39話:いろいろありまして
第二王子リギルとの、婚約破棄のやり直し。
……というか、婚約は既に破棄されている。我が家が有責で。ゆえに父親は多額のお詫び金や違約金を王家に一度は支払っている。でもこれは全額返還された上に、婚約契約書に書かれていた以上のお詫び金と違約金が、王家から我が家へ支払われることになった。
この話し合いも粛々と行われる。
そうしている間にもエリダヌスの貴重な休暇は終わり、彼は通常通り、王立騎士団ルミナスの団長として勤務に復帰した。
そして第二王子リギルとヒロインのラーンは破局し、今度は二人の間で裁判が始まった。ラーンがリギルをそそのかしたということで、こちら泥沼裁判。長引きそうだったが、間違いなく、ラーンが負ける。ラーンの負けを最初から、国王が決めているのだから。それにラーンの両親であるイングリス男爵夫妻も、本当は王家相手に裁判なんて、したくないはず。息巻いているのは……ヒロインであるラーンだけだろう。
その一方で、ロメダの身請けは無事完了し、現在子爵家の屋敷に引っ越して、婚約式の準備に追われていた。兄のジンはそのまま王都に残り、再び我が公爵家で働くことになった。地方領の領主クリソンも、さすがに王都で起きたことを分かっている。ジンを呼び戻すことはない。むしろ何かお咎めが来るのではないかと、戦々恐々していることだろう。
ちなみにジンを脅した罪についても、リギルとラーンを提訴している。こちらの裁判は、我が家で費用を支援して行われている。あの弁護士チームも協力してくれていた。
彫刻家のラスペルバとセフィナもまた婚約が決まった。
だがこちらは年齢も年齢なので、婚約式などを大々的にすることなく、婚姻届けを早々に提出している。追ってこぢんまりと結婚式を挙げるとのこと。私にもぜひ来て欲しいと、言ってもらえた。
ラサとラナは変わらず、娼館で逞しく働いている。結局、エリダヌスともマルシクとも私が何もないと分かると……。
「あの二人、お嬢様のお手付きではなかったのね! それならいっぱいサービスするから、娼館に来るように言って!」
そんなことを二人して言っている。
熱烈なアピールを受けるマルシクは……。
髪を元のダークブロンドに戻し、いつもの装備で私の護衛に、変わらずついてくれている。
こうしてなんとかいろいろ落ち着き、前世日本と違い、梅雨とは無縁で、ベストシーズンの6月を迎える。
私は久しぶりで、エリダヌスに連絡をとることにした。
二つの約束を果たすために。
そう。
一つは卵で汚れてしまったマントの新調。
もう一つはとにかくエリダヌスの何かの願いを叶えるために。














