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拉致とドレスと名前な日

「到!着!」


 アラクネの女性は肌をツヤツヤにしながら叫んだ。


―ここに至るまでの回想―


 ズドドドドドドドドド!!!


 ものすごい勢いで景色が変わっていく。気分はジェットコースターです。そんななかで。


「あ~ん可愛い可愛い可愛いこの小動物可愛い過ぎるよぉ~!!もうペロペロしたいわ!!(…ペロペロペロペロ」


「うひゃっ!?ちょっ、まっ、く首筋なめないでくだひゃぁん!?」


「う~ん、最っ高だね!」


「なんでこんな目に…ひぁ!?」


 ボクは自分の体力が減っていく感覚を覚えていた。

 チラッとアラクネの女性のほうを見ると


「やばいっ、今の私のテンションは阿修羅さえも凌駕以下略―!」


 あぁ、もうこれは人の話を聞いているようで聞こえていないパターンだ…。


「もう私を抑えられる気がしない!というより抑えないわ!!」


 アラクネの女性の行為はだんだんエスカレートしていった。


「ぃや…、いやぁ…、いやぁああああ――――っ!!!」

 僕の悲鳴は森にへと消えていった


 その後されるがままに髪をクンカクンカされ耳たぶをハムハムされた。

 そして、目の前が真っ暗になった。


―以上、回想終了―


「………(チーン)」


 僕は気力を全て奪われ力尽き気を失っていた。

 アラクネの女性は気を失っているそれを建物の近くにある大きな切り株の上に寝かした。


「ありゃ…、気を失っちゃったか。…やり過ぎちゃった!テヘ☆ペロ!」


「気を失っている姿もかわゆすですなぁ…。あ、ヒールかけてあげないと。ヒール!」


アラクネの女性の手のひらがみどりの光を放った。


「んぅ、むにゅぅ…」


「やばい、この姿は…絵にしたくなるほど可憐すぎるね!」


「んんっ、ふぁあ~…あれ、ここどこ?」


 程なくして起きたボクはあたりを見回す。さっきのアラクネの女性が居た。


「ここは私の家、兼お店さ!」


 笑顔たっぷりな顔でそう言う姿に先ほどまであった恐怖も不思議と薄れていった。


 アラクネの女性の指差す方向を見ると看板が見えた。


「シー、ナの服、屋?」


「そう!良く読めたね!あ、自己紹介が遅れたね、私はシーナ、シーナ・シフォンナーレっていうの。そしてこの家が今日からお嬢さんの住む家だよ!」


「ふぇ?…ふぇぇええ!?」


 アラクネの女性シーナ…さんの言った唐突なセリフで頭が真っ白になって「ふぇ」としか発音できなくなった。


「っと、いつまでもお嬢さんって呼び続けるのもなんかおかしいよね?そんな訳で名前を教えてプリーズ!」


 やっと落ち着いてきた所にシーナさんが名前について聞いてきた。…名前か、そういえば死んだんだっけ。ええと、以前の名前は…あれ?思い出せない…なんでだろう?

 答えに困っているボクを見てシーナさんは急に何かをひらめいた時の様な擬音「キュピーン!」をわざとらしく言って


「まさか、名前をま、まだつけてもらっていないのかい?」


 まさか生まれたてで名前をもらっていないとか。とシーナさんは呟いている。

 まぁ、名前も思い出せないしつけてもらっていないということで都合もいいかな。


「えっと、はい。」


「キタ――!!!」


 ついに私の時代キタァーッ、と言いながらボクを抱き…締める。


「あ、あのっ――「あああ!ごめんね!そうだよね!いつまでも外で裸同然の恰好じゃ嫌だったね!まってて!今服を持ってくるから!」――苦し…ケホッ。あ、行っちゃった。」


 二分後たくさんのドレスを抱えたシーナさんが店からでてきた。…なぜか爆音とともに。


「さぁ、この中から選ぶといいよ!」


 何か含んだ笑みを浮かべながら、さぁ!さぁ!と言っている。心なしか息が荒い。

 ふと気づいたことをシーナさんに聞いた。


「普通の服は無かったんですか?」


「…ない!!」


 少し間があったが、ないと断言した。


「先にお店の中見ていいです?」


「いいよいいよ、やましいものなんてさっき燃やしたから大丈夫!」


 …うん、つまり普通の服はさっきの爆音とともにーってことなんだろうな。つまり選択肢はドレスしかないと…。


「やっぱりいいです諦めます。」


 ボクは結局シーナさんの持ってきたドレスの中から一着選んだ。そう装飾のすくない藍色のドレスにした。


「これにします。落ち着いた色ですし、この小さな4つの鈴の音が一つずつ違っているところが気に入りました。」


「ふっふー、お嬢さんの名前も決まったよ!」


 え、なにそれ聞いてない…。どんな名前だろう、少し不安だ。


「お嬢さんの名前はシオン。そのドレスと同じ銘さ!四つの音って意味さ!」


 この世界ではよくある名づけ方らしい。なんて、適当なんだ!と思ったらそうでもないよね。このドレスの銘はシーナさんが前に考えたそうだし。細かそうなことはいっか。

 とりあえずドレスを着てみる


「どうですか?」


「くっ、鼻血ものね!」


 ドレスを着たボクにかけた最初の言葉がそれだった。まぁ、そんなことより


「普通の服はあるんです?」


「燃やしたわ」


 やっぱりか…。

 後で聞いたけど、普通の服には銘をつけていなかったので、不都合故に燃やしたそう…。ちなみにしばらく服を作らないそう。うーん、困ったな…ダメ元で聞いてみるか…上目づかいで!


「シーナさん、服の作り方をボクに教えてくれませんか?」


 すると

 

「くっ、な、なんて破壊力なの。もう無理!断れるはずがないわ!」


 効・果・は・バ・ツ・グ・ン・だ!というかバツグン過ぎて幸せそうな顔で鼻血を出しながら倒れちゃった。

 とりあえず、言質は取れてよかった。よし、頑張って服つくるぞー!おぉー!

ふむ、駄文の才能が上がったようですね…文学の神は私を見放したんでしょうか?

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