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【完結】大学生になった重遠は全盛期!~未来の娘と紡ぐ室矢家の伝説~  作者: 初雪空
第五章 政治がクラウドソーシング化する時代
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今の仲四氏はパリピでした

女子だけの剣術大会と、水着が似合う南国の海!

どちらも、命を落とすほどに刺激的!?

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DNMBVV8L

 キィイッ!


 カペラの自動運転によって、黒い高級車が停まる。


 外は、すっかり暗くなった。


 車内から横を見れば、ご立派なタワーマンションがある。


 未来の娘である女子高生の天ヶ瀬(あまがせ)まりんと、その母親となる予定の(うらら)は、後部座席に並んだままで言う。


「ここが……仲四氏(なかよし)の現住所ですね?」

「うわ! 怖そうな人が、いっぱい!?」


 彼女たちが言ったように、高級車から迫力のある奴らが出ては、同じくヤバそうな若衆がヘコヘコしている。


(政治家だって、どんどん険しい顔になるわけだしな?)


 運転席にいる俺は、小型モニターでエントランスに入っていく奴らを見た。


(必ずしも、ヤクザじゃないな? 妙に解放感があって押しが強そうなのは半グレか、ベンチャー企業の経営者……。貫禄があるのは、関係のある社長だろう。インテリっぽいのは、ヤクザか士業?)


 思っていたより、幅広い面子だ。


 すると、こちらを気にする奴がいた。


「カペラ、出してくれ! 顔を見られたくない」

『りょー!』


 運転席でハンドルをいじっていないのに、ゆっくりと動き出す。


 人工的な灯りで照らされた道路を安全運転で走っていく、俺たちの車。


「監視や盗聴を防ぎたいから、ランダムに走り続けてくれ! 俺は警視庁のサポートチームと打ち合わせをする。尾行があったら、すぐに報告しろ」


『別命あるまで、走り続ける! 異常を見つけたら報告!』


 復唱したカペラの声を聞きながら、ホルダーのスマホを触る。


 プルルル ガチャッ


『はい、警視庁!』

室矢(むろや)です! 仲四氏の現住所であるタワマンに出入りしている勢力を簡単に教えてください」


 カタカタと操作する音が、聞こえてきた。


『……通常回線のため、属性のみでも?』

「お願いします」


『選挙応援の名目で、広域団体の幹部とその手下、都内の半グレ集団、これといった支持母体に入っていない経営者、詐欺の疑いがあるビジネスを手掛けている有名人。あとは、彼らが呼んだと思しき業者です。どれも、外で見張ったことでの情報。セキュリティが複数で常にチェックしているため、仲四氏の物件だけではなく、エントランスホールにも入っていません。公安のほうは、何か知っている可能性がありますけど』


「ありがとう! 俺は、中を見てくる。出たら、連絡するので」


 驚いた様子のあとに、お気をつけて、という返事。


 電話を切った後で、車を停めさせた。


 後ろを向く。


「麗? 戻るまで、お前が警視庁との連絡役になってくれ」

「……えっ!?」


 まりんが、説明する。


「室矢さんは、ここにスマホを置いていくようです……。位置情報がありますし、持っていくのは危険ですわ」


「だ、だったら、まりんさんのほうが……まりんのほうが」


 本人による、無言の圧力。


 俺は、すぐに命じる。


「麗を信用しているんだ……。この車は、潰しても構わない。カペラ? お前に任せるから、2人を頼む! 俺のほうは、すぐ合流できるから」


『りょー! ガトリング砲やロケットがあるけど、撃っていいの?』

「相手が危険だったらな?」


 佐伯(さえき)緋奈(ひな)のやつ、何を仕込んでいるんだよ……。


 ドアを開けて、地面に立った。


「じゃあ、またな!」


 バンッと閉じた後に、片足で円を描き、そこに落ちる。



 ◇



 肌寒い風が、ずっと吹いている。


「タワマンの屋上か……」


 少しズレたので、同じく円を描いて、下へ……。


 ズンズンズン♪


 腹に響くような、重低音。


 どこかのアミューズメント施設のように、様々な光も。


 ガラス張りの広い空間で、奥のステージにDJがいる。


 集まっている若者が、踊ったり、ナンパしたり。


 ドリンクバーでは、バーテンのような人が用意。

 

 一息したい奴らが、どんどんコップを取っていく。


「いえー!」

「これ、効くぜ?」

「そんなもん、お子様だろ! 男なら、これだよ、これ!」


 DJのスクラッチとBGMが、止まった。


『みなさーん! 楽しんでますかー!?』


 ステージに、アラフォーの男が立っている。


「おっ! 仲四氏さんだ!」

「楽しんでるよー!」


 片手を上げて答えた男は、定番と思われる掛け声。


『仲良しになろー!』


「なかよし!」

「なかよし!」


『ボクは、そろそろ自分の選挙区に行ってきまーす! みんなは引き続き、楽しんでいってねー?』


「おおおっ!」

「頑張れー!」

「お前が、政界に出て欲しいんだよ!」


 俺は、目立たないようにパーティールームから出て、物陰へ。


 床へ落ちるように、外にワープした。


 さっきとの落差で、しばし夜風に当たる。


 じきに黒の高級車が停まり、再び運転席に乗り込んだ。


 自動運転で走りつつ、後ろの女子2人が聞きたそうにしているのを無視して、スマホで電話。


『はい、警視庁!』

「室矢です。タワマンで、仲四氏を見ました」


 息を呑む気配。


 すぐに、オペレーターが尋ねる。


『ど、どうでしたか?』

「パリピでした」


 沈黙。


『そ、そうですか……。他には?』

「意見交換をしたいので、今から警視庁へ行っても?」


『はい! こちらは構いません! えっと……班長はいると思うので。あ! お食事は、どうされますか?』


「3人分で、お願いします! 俺は名乗りますが、残り2人の素性は聞かないでください」

『……了解しました! 3人分ですね? ただちに、用意いたします!』

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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