
とマック。
隣にアンジーがいた。
出たアンジー。
この浮気者め!
《な、何の事を言っておられるのかわかりません》
アンジーが焦って目をそらした。
ふふ。
「どーなった?」
《い、いえ、べ、別にどうしたとかは無くて、ただ二人でお酒をって、はっ!》
アンジー、それを聞いてるんじゃないけど?
《す、すいません。けど、し、してませんから!》
何を?(ニヤニヤ)
《し、知りませんっ!》
「まあ立ち話も何だから、お酒でも飲みながら話をしよう」
アークに即されて、ホテルのラウンジに行った。
ミッドナイトカフェとは違って落ち着いた場所だった。
高級クラブみたいだな。
フカフカのソファー席に座った。
テーブルを囲む様な丸いソファーだ。
端から、アーク、トッド、アンジー、マック、俺、レイナ、あれ?レイナ?
アンジーとマックは隣り合わせだった。
レイナは当然のように俺の隣に座った。
アンジーとトッドの視線を感じたが、アンジーに関してはお互い様だな。
アンジーはややむくれていた。
へへ可愛いヤツめ。
って、浮気とかさ、そもそも付き合ってないだろうに。
女心はわからん。
「僕達は今日、長官に会って来たんだ」
アークが話し出した。
長官も、保安局内に内通者がいる可能性を疑っていた。
それで長官が提案したのは、保安局内に入って、それとなく色々と探る事だそうだ。
保安官補というのは、保安官が任命できるサポート役のような物らしい。
同心に対して岡っ引き。
社員に対してバイトみたいな物だった。
銃が撃てる撃てないは関係無いようだ。
もちろん保安官補にも、通常の捜査権や逮捕権があるんだってさ。
「僕達はランド王国からの人材交流の一環でやって来た事になったんだよ」
なるほどね、交換留学生みたいなもんか。
なら、怪しまれないかな。
「明日から任務なんだぜー!悪者をタイーホしてやるんだー!」
トッドがウキウキしていた。
アンジーとマックがやれやれと言った表情で視線を交わしている。
何この感じ(苦笑)
レイナじゃなくても気付くわな。
「俺達は明日、俺達の面倒を見てくれる人に会うんだ」
アーク達は、明日から働くんだとよ。
何でも特別巡回保安官といって、担当地区を持たないで色んな所を回る保安官の下に付くらしい。
ビルが信頼を寄せる人物の一人なんだってさ。
「お、俺達は?」
自分を指差しつつ口を開いたよ。
そう。俺達はどーすりゃいいんだ?
「え?君達も保安官補になるんだよ」
アークがバッヂを二つ差し出した。
えー?
いや、ほら、ガンナー。
「ちょ、ちょっとタンマ。今日、俺達も情報を仕入れて来てな。他の捜査方法もあるんだよね」
「そうよー!あたし達ガンナーになるのー!ねー!」
レイナの頭が肩にくっついて来た。
やめれー!トッドとアンジーに殺されるー。
マックが面白そうに見ていた。
何、納得の表情してんだよマック?
「どういう事だ?」
アンジーが口を開いた。
多分色んな意味が込められていると思われ(苦笑)
俺は、キスの事とミッドナイトと俺の正体以外で今日あった事を全部話した。
レイナに机の下で膝を撫でられながら、、、って、ちょ!やめっ!レイナ!
「何という事だ」
「先生すげー!銃持ってたの?てかレイナ凄いじゃん」
「そ、そうなのか。そうか、そんな一日を、そうか、、、はぁー」
「相変わらず驚きの連続だなモズは」
アーク、トッド、アンジーは違う所に羨ましがっているようだが、マック、したり顔はやめろ。
とりあえず、四人の反応が返って来た。
「という訳なんだ。なかなかデンジャラスな状況だろ?捜査は二通りの方が効率的な気がするが?てかレイナの父ちゃんの話はみんな知ってんだ」
みんなが頷いた。
知ってたのかよ!
「へへー。あたし達はガンナーになるのっ!、、、ゴホン。わたくしもモズの意見に賛成です。思いますに、やはり捜査には色々な視点があったほうがよいかと?事態は一層深刻になって来ています。保険は多い方がいいかと思いますが。それに長官のご判断は、今モズが話した内容をまだご存知無い上での判断でしょう?であれば、わたくし達二人は長官に報告した上で、独自に動いたほうが、、いいんじゃなーい?どう?モズ!こういう話し方も出来るのよーあたしー!」
はっ!いかん、見とれてしまった。
レイナってチャラいけど、一応まともな教育受けてるんだなー。
ウケるー!
あ、いかん、レイナみたいになっちゃった。
トッドがボーっとレイナを見ていた。
あーあ、惚れ直したんだなーこりゃ。
「と、という訳だ。俺達は明日ビルに会って来るよ」
ここでやっと、アークは剣に手を当てて考えだした。
「そうだな。そのほうがいいかもしれない。犯人の線を追えるのはモズだけだ。それにレイナもガンナーに興味があるようだ。それにしても、随分仲良くなったね。レイナをよろしく頼むよ」
「へへー!」
レイナが喜んでいた。
こえーよアーク。
勇者バージョンの時は、どこまで何を知ってんのかわからんからな。
「わ、わかった」
その後は、しばらく今日の面白かった話をしつつ、みんなでお酒を呑んだ。
明日はまた別行動だな。
朝も早いので、それなりにお開きになり、みんなはそれぞれの部屋に帰って行った。
アンジーとレイナはこれからガールズトークだろうなー。
俺はトッドとの部屋に帰った。
風呂に入ってさっぱりして、寝る準備をしていると、トッドが話しかけて来た。
「先生、レイナいいやつだろ?今日一緒にいて思わなかった?」
「え?あ、ああ。思ったよ」
言えねー、キスしたとか、口が裂けても言えない。
「何かあったらレイナを守ってやってね。あいつ戦いはあんまだからさ」
「わかった」
「へへー。俺、レイナが好きなんだ」
「知ってるよ」
「え?ええ!?何で?」
「お前はわかりやす過ぎるからな」
「そ、そ、そ、、そうか。やっぱりポーカーは無理か。な、なあ先生。告白したらうまく行くかな?」
「うーん、今は無理だろう」
「やっぱり?」
「ああ。別にお前がどうとかそういうんじゃないな。レイナはまだ、本当の恋愛がしたいのかどうか、よくわからない節があるからな、だから、彼女が腹をくくった時に、一番そばにいられる事を考えて頑張ればいいんじゃないかな?」
「先生!すげー!ありがとう。何か納得したよ。あいつ男遊び激しくてさー。けど、何て言うか、よくいるダメ女って感じじゃ無いんだよなー。ほら、さっきの話し方とかさ」
「ああ。父ちゃんと母ちゃん。両方の血を受け継いでいるからな。それのバランスを上手く使いこなせるようになったら、もっといい女の子になれるよ」
「だろー?ありがとう。先生に言って正解だった。あ、俺の気持ちはみんなには内緒な!よし!寝る。おやすみー」
内緒って、、みんな知ってるよ多分。
いやー、先生っぽいというか、割とまともな事言っちゃったけど、胸が痛むなー。
《だな》
だな。
モトユキ、どうしよう?
《知らん!自分で考えろ!というか、お前は好きなように生きて来て、それに周りは救われて来たんだから、好きなように振る舞えばいいんじゃないか?》
そ、そうか、じ、じゃあ今からレイナ達の部屋に行って、めくるめく官能の世界を。
《アホか!?》
冗談だよ。
ありがとうモトユキ。
とりあえず寝るわ。
おやすみ。
《ああ。おやすみ》
俺は眠りに落ちた。
シルフィーはもちろん!エレーナを始めとして、レイナやアンジー、アミタや保安局にいたビルの秘書の綺麗なお姉さんまで、今まで出会った美人達がこぞって登場する、非常にエロい夢を見た。
「オズ、先生と生徒の間柄なのに、できちゃった婚しちゃったけど、幸せだね!見て、この可愛い赤ちゃん。ゴリラにそっくり!」
「ゴリラにそっくりってか、ゴリラじゃん!」
ゲーゼに手に抱いたゴリラを見せられた所で目が覚めた!
うわああああ!
ガバッ。
ハアハア、ゆ、夢か。
ゲーゼ、モルペウスの所の女子高生か、、、。
あー、妙な夢を見た。
朝か、、、。
妙な夢?まさか、、、。
《わ、私は何もしていないぞ!クソ野郎様が勝手にご覧になられた夢ですからね!それにしても、貴方はスケベですね》
モルペウス。
次会ったら絶対ボコボコにしてやるからな。
《ひ、ひいっ》
モルペウスは引っ込んだ。
いやー、最後はともかく、いい夢だったなー。
うへへ。
さ、さて、今日も頑張るか!
朝はみんなでご飯を食べた。アーク達はなんだかソワソワしていた。
ま、幾つになっても、何かを始める時はこうだな。
最後は恒例の卵かけご飯で締めた。
「ご馳走様でしたー」
その後、保安官が迎えに来てくれるらしく、アーク達はホテルのロビーに行った。
俺達も見送りに向かう。
しばらくすると、保安官の制服を着込んだ立派な体格のおっさん、いや、じーさん?がやって来た。
金髪に口髭、腹はかなり出ているが、二の腕や胸の筋肉が盛り上がっていた。
すげー、テキサスの男みたいだ。
カウボーイハットを被り、手には太い鞭を持っていた。
アーク達を見つけてニッコリ笑った。
笑うと優しい顔になるんだな、チャーミングな人だ
。
「おはよう。君らがビリーの言っていた勇者か?よろしくな。俺はスタンだ」
スタン!
そういや似てるな。
テキサスロングホーン。
まさにウエスタンラリアットの人みたいだな。
おっちゃんにも似てるなー、おっちゃんも年取ったらこんな感じになるのかなあ?
スタンがアーク達とがっちり握手をした。
「さて、行こうか、君達の分の馬も用意した。あれ?四人か?六人だと聞いていたが?」
「あ、俺達二人は他の捜査をしてみようと思って。俺はモズ」
「あたしレイナ!」
「そうかそうか、君達がモズとレイナか。フランクの事はありがとう。昨夜、ヘンリーから聞いたよ、アイツは俺の酒の誘いも断って君達の銃を作っているよ。珍しいよ、アイツがそんなに誰かに肩入れするなんてな。ハハ。確かにアイツの言うとおり、お似合いのカップルだな」
そうなんだ。
ヘンリーが。
嬉しい!
ってカップル言うな!
ほらー、アンジーとトッドが怒ってるじゃないか!
「カップルじゃないわよ」
レイナが空気を読んだ。
すげー、成長した。
とりあえず場は収まった。
「よし。では行こうか?今日はまずアミマイを案内しよう」
「はい!」
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい」
「気をつけてねー!」
アーク達は意気揚々と出かけて行った。
さてと。
「じゃあ俺達も行くか?」
「うん。今日はどこへデートに連れて行ってくれるの?」
「デートじゃねーし!せっかくさっきのフォローで見直したのに」
「えへへー。あたしは空気読まないフリしてるだけだもーん」
なんだそりゃ。
まあいいや。
俺達もバイクを出して、ビルの所へ向かうとしよう。今日のレイナは、黒のタンクトップにサマーカーデを羽織り、デニムのミニスカートを履いて、、またミニスカートかよ!
「お前な、バイクに乗るのにまたスカートなのか?学習能力無いのか?」
「えー、嫌?着替えて来ようか?」
「い、いや、別に」
「でしょー?ふふー」
クソッ(苦笑)
「今日はね、赤よ!情熱の赤!」
「何が?」
「パンツとブラ!」
「そんなインフォメーションいらねーわ!」
「えー、せっかく頑張ったのにー」
「そ、そうか。ありがとう?と、とにかく行くよ」
「はーい」
相変わらずの調子だったが、俺はレイナの運転で保安局に向かった。
ちなみに、言葉通り、目の覚めるような赤だったと報告しておこう。
読んで頂きまして、ありがとうございました。
やれやれですね。
オズはたまっているんでしょうか?
妙な夢を見て喜んでいます。
トッドに真面目にアドバイスしてる場合じゃあないだろう?
さた、アーク達は新生活に突入です。
意外に書くことが多く、なかなか進みませんが、今後ともよろしくお願いします。




