第107話 ぼくの魂にかけて
バイクの音が遠ざかると、少年は学校に入ることにした。
彼の肩には黒猫が乗っている。
少年は廊下を歩いていた。
休憩時間のため、廊下には生徒たちの騒がしい声が響いていた。
黒猫が話しかけてくる。
「どうして、バイクの子に、本当のことを言わなかったのにゃ?」
少年は返事をしなかった。
黒猫を見ることなく、ずっと、少年は廊下を歩いていた。
「聞いてるのかにゃ!?」
再度、黒猫の声がした。
ただ、少年は困惑しながら頭をかていいた。
そして、返事をすることにした。
「まあ、仕方ないんですよ…」
「お前が、人々からダンジョンの記憶をなくしても、ダンジョンの配信動画は残っているにゃ。しばらく、ダンジョンの動画は話題にもなったし、映像に映っている少年を探していたにゃ。きっと、ヒーローってにだってなれたはずにゃ。なのに、どうして、全部なかったことにしたにゃ?」
「うーん、ぼくはヒーローと呼ばれたいわけではなかったですから…」
少年は笑顔で答えた。
一方で、黒猫は不満そうな顔をしていた。
「さらに、こんな黒猫を助けるためにたくさんの妖力を使うなんて…」
黒猫を助けるために、多くの妖力を使ったことについて不満を漏らしていた。
それを聞いて、少年は軽く返した。
「まあ、大事なペットですからね」
「何を言っているんだ、ペットじゃない!!!」
黒猫は怒っていた。
それを見て、冗談だと、少年は笑っていた。
「まあ、感謝はしているけどにゃ…」
黒猫は小さな声を出す。
すると、少年が黒猫の顔を見つめていた。
「じゃあ、生徒会室に向かいましょうか!」
「そうだにゃ…」
「今日も、相談者が来ているみたいですからね!!」
少年は生徒会室のドアを開けることにした。
生徒会室には副会長、猫又さん、九尾の狐が集まっていた。
真ん中のテーブルには、悲しそうな顔をした女の子とその両親が座っていた。
少年が声をかける。
「あやかしのことでお悩みなんですね。それでは、ぼくの魂にかけてその問題を解決しましょう!!」
少年の声には優しさが溢れていた。
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