10.俺と彼女のエロ本事情。
「どーうーじーまー!!!!」
「ふぁ!?なんだよ誌人!?」
俺が帰ってきた瞬間、誌人がいきなり俺の名前を叫んだ。
て言うか何この誌人の狂気に包まれた用な顔!?怖いんだけど!いやてか怖すぎる。
「ねぇ同島?」
「なんでひょうか?」
人誌の足はガクブル状態。
すると、そんな人誌に、誌人は、右腕に持っていたとある本を差し出し、見せる。
「これ、なに?」
満面の笑みで問い掛けてくる誌人。
「いや、別に何って言うほどのもんでもないだろ。
ただのエロ本じゃねぇか」
誌人が人誌に見せていたのは、エロ本だった。
それは人誌が友達に、それ、やべぇから…マジやべぇから…、と鼻息を荒くしながらおすすめされたエロ本だ。
断るに断れぬ雰囲気だったから貸して貰ったのだ。
まぁあいつの言ってた通り凄くて俺のオカズと化したけどな。
別に隠すことではない。
なんせ俺等は共にエロ同人を読む仲だからな。
「んでそれがどうかしたのかよ?」
「どうもこうもないよ同島!
これは裏切りだよ!反逆だよ!
反逆のドドージマだよ!」
「ドドージマってなんだよ!?
てか裏切りって…何処がどうなってそうなったんだよ?」
「同島さ。
この本で、抜いたよね?」
その問い掛けに俺は「抜いたけど」と答える。
「それがもはや裏切り行為だってシヒトはシヒトは言ってみたり~」
「そのさっきからちょくちょくパロってくスタイルなんなんだ…?」
「と・に・か・く!
この本は没収します!
今後、エロ同人以外で抜いちゃダメだからね!わかった!?」
「いやてか何でダメなんだよ?
別にいいだろ、エロ同人もエロ本も、同じエロと言うジャンルには変わらない。
なら別に…」
「ダメだもん!!」
俺が言葉を続けようとした瞬間、誌人はその言葉を即座に否定する。
「…理由の一つや二つ欲しいのだが…。
まぁ言いたくないって言うなら別にいいけどさ」
「…ふん!
そんなにこのエロ本が好きなら勝手にR2まで続けてればいいよ!」
「いや、何でそんなに怒ってんだよ?」
「っ!だって同島が他の女の子に欲情したりするか…ハッ!」
誌人はやってしまった。
と言う顔をして両手で口を抑える。
俺は少し間の抜けた顔をする。
ん?これってもしかして嫉妬?
嫉妬ってやつ?え?妬かれてる?
だとしたら…初めてじゃないか?
誌人が俺に焼きもちを妬くなんて。
俺は自然と頬が緩んだ。
けどすぐに顔を戻し、また理由を聞く。
「理由は何となくわかった。
けど、何でエロ同人は良くてエロ本はダメなんだ?」
誌人は、数秒の間を置いて答える。
「…だって、この本に写ってる子は実在するもん…。
同人なら…二次元だから欲情してもいいけど…」
あら可愛い。
おじさん襲っちゃおうかしら。
などと、思いながら「つまり?」と俺が口にし、誌人の話に再び耳を傾ける。
「つまり!
三次元で…私以外の子に…欲情しちゃったりしたら…後で私が襲いに来ても知らないから…ね?」
「あ、萌え死ぬ」
誌人は、横目に人誌を写しながら言うのだった。
これが初めて、誌人が、嫉妬、と言う感情を覚えた瞬間であった。
翌日。
人誌の学校にて。
「おーい!同島ー」
「ん?おー友田、はよー」
「はよー!でさ!貸したエロ本。
どうだった!?」
「捨てた」
「なんでぇ!?」
この後、友田はまた同じ本を購入したと言う。




