千陣流での大百/足くんと扱いが良いのはどっちか?
澪は、ついに室矢家と会った!
いっぽう、誰にも知られないままで進んでいく、日本滅亡!?
同時進行する状況に、ついていけるか?
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DHV47WQ9
緊張した空気の中で、俺は突っ込む。
「お前は妻の1人だし、手伝えることは手伝う! が、将来的に室矢家はなくなるんだぞ? カレナも、俺たちの面倒を見るだけだ。子供は例外なく、それぞれの家の責任とするんだ」
これまで桜技流を助けたのは、あくまで成り行き。
どっちみち、男子校を軌道にのせて、同時に警察などの影響力を減らすことは、一代で終わらない。
超空間のネットワークを通して、天沢咲莉菜が悩んでいる。
頭を揺らし、やがて答える。
『承知しておりますー! 重遠に頼みたいのは、調子に乗っている男子を叩きのめして一罰百戒にすること!』
「最初に作った伝統が続くのは、そちらの意味でも、か……」
話を聞けば、俺に桜技流の称号があることで、指導をつけて欲しい。
「怖いもの知らずの男子が、突っかかってくると?」
『警察の関係者で剣道や柔道が上手い男子や、退魔師互助会のお偉いさんの息子、あとは半グレみたいな腕自慢です』
咲莉菜としても、こういった事態になると予想していた。
どうせ、俺という切り札があるのだから、最大限に活用しよう。という話に。
『申し訳ございませんが、わたくし達を賭けるぐらいに思い切ったほうがいいかと……』
「釣るんだったら、金と女だな! ただし、今の俺は四大流派から認められた人間だ。その意味を分かっているんだな? 高校生だからと手加減はしないぞ? 異能をなくすぐらいに潰す。命があっても、二度と表舞台には立てんだろうな」
それぐらいで当然のポジションだ。
さもなければ、他の奴らが俺に逆らった報復で殺しかねない。
深呼吸をした咲莉菜は、首肯した。
『お願いするのでー! むしろ、そうでないと意味がありません。女子校のほうは凪と澪がいれば、事足ります』
◇
新設された男子校に出向いた俺は、パンダの気持ちがよく分かった。
お世辞にも好意的ではない。
まだ伝統や実績がなく、俺が桜技流で特別扱いだから、不安そう、俺に対する興味、敵意、呼ばれて面倒と、色々な感情が視線でぶつけられる。
(女っ気がない奴らにしてみれば、年齢が近い俺をよく思わんよな……)
というのも、室矢家のハーレムを総動員したから!
桜技流の女子校に1人ずついる、そちらの準ハーレムも呼び出した。
女子大生ぐらいだが、年長者のような雰囲気もある美女が、ニコニコしている。
「注目されているわね?」
「だいたい、お前らのせいでな?」
見事な着物を身につけた小坂部慧をジト目で見た。
「あなたの式神だし、お手付きなのだから、当然でしょ?」
悪びれもせず、得意げに言い返された……。
息を吐いた俺は、自分の女子たちを見る。
「もう、1クラス分になったんだな?」
「……やっぱり、睦月たちの数が効いているわね」
あいつら、12人いるからなあ。
しみじみと思っていたら、慧が呟く。
「1ヶ月休みなしでも、回らないんじゃ?」
「そろそろ、子作りに入る! 桜技流のハーレムはそっちがメインで、普段の優先順位は後ろ。あと、夕花梨シリーズは基本的に護衛だから」
それでも、キツい。
女子2人ごとでやるべきでは? を検討している段階だ。
お互いに許容できるペアを見ると、なかなか面白いが……。
そう思っていたら、慧が溜息をついた。
「負けようがないとはいえ……。私たちに名前と経歴を書いたプレートをつけさせて、しかも事前に周知かあ」
「悪いな? 『俺に勝ったら、好きな女を与える』でないと、咲莉菜が潰したい奴らが乗ってこないから」
不貞腐れた慧は、片手をヒラヒラと振った。
「ハイハイ……。夜の相手が面倒だからって、わざと負けないでよ?」
「今回は、本気でいく」
ビンゴゲームの景品のような観覧席に戻った慧を見ながら、改めて男子を見た。
どいつも、景品となった室矢家ハーレムを見ては、周りと騒いでいる。
俺の周りには、護衛の夕花梨シリーズが、それぞれの角度を見たままで立つ。
男子校の司会役が、外部音声で伝えてきた。
『えー! 次は、早崎との対戦です! 種目は剣道!』
ギャラリーの男子どもが、歓声を上げた。
『彼の希望は……あ、天沢咲莉菜さん、です』
ワァアアアアッ!
盛り上がる会場。
(こいつ、親から親戚までの警察一家なんだよなあ……)
満座で言うだけあって、全国クラスで、今は剣道部だか剣術部のエースだ。
しかも、地元の県警から警察庁のキャリアまで招いている場。
すっげー、視線が突き刺さっている。
これで俺から奪えば、その瞬間に警察は元の状態に戻るからな?
おまけに、本人も勝ち組の人生が約束される。
千陣流での運命を左右した決闘と、同じだ。
(あの時は、本当に死ぬかと思った……)
俺は竹刀を一本とり、スタスタと武道場のような中央へ歩み出た。
相手も、剣道着のまま、竹刀を握っている。
『お互いに異能者のため、剣道のルールで防具なし! それから……』
――異能による戦闘を許可します!
――なお、ハンデにより、室矢さまは1本で負けです!
その定型句によって、ただの茶番が始まる。
お互いに前へ出たまま、横に審判がいる状態で話し合う。
スッと頭を下げた早崎は、ドヤ顔のままで、尋ねてくる。
「室矢さんは……何段ですか?」
アニメの主人公みたいな爽やかさで、なかなかの煽りだ……。
過去作は、こちらです!
https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31




