不完全燃焼の結果(3)
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倉里市、倉里警察、捜査本部。
「ここのところ、何も起きませんね」
丹山将平は資料を片手に呟いた。ネット上では化物は消えたって噂が流れ、実際、この目でレッドにライオン、キマイラ、ブラックが倒されていくのを見た。
「まだレッドは残っている。気を抜くな、アホ毛の束、五分の一に減らすぞ」
「結構削りますね!? やめてくださいよ!」
頭のアホ毛を期に掛け庇うが、百々宮は妙に神妙な顔をした。
「それに、立神魁の件も解決してはいないのだから」
その言葉にもう一度考えた。立神魁、ライオンの正体にして脱獄犯。
恐らくレッドは他の三体を倒したとみていいのだろうが、あの戦場に残されたのは脱獄犯の立神魁のみ。他に、キマイラやブラックだったらしきものはいなかった。あの戦闘の様子だと、跡形もなく吹き飛んだと考えるのが妥当だろうか。
何より不思議なのが、立神魁の取り調べの結果だ。どんなに尋問を行っても分からない一点張り。ライオンであった記憶はまるでの覚えていないと言った感じだった。果たして庇うための芝居なのか、あるいは別人格だったのか、本当に記憶を失っているのか。
結局、立神から化物に関する情報は何一つ入らなかった。
「それにレッドだって、唯一の希望だった火野龍巳が正体では無いと言う事は一目瞭然ね、同じ場所に居たのだから。アリバイどころでは無い。レッドもふりだしって訳だ」
百々宮は重々しく口にしては資料に目を通し続ける。キマイラもブラックも本当に消えていなくなったと言う保証はない。まだまだ警察としてやるべきことは残っている。
そんな風に思っていたのだが、百々宮はふと目をすっと閉じるとふっと笑った。
「ただ、もう少しすれば、公に事件解決と言える事にはなるだろう。きっと、レッドは己の正義を貫いたのだろう。せっかくだから信じて見ようか、化物をすべて倒した今、レッドはもう現れることはないと」
そんな事を言う百々宮に自分の耳を疑った。とでも百々宮が言うセリフでは無かったからだ。こんな根拠のない、しかもレッドを信じると言う言葉に。
レッドが最初に現れたのは化物相手では無い。故に、もう現れないと言う保証はない。勿論、百々宮も重々承知のはず。だが、何となく百々宮の気持ちを察することは出来た。
「そうですね。レッドは……正義……の下に行動しているのですから」
そう、仮にもレッドは正義を名乗っている。危険対象であろうとも、レッドの正義を信じることがこの事件を収束に向かわせる第一歩なのだろう。
そう胸に刻み、事件の後処理作業を始めるのだった。




