第103話 ダンジョン配信 セツナ戦 ⑥
カチンコチン
カチンコチン
カチンコチン
カチンコチン
少年の頭の中から音が響いてきていた。
その音に導かれるように進むと、夢の中で、少年は奇妙な生き物がダンジョンを作っている様子を見つめていた。
カチンコチン
カチンコチン
少年は金槌坊を見つめていた。
ただ、何も思い出せない。
ずっと、少年は不安な気持ちになってきた。
何かを忘れていることに気が付く。ずっと、それが大きな問題であるという感じがしていた。目覚めなくてはならないと思いながら。ただ、少年はベッドで眠っているようでもあった。
◇ ◇ ◇
ベッドの上、少年は自分の右腕をじっと見つめていた。最近、右腕の動きが悪いと感じていた。以前、そんなことがあったような気がしていた。
少年は胸のあたりに触れてみる。ずっと、違和感があった。それが何であったのかがわからない。
ただ、取り除くことはできなさそうになかった。
意欲が湧かなくなっていた。
少年はベッドの上でただ横になっていた。
その時、布団が叩かれた。
バンバン!!
バンバン!!
少年は顔を上げる。
母親が笑顔で少年を見つめていた。
「ねえ、起きなさい。学校に遅れてしまうわよ…」
少年は体を丸めていた。
「ああ、わかったよ……」
諦めるように、少年はベッドから飛び起きていた。
少年は窓のカーテンを開けていた。
制服に着替えると、台所では父親が食事をしていた。一緒に食事をすると、小さなアパートの一室から学校に向かうことにした。
アパートの古びた階段を下りていく。
「気を付けてね~~~」
小さな窓から母親が手を振っていた。
母親の声がする。
その近くでは、父親が少年の姿を見つめていた。
少年は手を振ることにした。
学校まで来ると、少年は校門の前で生徒会長に出会うことになった。
「おはよう!!」
生徒会長の大きな声が聞こえてくる。
生徒会室のドアを開けると、副会長と猫又さんがいた。
きっと、楽しい学校生活になる。
そう思っていると、突然、少年の頭の中に違和感が生まれていた。
◇ ◇ ◇
少年は吹き飛ばされていた。
突然、真っ暗な闇の中に倒れ込んでしまう。
懐かしい記憶が消えていく。
いや、そんな記憶があったのかが思い出すことができなかった。
その時、誰かの声がした。
黒猫である。
「いつまでそんなところで眠っているつもりにゃ。暗黒鏡になど負けてしまうなんて情けないにゃ。さあ、暗黒鏡を壊すのにゃ。そうしなければすべてが終わってしまうんだからにゃ!!」
黒猫の怒った声が聞こえてきていた。
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