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Nice Fight!〜違う道が1つになって同じ夢を見ていた〜  作者: livingdead


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県対抗団体戦ライトウェルター級

【 井口崇通(いぐちたかみち)(国教大附属国際1年UJ全日本5回優勝3連覇)ー朴 忠次(桑村産業2年UJ経験あり) 】


先刻ひと悶着あり、メンタルが不安視される井口。


セコンドに付く西木匠教諭から、2〜3言声かけされると軽く口角を上げて小さく右の拳を突き上げて見せた。


UJ 時代の井口の試合前と比べると、かなりリラックスしている様子。


対戦相手である朴は気合十分!


身長は井口と同じくらいだが、長身痩躯の井口と比較すると驚くほど筋肉質で、見るからに打たれ強そうでパワフルなイメージ。


両者リングに上がり対峙。


レフェリーに呼ばれてリング中央で向き合った際、朴は対戦相手という以外にも何かあったのかぐらい疑われるような険しい目つきで井口を睨み据え、それに対して井口は全く何の興味も反応も示さずに視線を合わせることなく虚ろな表情で天井の方ばかりをぼーっと見ている。


両者それぞれのコーナーに戻り1ラウンド開始!


朴がその鋼のようなフィジカルで見るからに硬そうな拳を奇襲のノーモーション右ストレートで先制をかけた次の瞬間、その右を難なく鼻先でかわし、お返しとばかりに井口がしっかり重心の乗った左ジャブ?左ストレート?


全て顔面に超高速でまとめて6発程度叩き込み、それで顔面血まみれになり上体が折れた朴の左側頭部に無慈悲な井口の右が打ち降ろされ朴、そのまま顔面からキャンバスに沈みレフェリーはノーカウントで試合終了を宣告。


会場内声もなし・・・・


これでとりあえず団体戦は終了!


「ただいまの競技の結果をお知らせします。1ラウンド16秒赤コーナー薙沢県国際教育大学附属国際高校井口崇通選手のKO勝ちです」


◯井口崇通(薙沢県・国教大附属国際)

【KO1R 16秒】

朴 忠次(高南県・桑村産業)✕


「以上をもちまして、団体戦の結果4対1高南県の勝利です」 


ーーーーーーーーーーーーー


井口の凄まじさを思い知った所で、俺たちは暫し休憩で30分自由行動。


この後、オープン戦が控えている銀山(かなやま)江波(えば)は西木先生と一緒にアップに入り、宮内と井口は念の為に外薗先生からDrチェックを受けた後にシャワー浴びるそうで。


既にDrチェック済みの客野(おれ)は一足先に地御前(じごぜん)を連れて、この会場である唐河中央高校体育館自慢の快適なシャワールームに直行。 


ちょっとした健康ランド並みの広くて清潔な整容室に、個別シャワーが7室。


贅沢贅沢。


俺と地御前は手早くシャワーを済ませて皆の所に戻るつもりだったのだけど、地御前が自分の顔や上半身を姿見で見て、呆然。


「・・・なに、これ・・・」


地御前の顔面は梶川さんとの激闘の痕跡で、赤痣が多数見られ、上半身の肩や胸板、上腕、腹部に至るまであちこちに青痣がびっしり。


地御前が鏡に映った痣だらけの自分の姿に呆然としていたその時、シャワールームの扉が開いて現れたのは、唐河中央高校ボクシング部の黒木先生。


他県の生徒を案内して、ここに誘導していたようで、俺たちが挨拶すると軽く手を上げて返事し、


「きみたちも居たのか?試合、お疲れ様。どうだ、ウチの設備イイだろう?」


この先生、見た目凄いインテリっぽいくせに、会話のポイントポイントで、妙に自慢を挟む癖があるなぁ・・・・


「おや、そちらは地御前くんだったな?どうかしたのかね?」


困惑気味で落ち着かない地御前の様子を見て黒木先生が声をかけると


「身体中がこんなになってて・・・」


と上半身一面の青痣を示して訴える。


黒木先生は感心した様子で


「梶川くんとの激闘の痕跡だね。大したものだ、それだけやり合った証明だな」


「・・・・僕、全部外したつもりだったのに・・・・あの、おじさ・・・梶川さん、こんなに当ててたんですね?」


はぁ!?

お前、何言ってんだ??


あら、黒木先生も驚き過ぎたのか眼鏡がズリ落ちて呆然としてますな。


少し間が開いてのち、黒木先生は大爆笑!


「あはは!!いや、立派立派、大したものだ!薙沢県国教大附属国際高校ボクシングチーム、今後しっかりとマークさせてもらうよ。頑張りなさい!」


黒木先生が愉快そうにシャワールームから出て行った入れ違いに井口と宮内がシャワールームに現れて、


「あれ、唐河中央の先生でしょ、何か話したの?」


宮内が訪ねて来たので、事の顛末を2人に説明した時、その呆れ返った視線が地御前に向けられたのは言うまでもないのでした。

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