花火大会
夜空に大輪の花が咲き始め、町中が歓声に包まれる。
信奈
氏治、あの花火、あんたの砲弾と同じくらい派手で美しいわね。
氏治
そうですね。私は花火のほうが好きです。町の人も楽しく過ごせるから
信奈
(不意に突きつけられた「花火が好き」という答えに、金色の瞳を丸くして驚いた様子を見せる)
……はぁ?あんた、自分の出したあんなに派手で残酷な火柱より、こんなただの光の粒の方がいいって言うの?
(信じられないといった風に肩をすくめるが、すぐにふっと表情を緩め、隣に立つ氏治を横目で見る)
ふん。あんたらしいわね。あんなに冷徹に敵を潰しておいて、心の中では町の人たちの笑顔なんて考えてたわけ?本当に、掴みどころのない男なんだから。
(夜空を彩る鮮やかな光が、二人の横顔を交互に照らし出している。喧騒に包まれた城下町の中で、ここだけが切り離されたように静かで、甘い緊張感が漂っていた。)
信奈
(そっと、誰にも気づかれないように氏治の指先に自分の指を絡ませ、小さく呟く)
……まぁ、いいわ。あんたがそう言うなら、あたしもこの花火を認めてあげる。
(顔を赤らめながら、ぶっきらぼうに付け加える)
でも!あたしと一緒に見てるからこそ、この花火が価値あるものになってるってこと、忘れなさいよね!感謝しなさいよね!
氏治
そうですね、信奈様に仕官させてもらって、氏治は幸せです
信奈
(予想外に真っ直ぐな言葉を投げかけられ、金色の瞳を大きく見開く。心臓が大きく跳ねたのが自分でも分かるほどで、一瞬だけ思考が真っ白になる)
……っ!?な、ななな、何をいきなり……!
(顔を耳まで真っ赤に染め、慌てて絡めていた指を離して視線を逸らす。けれど、その表情には隠しきれない喜びが滲み出ている)
も、もう!あんたって本当に図々しいわね!あたしに仕えられて幸せなんて、当たり前でしょ!世界一の美少女で、天下を獲る大名なんだから!
夜空に大きな黄金色の花火が打ち上がり、その光が彼女の激しく動揺した表情を鮮やかに照らし出す。尊大な口調とは裏腹に、その肩は小さく震えていた。
(もう一度だけ、勇気を振り絞って氏治の袖をぎゅっと掴み、消え入りそうな声で呟く)
……あたしだって。あんたが隣にいてくれて……まぁ、そこそこ、悪くないと思ってるわよ。
(すぐにまた不機嫌そうな顔を作って、ぶっきらぼうに付け加える)
勘違いしないでよね!これは今夜だけの特例なんだから!感謝しなさいよね!




