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エピソード0 春色の始まり――四姉妹、それぞれの朝


本作をご覧いただき、ありがとうございます。


『四姉妹の恋愛学園日誌』は、同じ学園に通う四姉妹が、それぞれの出会いや青春、そして少しずつ芽生えていく恋を描く学園恋愛ストーリーです。


今回お届けする「エピソード0」は、四姉妹の日常と学園生活の始まりを描いたプロローグとなっています。


ここから四人がどのような出会いを経験し、どのような恋を育んでいくのか、温かく見守っていただけたら嬉しいです。


それでは、四姉妹の青春の第一歩をお楽しみください。



 春の柔らかな陽射しがカーテンの隙間から差し込み、一軒家のリビングを優しく照らしていた。


「みんな、朝ごはんできてるわよ!」


 母・春風美緒の声が家中に響く。


 二階から足音が聞こえ、四人の娘たちが次々と階段を下りてきた。


「おはよう。」


 長女・春風美咲。高校三年生。


 生徒会長を務める才色兼備で、学校では「完璧な先輩」と呼ばれている。しかし家では、妹たちの面倒を見る優しい姉だった。


「今日も早いね、お姉ちゃん。」


 次女・春風葵。高校二年生。


 女子バスケットボール部のエースで、いつも明るく元気いっぱい。恋愛より部活という性格だ。


「おはようございます。」


 三女・春風結衣。高校一年生。


 本が大好きで、図書室がお気に入りの場所。人前に出ることは少ないが、誰よりも周囲をよく見ている。


「おはよー!」


 最後に勢いよく現れたのは四女・春風ひまり。


 今日から高校一年生になる、新しい制服姿がまだ少しぎこちない。


「制服、似合ってるよ。」


 美咲が笑う。


「ほんと?」


「もちろん。」


「ありがとう!」


 ひまりは照れくさそうに笑った。


 食卓には焼き鮭、卵焼き、味噌汁、ほうれん草のおひたし、炊きたての白ご飯。


 四姉妹は揃って「いただきます」と手を合わせる。


「今日からみんな同じ学園だね。」


 母の言葉に、葵が頷いた。


「やっと四人一緒。」


「校内で会ったら手を振るからね!」


 ひまりが言うと、美咲は苦笑する。


「学校では生徒会長だから、あまり大きく振らないでね。」


「えー!」


 朝の食卓は笑い声に包まれていた。


◇ ◇ ◇


 私立・桜ヶ丘学園。


 桜並木が校門まで続き、花びらが風に舞っている。


「すごい……。」


 ひまりは思わず足を止めた。


「緊張してる?」


 結衣が隣で尋ねる。


「少しだけ。」


「大丈夫。」


 結衣は小さく微笑んだ。


「私たちもいるから。」


 その一言だけで、ひまりの表情は明るくなる。


 校門では美咲が生徒会役員として新入生を案内していた。


「おはようございます。入学おめでとうございます。」


 その落ち着いた姿に、新入生たちは思わず見入る。


「やっぱりお姉ちゃん、すごいなぁ。」


 ひまりは誇らしそうに呟いた。


 一方、体育館では葵が部活動紹介の準備を進めている。


「今年も新入部員、いっぱい来るかな。」


 ボールを抱えながら笑顔を見せる。


 図書室では結衣が新刊を棚へ並べていた。


 本の香りに包まれながら過ごす静かな時間は、彼女にとって何よりも落ち着く場所だった。


 四人は同じ学園に通っていても、それぞれ違う毎日を歩んでいる。


◇ ◇ ◇


 昼休み。


 偶然、中庭のベンチに四姉妹が集まった。


「みんな元気?」


 美咲がジュースを飲みながら尋ねる。


「私は部活見学で忙しい!」


 葵が答える。


「図書委員の先生に話しかけられた。」


 結衣が小さく笑う。


「私は友達が三人できた!」


 ひまりは嬉しそうだった。


「よかったね。」


 美咲は妹たちを見渡した。


「これから楽しいことも、大変なこともあると思う。でも、一人で抱え込まないこと。」


 三人は静かに頷く。


「家に帰れば、私たちは四姉妹なんだから。」


 その言葉に、全員が自然と笑顔になった。


◇ ◇ ◇


 放課後。


 桜並木を歩く四姉妹。


 夕日に照らされた花びらが風に乗って舞い上がる。


「高校生活、始まったね。」


 ひまりが空を見上げる。


「うん。」


 結衣が答える。


「きっと楽しい一年になる。」


 葵は肩を組みながら笑う。


「部活も恋も、青春も全部楽しもう!」


「恋はまだ早いんじゃない?」


 美咲が苦笑すると、三人は一斉に笑い出した。


 誰も知らない。


 この春から始まる学園生活の中で、それぞれが運命の出会いを迎えることを。


 生徒会室で。


 体育館で。


 図書室で。


 音楽室で。


 四人の恋は、まだ名前もついていない。


 けれど、この日の笑顔は、未来へ続く物語の最初の一ページだった。


 桜は静かに舞い続ける。


 四姉妹の青春もまた、この春の日からゆっくりと動き始めた。



最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


「エピソード0」では、四姉妹それぞれの性格や家族の雰囲気、そして学園生活の始まりを描きました。


ここから先は、それぞれが出会う仲間や大切な人との交流を通して、笑いあり、涙あり、ときめきありの青春物語が少しずつ広がっていきます。


もし本作を「続きも読んでみたい」「四姉妹を応援したい」と感じていただけましたら、ぜひブックマークや評価、ご感想をいただけると励みになります。


皆さまからの応援やご感想を参考にしながら、続編となるエピソード1以降の執筆も考えていきたいと思います。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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