魔法と生足と一片の悔いの無い日
とりあえず短いけれど…
「―っとまぁ大体こんなところよ。出来そう?」
ボクはシーナさんから教えてもらった事をおさらいする。
教えてもらったことは次のとおりで
その一、使いたい魔法のイメージをする。この時のイメージ力が魔法の発動の成否に直接響くそう。イメージ力を補う為に呪文なんかを唱えたりするみたい。
その二、体内にある魔力を適量魔法に込める。込める量が多いほど効果が高くなるけど制御が難しくなるみたい。短時間に沢山魔力を使いすぎると魔力酔いっていうのをおこすんだって。
その参、イメージ力が固まって魔力を込め終えたら発動してって思えば発動するらしい。俗に言う無詠唱なんだって。この発動してって思うのが難しいらしく大半の人はこの部分だけ呪文を唱えるらしい。―以上!
「まずは私がお手本を見せるわね。……トランス!」
実際に魔法を見てからその魔法を使おうとするとイメージがしやすいっていうのがシーナさんの持論だそうで、お手本のように魔法を発動させた。
「―よいっしょっと。どうかしら?」
シーナさんの蜘蛛の下半身は一瞬光ったかと思うと人の足へと変わっていた。
ボクは早速シーナさんの足を見てイメージした。
「なるほど……込める魔力は四分の一くらいで…えいっ」
「ぅえ!?四分の一って…ちょ、まぁああああ!???!?!?」
ボクは人の足を思い浮かべ、魔力を込めて――無詠唱で発動させた。いやだってさ、無詠唱ってなんか憧れがあってさ。…それはともかくさっきのシーナさんの時と比べようがないくらいに身体中が強く発光しだした。
「…ふぅ、やっと光が収まった。うん、足もちゃんと出来てる。」
自分の蜘蛛の下半身が人の足になった事を確認すると無性に嬉しくなってきた。
「やった!初めての魔法!成功!嬉しい!あ、シーナさん見てみて!成功しました!」
嬉しさのあまりにワンピースをまくし上げシーナさんに見せる。
「うぅ、やっと視界がはっきりし…て………ヘヴンッッッ!!!!!」
ボクを認識するや否や突然叫びだした。
「わわ!?」
「この透き通るような触れただけで傷がついてしまいそうなどこまでも純白な肌!見ているだけでもハラハラしてしまうほどに華奢で体との調律が合い過ぎて目が離せないNAMA✩ASHI!!そしてなぜか身体から僅かに漏れ出る淡く儚げな光が神性を醸し出しているぅぅぅぅぅぅ!!!更にこれはなんのご褒美なんだ!?まくし上げによって絶対領域がががががが!!!!くっ、我が人生に、一片の悔いなしだこんちきしょおぉい!!!!!」
―バタリ
叫ぶだけ叫ぶとシーナさんは親指を立ててもの凄く幸せそうな顔をしてもの凄い量の鼻血を吹いて倒れたのだった。
「…えぇー。」
やるせない気持ちでその場に残されるボクであった。
シーナさんがネタキャラ化してしまわないか心配に…Σ(゜д゜lll)
あ、誤字脱字等があれば教えていただけると嬉しいです
m(_ _)m