第105話 ダンジョン配信 セツナ戦 終
少年はセツナの方へ向かう。
その時、突然、少年は自分の胸に手を当てていた。
あやかしの魂が囁いていた。
——やっと、終わったようだな。この世界から暗黒鏡は消えたようだ。きっと、あやかしたちが怒り狂うだろうな…。なあ、少年、最後に頼みがある。暗黒鏡の力を消滅させてくれないか…。そのためなら、この魂をお前にくれてやる…
と。
少年はあやかしの力を感じることができた。
しかし、少年の中のあやかしの魂は消えかけようとしているようである。
◇ ◇ ◇
ずっと、少年は壊れてしまった暗黒鏡を握りしめていた。
彼はセツナの姿を見つめていた。
セツナは巨大な影になっていた。暗黒鏡の力により、巨大な影に姿を変えられてしまっていた。既に、意識を失い、ダンジョンを覆い尽くす影となり、暗黒鏡の道具へと変わってしまったようであった。
暗黒鏡は、使用者の欲望に応じて力を与え続けてきた。
きっと、セツナの望みを叶えたのだろう。巨大な影はダンジョンを不変なる場所に変えようとしていた。
最後の力を使い、ただ、ダンジョンを闇で覆い尽くそうとしていた。
「いったい、何が起きているんだ!?」
朱雀の声は困惑していた。
巨大な影が迫ってくると、朱雀が巨大な影に立ち向かおうとしていた。
炎を操り、巨大な影を破壊しようとした。
しかし、攻撃は虚しく、炎は影に吸い込まれていた。次第に、その影がダンジョンを食らいつくすように広がっていくだけだった。
とっさに、朱雀が影から離れようとしていた。
しかし、巨大な影から逃げることはできず、影の中へと飲み込まれてしまっていた。
朱雀は影の中に落ちていく。
巨大な影が広がっていくと、次に、その影は少年を覆いつくしていた。
彼は自分の胸に手を当てていた。
真っ暗な闇が覆いつくしていた。
少年は巨大な影に飲み込まれた。すると、そこには異様な光景が広がっていた。
金槌坊がダンジョンを作っていた。
段々、少年の前にたくさんの金槌坊が少年を周りに集まってきていた。
「さあ、主様が望んでいたダンジョンを作りましょう…」
その言葉を聞くと、少年は顔を左右に振っていた。
少年の胸が光っていた。
「いままで、ありがとう…」
少年の声が聞こえた。
少年はあやかしの魂の力を使い、金槌坊たちを元の姿に戻そうとしていた。
真っ暗な闇に光が生まれようとしていた。
少年は全てを終わらせようとしていた。
◇ ◇ ◇
その時、沼田君はコメント欄の対応をしていた。
コメントのブロック対応が済むと、やっとのこと、沼田君は顔を上げることにした。しかし、ダンジョンは大きな影に覆われていた。
巨大な影が、ダンジョンにある全てを飲み込もうとしていた。
「うわっぁぁぁぁ~、どうなっているんだ~~~~~!!」
沼田君はカメラを手にしながら、必死で影から逃げようとしていた。
しかし、ダンジョンの壁に追い詰められると、もはや逃げることはできなかった。戦っていた朱雀もすでに影に飲み込まれていた。
「スクイ君、助けて~~~~~~~!!!」
沼田君は、カメラをスクイ少年に向けて叫んだ。しかし、スクイ少年も影に飲み込まれていた。
「ああ、ダメか……」
そう呟くと、突然、巨大な影の中から光が放たれていた。
眩い光は、スクイ少年から放たれていた。
暖かくて、慈愛に満ちた光が放たれていた。
全てを許してくれるような、そんな光が大きな影を消し去ろうとしていた。その光景は、沼田君のカメラにも映っていた。その光はダンジョンを覆いつくそうとしていた。
暗闇が消えるように、ダンジョンまでが世界から消えようとしていた。
その時、世界からダンジョンが消えていた。
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