34話:まさかここでサプライズ……!?
第二回目の裁判。
いよいよ証人尋問で、ラスペルバが登場となるのだが……。
もうその姿を見てビックリ!
だってラスペルバ、別人!
ぼうぼうの髭は全部剃り、髪も短くさっぱり、服もきちんと濃紺のスーツを着ると……。
なんだかダンディな紳士になっていた。
白髪も明るいブラウンで染めることで、若返りしている!
これもセフィナの愛の賜物かと思うと、感慨深い。
愛の力で人はここまで変わるのね!……と。
こうしてこの日はパリッとしたラスペルバ、銀髪の長髪に変装しているエリダヌス、裁判所までは変装したマルシク、従者に変装した私の四人で、邸宅を出発した。この変装により、私の居場所はバレておらず、メディアに追われることも、ヒロインであるラーンから狙われることもない。
そしてついに開廷だ。
「では証人尋問を」
裁判長の言葉と共に、ラスペルバが証言を行う。
第二王子リギルとヒロインであるラーンのあの会話を、聞いたまま伝えてもらったのだ。以下の通りに。
リギルがまず問い掛ける。「ラーン、本当にそこまでやる必要があるのか?」と。対するラーンの答えは「ええ、必要よ。相手は公爵家。娘が婚約破棄されたとなったら、正統な理由がない限り、噛みついて来るでしょう。向こうが一切抵抗できない事由を、用意しなきゃダメなのよ」だった。これに対し、リギルは同意を示す。そしてラーンは自身の本性を露わにしたこの言葉を放つ。
「それに本当に轢かれるつもりはないわ。わざと飛び出して、直前でちゃんと避けるから、問題なし。御者は買収済みで、私が飛び出すことも話している。ちゃんと避けてくれるわ。それに馬車にメリディアナ以外が同乗していても、その証言は主や身内を庇うものと見なされるはず。私を信じて、リギル殿下!」
ラスペルバの証言を聞いていたリギルとラーンは、サーッと顔を青ざめさせている。だってラスペルバは記憶力が完璧で、二人の会話としか思えない再現度なのだ。これを傍聴していた人々は、確信したはず。「あ、この二人、この会話を本当にしたのだろう」と。
だがリギルとラーンの弁護士は頑張っている。
「そちらの画家の方、調べたところ、ご自身のアトリエに引きこもっているような状態。倒錯的に同じような作品ばかり作り、それでいて自身の作品を販売しようとしない。思考に難ありと思われます。そのような人物の証言に、信ぴょう性があるのでしょうか?」
そんな難癖をと思ったが、裁判長は……。
「証人が一人だけでは、確かに証拠として弱くも感じますね。追加で証人を尋問する予定はないですか?」
すると我が弁護士チームは「あります!」と即答した。
これには私が「!?」と驚くことになる。
だって。
証人尋問はラスペルバだけと言っていたからだ。
まさかここでサプライズ……!?


















