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こういう時は男が悪いにされる

明らかになった、召喚儀式の実行犯。

今日、ベル女で召喚された存在によって世界が終わる。


4巻目は、ついにバトルへ!

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD2BFM7R

 永 飛龍ヨン・フェイロンは、話を続ける。


「日本から短期留学でウチに来たのが、お前の母親だ! 当時は……高校生になるかどうかのはず」


 ジト目の時翼(ときつばさ)月乃(つきの)が、こちらに顔を向けないままの永 俊熙ヨン・ジュンシーを見た。


 その間にも、飛龍(フェイロン)の説明が続く。


板村(いたむら)迦具夜(かぐや)は、ウチの本拠地で門派の1つである水平波状拳(すいへいはじょうけん)で印可を授けられた。分かりやすく言うと、俺と親父が修行している開門搏撃拳(かいもんはくげきけん)が父親で、その子供のようなものだ。それらをまとめて、門派と呼んでいる」


 つまり、枝分かれした流派の数だけ宗家がいて、序列もあると……。


 興味を持った月乃が、飛龍(フェイロン)を見た。


「さっきの重遠(しげとお)のように戦うの?」


「水平波状拳のことだな? ああ、そうだ! 見ての通り、カウンター狙いのため、女の弟子が多い流派と言える。来たばかりの板村はその流派を選び、形ばかりの下積みから体験コースへ進んだ」


 聞けば、外国人や観光客のために、楽しみながら修行できる、お遊びがあるらしい。


「昔とは違うからな……。俗な言い方をすれば、『お金と知名度がなければ』という話だ! それなりに払ってもらい、現地の料理や滞在する家も提供する」


「へー! でも、奥義に属する技は教えないんだろ?」


 俺のツッコミに、飛龍(フェイロン)は頷いた。


「ああ……。板村は筋が良く、本格的に修行する運びになったようだ」

 

 言葉を切った後で、付け足す。


「本来は、部外者にそこまで教えん! 例外にしたのは、叔母上と仲が良かったからだ……。ちょうど同年代で、同じ水平波状拳を学んでいたから、気が合ったのだろう」


 国籍と立場が違うものの、宗家の血筋となれば、対等に付き合える同性はいなかったらしい。


 姉妹のように一緒だった2人は、迦具夜の妊娠と帰国により、今生の別れとなった。


「叔母上は、親友を失ったことを嘆いた。今でも原因となった兄を恨み、合同稽古のたびに痛めつけている」

 

 そういえば、釣りのネトゲで俊熙(ジュンシー)が、妹と仲が悪いと言っていたな……。


 本人が、反論する。


「俺も後悔しているんだぜ!? だけど――」

「板村が死んだことは、自分で叔母上に言え! 俺は知らん」


 息子に突き放されたことで、低く呻き出した俊熙(ジュンシー)


 今の水平波状拳の宗家はその叔母上であることも、判明。


 ヤベーよ。

 真実を伝えたら、殺人事件が起きてしまう。


 そう思っていたら、飛龍(フェイロン)がこちらを向いた。


「ちなみに、室矢(むろや)は水平波状拳の免状がいるか?」


「どういう意味だ?」


「もし必要なら、その叔母上と会え」


 すぐに否定する。


「いや、面倒になりそうだから遠慮するよ」


「それが賢明だ! あとで言われても困るのでな? 今、確認した」


 話を戻すべく、声をかける。


「それは分かったが……」


「俺の母親と婚約を解消した親父は、時翼がお腹にいる板村を正妻にするべく、根回しを始めた。業腹(ごうはら)だが、ここまではいい」


 腕を組んだ飛龍(フェイロン)は、目を閉じる。


「板村に逃げられた親父は、俺の母親を婚約者に戻した」


 …………


 えっと?


「そんな大事なことを、切れた電球を交換するみたいに言われても」

「やはり、おかしいよな!?」


 すごい勢いで、飛龍(フェイロン)が同意を求めてきた。


 その時に、俊熙(ジュンシー)が口を挟む。


「宗家の妻になれて子供を産める女は、数えるほどで……」


 飛龍(フェイロン)は、それを無視する。


「そういうわけで、俺は板村迦具夜に言いたいことが山ほどあった! 今となっては墓を暴くわけにもいかんし、室矢が代わりにケジメをつけたがな? 時翼は、自分の母親がいきなり帰国した理由を知らんのか?」


 月乃は、首を横に振った。


「自分の母親だと知ったのも、大きくなってからで……。写真が少しあるぐらい」


「そうか……。悪かったな?」


 全員で話しているうちに、月乃の細かいことを気にしない性格は父親似と思えた。


 飛龍(フェイロン)が、話を締めくくる。


「宗家の直系を孕んだ板村が暗殺されずに帰国できたのは、亡くなった老師が庇ったことに加え、叔母上の親友であったことも大きい! 子供ごと始末すれば、女たちも動揺する」


 俊熙(ジュンシー)が手を出したのが、悪い。


 そう言ってしまえば、終わり。


 言い方から察するに、迦具夜は俊熙(ジュンシー)許嫁(いいなずけ)がいたことを知らなかったようだ。


 ただでさえ、国際結婚は難しい。


 それに、宗家の利権やらメンツが加われば……。


 現地に留まり、寿命の問題がなくても、2人は幸せに過ごしましたの一言では済まなかったと思う。


 俺のようにハーレムでどんどん女が増えていくのと、どちらがマシかは、何とも言えない。


 正妻の南乃(みなみの)詩央里(しおり)は、高校時代とは違い、リラックス中。

 式神である猫又のルーナの前足に両手をかけて、縦にビローンとしつつ、長ーい! と喜んでいる。

 その時のルーナは、達観した顔のまま、ニャッ! とお愛想の鳴き声。


 けれど、室矢家の女はまだ増える気配。


 大学は自由で、サークルや付き合いがなければ、よっぽど大丈夫だが……。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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