表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/83

護衛艦くまのんに乗るのん!

霊力ゼロだった室矢重遠は、地上にある宇宙を撃ち抜く!

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DY5NRSK2

 次代の千陣(せんじん)流である女子2人は、万能人型フィギュアの室矢(むろや)カレナが連れて帰った。


 俺は着慣れていない制服に身をつつみ、潮風が吹いている場所へ来ている。


 乗っている車が停まった。


「到着しました!」

「……うむ、助かった! 俺たちは、ここで降りる! 室矢少佐?」


「分かりました」


 俺と五十嵐(いがらし)善仁(よしひと)は、後部座席からドアを開けて降り立つ。


 バンッと閉めれば、ゆるゆると進み出す車。


 それを見送りつつ、海があるほうを見た。


 中佐の階級章がまぶしい善仁は、いつものどっしりした様子とは違う表情へ。


「海に来るのは、久々です……。これが、護衛艦くまのん!」


 いい年をした職業軍人であるのに、ウキウキした様子だ。


(今回は、ゲストだからなあ……)


 そう思いつつ、貸衣装の軍服を着ている俺も、従来の軍艦とは違うシルエットを見上げた。


 埠頭に浮かんでいる『くまのん』はグレーで塗られており、上に突き出たブリッジとレーダーや通信アンテナがあるものの、全体的に四角張った形。


 戦闘用の兵器だけあって、ゆるキャラの雰囲気はない……。


「ずいぶんと、可愛い名前ですね?」

「ええ、まったく! これはこれで、愛嬌がありますけど……。ああ、軍帽はかぶってください」


 制服とセットの軍帽をかぶったので、それに倣う。


 忙しく動き回っている兵士や下士官の間から、1人の男がやってきた。


 目立つ軍帽と白い制服、各所の金色で、士官だと分かる。


 俺たちの前で直立不動になった男は、30代のようだ。


 右手による敬礼。


「お待たせしました! 護衛艦くまのんで砲雷長見習いをしている、竹熊(たけくま)大尉です!」


 ……この人も、護衛艦の一部かな?


 敬礼したままの竹熊に、善仁も右手による答礼。


「ご苦労さまです! 士官の方に迎えていただけるとは、恐れ入ります」


 善仁から視線が来たので、すぐに右手を上げる。


「初めまして!」


 善仁が右手を下ろしたので、俺も続く。


 竹熊も、右手を下ろした。


(ああ、階級順と……)


 ようやく理解したら、この場の最上位である善仁が話しかける。


「本日は、よろしくお願いします! 陸上防衛軍の人型戦車実験中隊の隊長をしている五十嵐中佐です」


「室矢少佐です……。軍属ではなく、Y機関にいます」


「ああ、そうですか! 陸上さんにしては、少し雰囲気が違うなと……」


 相槌を打った竹熊は、俺の左胸にあるプレートを見て、固まった。


 小さなブロックを固めており、その防衛官の経歴を示すものだ。

 基本的に所属を示すアクセサリーのような徽章の下へ、まとめてつける。


 今の俺は、五十嵐中佐に貸してもらった陸防の制服で、記念章がヤバい。


 ・統幕(とうばく)勤務

 ・海外勤務経験者

 ・国際貢献(救助)

 ・〃 (対テロ)

 ・海上戦闘

 ・水中戦闘

 ・海賊対処(エイリアン退治)

 ・国家防衛(防衛任務、空母打撃群の撃退)

 ・総理大臣感謝状


 海上防衛軍を探しても、ここまでの実戦経験者はそういないだろう。


 制服は陸軍で、艦上勤務の経歴がないのに……。


 理解に苦しんだ竹熊が首をひねっていると、善仁がフォローする。


「室矢少佐は、特殊な経歴です! 話したいのは山々ですが、機密が多くて……。私も、全てを知っているわけではありません」


 それに乗っかる。


「情報機関なので……。陸防としての乗艦ゆえ、最低限の説明はしておこうと制服を着ました」


「そ、そうですか……。ご配慮くださり、ありがとうございます! 立ち話も何ですから、ブリッジへご案内します」


 3人で歩きながら、兵士や下士官に敬礼されていく。


 善仁が歩きながら、質問する。


「そういえば……。わざわざ、士官を案内役にしたのですね? あなたに不満があるわけではありませんが」


 苦笑した竹熊が、先導しつつ応じる。


「ご指摘の通り、下士官の案内が普通です……。しかし、陸上さんの質問に答えられて、ブリッジなどへ行き来できる立場は、そうありません。私はちょうど手が空いていたことも、大きいですね! 砲雷長として、ここのシステムを研修中で」


 言いながらも、見晴らしがいいブリッジへ。


 目立つ色のカバーがある椅子に、いかにも偉そうな男がいた。


(艦長か……)


 竹熊は、その男の前で敬礼して、報告する。


「陸上防衛軍の五十嵐中佐、室矢少佐の2名をお連れしました!」

「……ご苦労! 私が護衛艦くまのんの艦長である、貴志(きし)大佐です」


 立ち上がっての自己紹介に、俺たちは敬礼した。


 慣れた感じで答礼した貴志が右手を下ろした後に、右手を下げる。


「陸上防衛軍の五十嵐中佐です。本日は乗艦させていただき、誠にありがとうございます!」

「同じく、室矢少佐です。海上防衛軍の精鋭ぶりを拝見させていただきます」


 頷いた貴志は、ぐるりと見回した。


「くまのんは、これより正体不明の艦がいる海域へ向かいます! 助言を求める場合もあるでしょう。竹熊をつけますから、そちらへどうぞ」


 会釈した善仁が、お礼を述べる。


「お気遣いいただき、感謝申し上げます! 少しでも役に立てればと存じます」


「よろしくお願いします……。私は、艦の指揮があるので」


 自分のシートへ戻った貴志を後目に、竹熊の案内ですみへ。


 文字通りに畑違いの俺たちは、正体不明のMAマニューバ・アーマーと関連があると思しき海上艦を調べに行く。


 俺は、ダルディアス帝国の戦闘艦だと推測。


 3回目にして、いよいよ本隊がやってきたのだ……。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ