表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/83

たかが女子小学生1人、未来に押し返してやる!

原作の負けイベント、開始!

第一次奥羽会戦に室矢家と、自分の力を手に入れた重遠が!?

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DLNQP3SK

 空中に立つ、未来の娘。

 地味な和装だが、戦うための服だ。


 天沢(あまさわ)飛花(ひか)は、御神刀を解放したことで霊圧が膨れ上がった。


 地上スレスレで立つ俺も、同じような和装で、正眼に構えている……。


 半円を描くように切っ先を上げたものの、刀はそのまま――


「あれ? 桜?」

「……ホントだ! 刀身に桜の花が映ってる!?」

「綺麗!」

「お花見みたい……」


 女子の声とほぼ同時に、満開の桜が映っている刀身に気づいた。


 よく見れば、飛花が刀を動かすたびに、桜の花びらがヒラヒラと舞い落ちる。


 実に、風流だ。


 神楽のような雰囲気に、誰もが見惚れる。


(母親の天沢咲莉菜(さりな)と比べて、正当派だな……)


 しかし、こちらは風タイプ。


 シャッと消えた飛花が、一瞬で俺の前に現れた。


 その勢いで、桜の花びらで奇跡を描きつつの斬撃。


 焦ることなく、自分の刀で受け流し、同時に距離を詰める。


「あっ!」


 片手と足を使っての投げで、空中を飛んでいく未来の娘(小学生)……。


「むくうううっ!」


 空中で両足を踏ん張り、停止する。


 今度は、俺が飛花の前に出現して、斬りつけた。


 慌てて受け止めるも、俺は刀を手放しての回り込み。


 刀を握っている手首をつかみながらの首投げ。


「にゃあああああぁっ!」


 投げっぱなしの、低い低い。


 クルクルと回転しながら墜落した飛花は、それでも立て直し、地面に激突する前に止まった。


「ふうっ! ふうっ!」


 涙目で息を荒げつつも、両手で刀を構え直す。


「刀を手放さないのは、偉いな?」


 俺が片手を開けば、再び刀が出現した。


 視線は、飛花へ向けたまま。


 上下の位置を変えたまま、切っ先を向ければ、下にいる未来の娘が文句を言う。


「お父様は、私を殺す気ですか!?」

「御神刀を解放した以上、手加減できない」


 早くしなければ、母親が来てしまう……。


 こいつはともかく、咲莉菜が参戦したら、面倒どころじゃない!


 未来への穴を作り、そこに飛花を放り込めば――


 ブンッと音がして、俺と同じ高さに出現した飛花は、雰囲気を変えた。


「フ、フフフ……。なら、見せてあげます! 桜風祈(さくらふうき)の真の力をおおおおぉぉっ!」


 空中に立つ飛花の足元に丸い穴ができて、スポッと落ちた。


 すかさず、その穴を閉じる。


「お前は、可愛い娘だ……。でも、お前の母親が怖いんだよ」

「……重遠(しげとお)、何をやっているので?」


 振り返れば、ジト目の咲莉菜がいた。


 大正ロマンのような可愛い姿だ。


「さっきまで、お前とよく似た小学生がいた。今はいない」


 ため息をついた咲莉菜は、首を振った。


「それはそうなのでー! ついでに、2人ほど、学籍のない女子がいます」


 となれば……。


「あの2人の娘だと思いますがー! 未来を変えないためか、名乗りません」


「無理に聞くことはないだろ」


 北垣(きたがき)(なぎ)錬大路(れんおおじ)(みお)の娘は、他の女子に紛れていたが、カレナに連れられ、すぐ未来へ帰った。


 やれやれ……。



 自宅に帰ったら、警視庁が2mほどのパワードスーツを試験導入するというニュース。


 その次に、いよいよ衆議院選挙が始まる、というニュースも。


 ソファに座っていたら、南乃(みなみの)詩央里(しおり)の声。


「若さま? 元首相の桔梗(ききょう)巌夫(いわお)さんが『連絡が欲しい』とのことです! 急ぎなので、早めにお願いします」


「分かった! まさか、『応援演説をしろ』と言わないよな?」


 ため息をついた詩央里が、すぐに突っ込む。


「知りません! 面倒になるから、表に出る話だったら断ってくださいよ?」


「ああ、気をつける」



 ――通信室


 ATMの無人受付を豪華にしたような個室で、義理の父親となった桔梗巌夫を見る。


 モニター越しに、笑顔の巌夫。


『元気そうだね! 急にすまない』


「いえ、桔梗さんもお元気そうで安心しました」


 挨拶もそこそこに、本題に入る。


『君も知っているだろうが、衆議院選挙が始まる』

「はい」


『申し訳ないが、指定する場所まで来てくれないか? 君と食事をしながら話したい。たまには、妻なしも良いだろう?』


 この通信回線ですら、話せない……。


 相手は、妻の1人である天ヶ瀬(あまがせ)(うらら)の父親だ。


 ふうっと息を吐いた後で、応じる。


「はい、会いましょう!」

『……無理をさせて、すまない』


「構いませんよ! ここで話せる部分は?」


『選挙絡みだ……。君に選挙活動はさせない』


 であるのに、俺に急ぎの用件か。


「桔梗さんの予定に合わせます」

『……今日の夜は、どうかね?』


 真剣な表情で、ガチトーン。


 よっぽど、マズいらしい。


「場所を教えてください! すぐに準備します」


『分かった。場所は――』



 ◇



 とある和室に、俺はいた。


 高級料亭の1つで、今となっては見慣れた光景。


 見事な食器に盛り付けられた、少量の料理が並ぶ。

 俺はもう大学生のため、酒も。


 しかし、同席しているメンツが異次元だ。

 日本を動かしている風格……。


 高そうなローテーブルを囲み、同じく上等なスーツの桔梗巌夫がいる。


 俺の名前と簡単な経歴を告げて、会釈。

 

 巌夫は、同席している面々を見た。


「紹介しておこう! 今回は秘密裏で、最低限の関係者に留めた」


 視線を受けた初老の男が、ニヒルな笑みを浮かべる。


「財務大臣の小田切(おだぎり)だ! よろしくな?」

「小田切さん? ここでは肩書なしで、お願いします」


 巌夫が、すぐに突っ込んだ。


 さっそく、ヤバい面子だなあ……。


 合計で4人だし、ここで麻雀をやろうぜ! と言わないよな?

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ