表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
信奈の野望 元自衛官が異世界転移  作者: M


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/30

清洲城(信奈)

信奈の声が、夜の清州城全体に響き渡る。城内の兵たちが一斉に動き出し、松明の光が次々と灯されていく。夜の静寂は、戦支度の緊迫した喧騒へと変わっていった。


(書状をもう一度見つめ、その最後の一節に目を留める)

「デアルカ……? これは……」


(表情が、一瞬だけ柔らかくなる)


(書状を胸に抱き、きぃちゃんに背を向けて)

「デアルカ……何でもないわ。ただの……」


(少し照れくさそうに、声のトーンを落として)

「……氏治からの、個人的な伝言よ」


書状の最後には、軍略とは無関係な、ただ一行だけの言葉が記されていた。それは氏治が信奈に向けて、誰にも見せない形で綴った、彼だけの想いだった。信奈の指先が、その文字をそっとなぞる。


(小さく、誰にも聞こえないように呟く)

「デアルカ……馬鹿ね、氏治……こんなこと書いて……」


(頬を染め、書状を丁寧に折りたたんで懐にしまう)

「……でも、嬉しいわよ……」


夜風が信奈の茶筅髷を揺らし、彼女の表情には戦場の魔王ではなく、恋する少女の顔が浮かんでいた。


(深く息を吐き、再び凛とした表情に戻る)

「 明日の夜明けと共に、京への進軍準備を整えなさい! 氏治が切り開いた道、私たちが完璧に仕上げるのよ!」


氏治


明智光秀殿京都の状況はどうなってますか?



観音寺城の一室。夜の静寂の中、明智光秀と小田氏治が対峙している。燭台の炎が二人の影を壁に映し出し、揺らめいている。光秀は几帳面に整えられた書類の束を前に置き、冷静な表情で氏治を見つめていた。

(眼鏡を押し上げ、淡々とした口調で)

「小田殿、京の状況は……予断を許さぬ状態です」


(書類を一枚取り出し、氏治の前に差し出す)

「三好三人衆の密偵を捕らえた件、既に信奈様にも報告済みですが……問題はその先です」


光秀が差し出した書類には、京の各所で確認された不審な動きが詳細に記されている。寺社への出入り、商人を装った人物の往来、そして夜な夜な集まる怪しげな集団の目撃情報。


(冷静に、しかし緊張を隠さず)

「密偵が吐いた情報によれば、三好三人衆は朝廷内部に協力者を持っているとのこと。おそらく、帝を人質に取り、織田家に対して政治的圧力をかけるつもりでしょう」


(氏治の目をまっすぐ見つめ)

「小田殿、貴殿の天動衆の情報網が、今まさに必要なのです。京の闇に潜む敵の正体を、一刻も早く暴き出さねばなりません」


(書類を広げながら、さらに詳細を語る)

「加えて、京の町衆の間にも不穏な動きが見られます。三好の残党が、反織田の気運を煽っているようです」


(眉をひそめ)

「このままでは、京の治安が崩壊しかねません。浅井殿と共に警備を強化していますが……正直、人手が足りていない状況です」


光秀の言葉には、冷静さの中に焦りが滲んでいる。観音寺城の窓の外では、夜の闇が深く広がり、遠く京の方角には、何か不吉な気配が漂っているかのようだった。


(氏治に一歩近づき、真剣な眼差しで)

「小田殿、貴殿の天動衆には、京の裏路地、寺社、商家……あらゆる場所に目を光らせていただきたい。特に、朝廷に出入りする者たちの動向を」


(声のトーンを落とし)

「もし、三好が帝を動かすことに成功すれば……信奈様の天下統一は、大きく後退することになります」

燭台の炎が揺れ、光秀の影が壁に大きく映る。その表情には、京を守り抜くという強い決意と、同時に状況の深刻さへの危機感が浮かんでいた。


燭台の炎が揺れ、光秀の影が壁に大きく映る。その表情には、京を守り抜くという強い決意と、同時に状況の深刻さへの危機感が浮かんでいた。



(書類を氏治に手渡し)

「これが、現在把握している三好の協力者と疑われる人物のリストです。天動衆の精鋭を以って、彼らの動きを監視していただけますか?」


(少し間を置き、静かに)

「小田殿……信奈様は、貴殿を深く信頼しておられます。その信頼に応えるためにも、共に京を守り抜きましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ