服と地理と魔法な日
「こ、こんな才能を持っていたなんて。シオン、恐ろしい子…!」
あの日の翌日から速攻でシーナさんに服の作り方を教えてもらって一週間たった。それで一通り教えたので、学んだことを生かして服を作ってみなさいと言われたので作ったら、冒頭のセリフだ。
「シオン、私が間違ったいたわ。服は飾れば飾るほどに美しくなると思っていたの。」
なるほど、道理で服――ドレスを選んだ時に派手なものが多かった気が…。ちなみにボクの作ったのは白いワンピースだ。
「けれどもね、シオンの作品を見て気づいたの。あえて着飾らないことで。シオンの未発達な体のラインがより一層儚さをかもしだし、さらにスカートの端をふんわりと仕上げたことによって天使のような雰囲気に。しかもリボンをつけたことにより清楚さがあふれている。所々に使われている青い布地も白をより際立たせているわ!」
ボクのドレスについての評価を暴走気味にしてくれた。あとなんで褒めるのにボクの名前を用いたのかな?
「シオン、もう私からあなたに教えられることはないわ。おめでとう、免許皆伝よ。」
「あ、ありがとうです。って、こんなに簡単に修められるものなのかな?」
「ん?簡単じゃないわ。だた単にシオンがものを覚えるのがすごいだけだから。」
「は、はぁ。」
…まぁ、服を作るっていう目標は達成かな。
あとで言われたことだけど「シオンは服を作る才能が有るわ!」とか「もうシオン一人でお店を開けるレベルよ!」とか言われた。
…お店かぁ。
そう考えにふけながら、シーナの服屋の看板を見ていたらあるものに気づいた。
「シーナの服屋…本店?」
本店ということは支店があるのかな?と思いシーナさんに聞いてみた。
「ええとねー、支店はアテス国都とミリシア区都に一店あるわよ。まぁ、放置しているのだけどもね。」
「アテス国都?」
聞きなれない地名だ…というか異世界なんだから当たり前か。
「シオンは生まれて8日くらいだったわよね?だから知らなくて当然よ。私たちの住んでいるのはアテス国領の東のミリシア区の端っこにあるトトの森っていうところよ。」
「なるほど。」
シーナさんはボクに壁に立てかけてあった長い巻物――地図を持ってきて広げて今言った場所を指差して教えてくれた。
「周りの国については…まあ行くことがないだろうし省略するね。」
シーナさんは、私も周りの国に行ったことなくて詳しく話せないしね。と付け足した。
「人とかが住んでいるんですか?」
「そう、アテス国は人間が統治しているのよ。なんで人のいるような所に支店を置いているかっていうと、まぁ、面白そうだったからなんだけどね。実際に面白かったしね。」
…そんな理由で支店置いたんですね。それにしてもこの異世界にも人が居るんだな。なんでか知らないけど少し嬉しいかな。
「…行ってみたいな。」
自分の思いが呟きとしてこぼれ出ていた。ボクのことをずっと見ていたシーナさんはその呟きを聞き逃すわけがなく
「じゃあ、行ってみる?」
「え?あっ、いや、ええと、ボクは、うぅ、い、行きたいです。」
あたふたするボクの様子を見て微笑ましく見ながら
「じゃあ、まず先に魔法の勉強しよっか。」
シーナさんは必要なことだからと言っていた。
「は、はい!」
なんていうか、うん、改めて思うけどここって異世界だったんだよね。魔法があったって不思議じゃないよね。
――そうしてシーナの魔法講座が始まった。
「まず魔法とは体に溜め込んだ魔力を魔法に変換して発動するものなの。」
「魔力ってどうやって溜めるんですか?」
「良い質問ね。溜め方2通りあって空気中の魔素を呼吸によって取り入れ体内で魔力変換するのとマナポーションを飲む方法ね。ただ呼吸に関しては魔素を取り入れても魔力に変換される量はその個人の変換力次第なの。」
つまり呼吸で魔素を取り込めば魔力に変換されるのかな。あれ、魔素が魔力になるのはわかるけど魔素は減っていくばかりじゃないかな?
「えっと吸うって事はそにの近くの魔素が減るかなって思うんですけど…」
魔素が薄くなれば吸収する量減るんじゃないかなぁって思っていたらそうでもないらしい。実際は魔素がうすなった所に魔素の濃い所の魔素が流れ込んで均一になるようになっているらしい。あとは魔法を使えば使われた魔力が魔素に戻るのでなんの問題もないらしい。
「魔力変換の能力が高ければ魔法を使いたい放題ですね。」
「ええ、確かモルドレッドって称号持ちの中にコストの高い魔法を連発する人間がいたわよ。己の魔素変換力の高さを利用して戦場で無双していたそうよ。ついた二つ名が”ラピッド”ね。まぁ、戦時中夜間に敵の夜襲で命を落としていたけれどもね。」
「へぇ、ラピッドですか…。えっとモルドレッドってなんです?」
「モルドレッドっていうのは国の王にその才能を認められて贈られる称号よ。まぁ人間国宝に贈られる称号よ。あと、偉業を成し遂げたらランスロットって称号が贈られるの。モルドレッドが才能、ランスロットが英雄って感じかな。豆知識だけども二つの称号を得ると、アーサーという称号が与えられ、王位継承権がおまけでついてくるそうよ。どこかの国では本当に王様になっちゃった人間がいたみたいよ。」
…円卓の騎士か!って心の中で叫んでやりましたよ。ええ、盛大に。
「えっと、吸収するのはわかったんですけど、そうすると魔力の貯まり場所はあるのかなって…」
「あるわよ、魔力貯蔵庫っていうところに魔力は貯まるの。魔力量ともいわれているわ。ちなみに、この魔力量をオーバーするコストの魔法は使えないから注意よ。」
「ええと、つまり魔力量のない人や少ししかない人は魔法が使えないってことです?」
「まあ、そうゆうことね。」
「ボクにはどれぐらいの魔力量があるかってわかりますか?」
「うん、測ればわかるわよ。なんなら今測ちゃおうか?」
「え?あ、はいです?」
急遽ボクの魔力量を測ることになった。
…
‥
・
「うう、全くなかったらどうしよう…。」
目の前に置かれた赤、青の水晶の測定セットを前にして弱音を吐く。
前の世界には魔法なんてなかったし…、あ、でも生まれ変わったしチャンスはある…かな?
「大丈夫だ、問題ない!魔力を全く持たないモンスターはいないから安心しなさいな」
「っ!それはフラグですか!?そうだったら泣きますよ!?」
…すでに涙目だけども
「うっ、それは…見てみたいかも。…っは!ああいや、ね?大丈夫!努力で増やせるからさ!」
そう言ってボクに青い板状の水晶を手渡し、シーナさんは赤い球状の水晶を持って詠唱を始めた。
「じゃあいくわよー!マナ・アナライズ!」
青と赤の水晶が光ってあたりが光の渦に包まれた
…テストっていやですよね。打つ時間全く取れなかったですよ。




