表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦慄のアウディート  作者: 亥BAR
第四章 魔智の仲間
PR
24/82

魔智の仲間(7)

 だが、その左手は何者かの手によって掴まれ攻撃を阻まれた。なぜ左手が動かないのか分からず、がむしゃらに動こうとするが、少し冷静になりその左手を掴む正体を知る。


「キマイラ!? 何のつもりだ! なぜ、こいつら庇う。なぜ、俺の攻撃止める!? そんな雑魚に救う価値などあるか! まさか……、おめもドラゴンと同じか!?」


 キマイラは力に関してそこまで強くないのか腕を振るわせながら魔智の腕を必死に止めている。キマイラがその状態を長く続かせないかのように足を前に振ってきたので避けながら距離を取った。だがその後ろにはライオンが行く手を阻んでいる。囲まれた。


「ドラゴンの事はくわしく知らないのでどうとも言えませんが、わたしの最終目的は人類すべてが進化すること。今ここにいる警察の彼らにもその価値はあるのです。あなたが無駄に人を襲うとなれば許す気はありません。進化すべき存在をあなたに消し去る権利などありませんよ」


 キマイラの言葉に反論したいのは山々だが、どうも状況がさらに悪化したらしい。前はキマイラ、後ろはライオン。キマイラを相手にするのは間違いだったとでもいうのか。


「三体とも、おとなしくしなさい!」


「「「なに!?」」」


 ずっとこの三人の間の世界でいがみ合っていた中、突如別の存在が乱入。驚き目を見開くその中に見えたのはアウディーターでも、エボリューターでもない、化物でない一人の人間。警察の制服を着て、拳銃をこちらに突きつける女性刑事。


「だから、百々宮先輩。もっと慎重に」

「いいから、邪魔よ。将平は引っ込んでなさい。アホ毛引っこ抜くぞ」


 後ろにいる男性刑事を制し、機動隊よりさらに前に出てくる、化物三体がいる目の前に。


 何だこいつ? 恐れが無いのか?


『この人、前にドラゴンに誘導尋問した刑事』

『あ! そうか……、なるほど……』


 キマイラ、ライオンも警戒するように目線が魔智から刑事に変わっている。

その中、刑事は拳銃をキマイラに突きつけた。


「あなた、麻布田の銀行でも、留置場脱走事件の場所にもいた奴ね? 何者だ!?」


 留置場? 麻布田市の銀行は分かるがなぜ、留置場?


『いや、それよりも、警察が銀行の事件でキマイラの存在を確認できていたと言う事が重要。警察、どうやら、思った以上にわたしたちに近づいている』


 デビルの解釈に警察に対する警戒がさらに強くなった。下手すれば、こちらの正体までばれかねない。横目でちらりと見るとキマイラが真剣な眼差しでその刑事を見ていた。


「よくご存じで。わたしはエボリューター、キマイラエボリューターです。人類の新たな進化を進める者です。どうやらあなた方はわたしたちが暴れるのを拒否願いたいようですね。なら従いましょう。わたしは警察に刃向う気はないと言う事を証明するためにも……」


 魔智はその答えに耳を疑った。


『ここで引くと言うのか!?』


『この警察、もっと言えばあの刑事と長くいると厄介だと思った。賢明な判断』


 デビルの説明を聞いている間にもキマイラはライオンを抱えるとあのスピードで一瞬にしてその場から消えさって行った。本当に逃げやがった。


「さて、今度は君だ。何者? あなたもエボリューターとかいう奴なの?」


 どうやら、この刑事は逃げ去るキマイラの事に注意も向けさせてくれないみたいだ。刑事の握る拳銃が今は完全にこちらに向けられている。


『話を取り合ったらダメ。方言でばれるし、魔智だと簡単に誘導尋問に引っかかる』

『ああ、分かってるよ』


「なるほど、答えないと言う訳ね。でも、差し当たり岩手県に出没したコスプレ、いや、黒い化物と同一の物と考えて間違いないみたいだけど。喋り方からも北奥羽辺りの物かなと察する事は出来るし。尤も共通語で隠しているつもりらしいけど」


『……、マジか……』

『だから言ったのに。でもキマイラに話した、あんな一文程度で方言を言い当てるか……。いや違う。分かったのだとすれば黙って内に隠すはず。それをさらけ出したとすれば……確信はなかったがあえて口にすることで反応を見て確信を得た……この女、やる……』


「どうやら図星らしいな」


「な!?」


『やっぱり! ダメ、これ以上顔に出さない。ポーカーフェイス!』

『んな事言われても』


 頭の中でデビルと葛藤しながら刑事をみる。やたらでっかいその胸は男を魅了するだろうが、流石にこの状況ではこの女性を女として見られない。ただの厄介な人物でしかない。刑事の心の奥で余裕を交わしているような微妙な笑みがさらに不安と苛立ちを募らせる。


「では、もう一つ質問。あなたの目的は? あのキマイラエボリューターとか言う化物は進化が目的だと話していたが、君も同じなのか?」


「な!? ふざけるな! 俺ばあいつと一緒にすな! 俺ぁ」

『ストップ、ストップ!!』


『ハッ!? しくじった。つい口が……。しかしよう、あの警察、あんなおめば道具扱いするような奴と一緒にしやがるんだぞ。この調子こいた奴に……』


『いいから、落ち着く! この場にいる理由は無い。逃げる』


 逃げる。キマイラ相手にならまだしも、こんな力無き者から逃げる。屈辱的にも程がある。だが、デビルの言い分は尤もだ。このままいけば何もかも奴らに話してしまいかねない。実際、デビルに止められなければ、口を滑らせ続けただろう。


 考えをまとめると、体中を闇で包み込むみ一気に周りに噴射。闇の霧を作り出すとその霧で隠れながらデビルの言うようにその場から逃げ去った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ