表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気弱なヴァンパイアハーフは多分バトルを頑張りたい〜事故物件ダンジョンで社畜しながら妹の命を救います  作者: 相木ふゆ彦
第四章 朱に交われば強くなる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/105

第87話 解放を求めて

 ルクスたちは、デーモンの国バルグラッドについていた。

 

 魔核が外れたベアトリス王女の好意で、王族護衛騎士のトップ2がケニーとアリアを抱えて飛ぶ。

 ルクスは、ヴェンデーノの谷というドラゴンが巣くう谷へよろよろと向かっていた。

 

「あの谷は、悪魔殺しと呼ばれる谷です……魔族でもそうそう入りません」

 

 アリアを抱えた女性騎士がうめく。

 

「そんなに強いんですか……?」

 

「それぞれ、爪に猛毒があります。適切な毒消しを0.5秒以内に使わないと死にます」

 

 毒ときいて、ケニーとアリアはほっとした。

 ケニーを抱える男性騎士が、その反応に怪訝な顔をする。

 

 普通は、安心する場合ではないが、ルクスに限っては完全解毒・Sがある。

 毒持ちのモンスターにとっては、ルクスは天敵だろう。

 

「なら、大丈夫ですね……」

 

 二人のヴァンパイア騎士たちが、その言葉の意味を聞く前に戦闘が始まった。

 ルクスが、ホワイトドラゴンとの間合いを詰める。

 

 ドラゴンの口が開き、ドラゴンブレスを放った。

 ルクスは、魔剣ドルトウィンの力で空中に一回転してそれを避け、一撃を飛ばす。

 魔核がついているとは思えない動きだ。

 

「ほぉ……素晴らしいですね」

 

 護衛騎士が褒めるが、ケニーとアリアはルクスが魔剣ドルトウィンを得てから戦うのを見るのは初めてだ。

 記憶の底には、自分を犠牲にして戦うルクスがどうしてもこびりついている。

 

 別人のような戦い方に、ケニーたちは目を見張った。

 ルクスは、二度、三度とドラゴンの首に攻撃を入れては空に迂回する。

 おそらく、魔剣はもっと使いこなせば一撃で首を断ち切れそうだ。

 

 そう思うと、今後のルクスの成長の伸びしろが怖い。

 そもそもドラゴンはSランクが推奨される。

 昇格試験をさぼっているとはいえ、ルクスは本来Fランクだ。

 

 何度となく、ホワイトドラゴンはルクスにドラゴンブレスを吐く。

 ドラゴニュートハーフのネオとアリアのドラゴンブレスとは、くらべものにならない破壊力だ。

 

「ルクスさん、魔核はとれるのでしょうか……」

 

 思った以上にドラゴンと対等に戦うルクスには、デーモンモードに入りそうにない。

 アリアが呟いたのが、まるで聞こえたようにルクスの背後からブラックドラゴンが襲い掛かる。

 

 ルクスの体がズダンと地に叩きつけられ、爪で体がえぐられた。

 アリアは悲鳴を飲み込み、前にのりだす。

 魔結晶コートに傷はないが、アリアの視力ではかすかに魔核が傷ついてるのがわかる。

 

「わかりました! 魔核の弱点は毒なんです! 毒の爪が魔核を弱らせています!」

 

「本当ですか!?」

 

「アリアちゃんは、ドラゴンアイがありますから」

 

 空を飛ぶ護衛騎士たちに、緊張感が走る。

 

「この情報は伝えたほうがよいですよね?」

 

「その方がよいだろう。短い時間なら、お二方は俺が受け持とう」

 

 アリアの体が移動し、ケニーをぶら下げる男性騎士に代わる。

 少しの間、高度はグラグラしたが、騎士の羽ばたきの音が増える代わりに安定した。

 

 身軽になった女性騎士は、高く舞い上がるとルクス目掛けて一直線に飛ぶ。

 魔結晶コートまでもアイテムボックスにしまったルクスは、自分に飛んでくる護衛騎士に気が付いた。

 

 二体目のドラゴンを倒してアイテムボックスに片付けたルクスは、風の真空の刃を撃つ。

 この攻撃は、ドラゴンブレスを相殺した。

 女性騎士が、ルクスの元までたどり着いた刹那、三体のドラゴンがルクスと騎士を囲む。

 

 伝言は、果たして伝わったのか。

 女性騎士を庇ったルクスは、弾き飛ばされた。

 

 魔核ごと、踏みつぶされて土煙とドラゴンブレスが交差する。

 ルクスという獲物を奪い合い、壮絶な殺し合いが始まった。

 

 上空に逃れた女性騎士は、ドラゴンブレスを必死にかいくぐるがルクスの元には辿り着かない。

 つまり、伝言は伝わっていないのだ。

 

「いま、デーモンモードになってはダメですーー!! 爪の攻撃を魔核で受けてくださいですーー!!」

 

 アリアは、届かないと知りながらも大声で叫ぶ。

 デーモンモードは、無敵すぎる。

 

 ルクスがデーモンモードになってしまっては、ダメージを食らわないだろう。

 それでは意味がない。

 

 ゆらり、とほこりの間からルクスの姿が見える。

 黒い羽、白い髪。

 

 見慣れた姿はそこになく、デーモンモードのルクスがそこには顕現していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あぁデーモンモードにぃ~魔核よ。外れてくれぇ~
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ