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真夏のホラーその一
夜も更けて参りました……。
こんな時には身の毛もよだつ怪談話を一つ……。
あれは私がまだ十二歳の頃……。
私は徘徊癖があり、夜によく家を抜け出してはそこら辺をブラついておりました。
田舎は街灯が極めて少なく、近所の森は夜になるとまさしく魔の森との形容が相応しい恐ろしさ。
その日の私は、その魔空間に迂闊にも足を踏み入れてしまった哀れな少年だったのです……。
がさ……がさ……
夏真っ盛りだというのに虫の鳴き声一つ聞こえない……。
妙に空気が冷たい……。
不安に駆られた私は、森を抜け出そうと必死で走り出しました。
しかし……。
走れども、走れども、その




