黒猫は何故か師匠に泣かれました
こんにちこんばんは。
なんとか更新を続けることのできそうな仁科紫です。
はい。今回は塔の上から地上へと帰ったチェシャのその後の行動(若干説明回)ですよー。
それでは、良き暇つぶしを。
あの後、私はゆっくりと、でも少し急いで装飾を切り落としながら降りていったわ。
…紐なしバンジーはしたくなかったんだもの。うぅ。飛び降りてしまったら、きっと現実では骨がボッキボキになっていたわね。
あっ。でも、一回くらいなら試すのもアリだったかもしれないわ。街中でHPはイベントでも起こらない限り、減ることはないのだし、現実では出来ないことなのだし!
一度くらい試しても…800メートルの高さを紐なしバンジー…いえ、やっぱりなしね。ちょっと、途中で人様にはお見せできないようなことになってそうだもの。うん。無理はしない方が賢明よね。そうよね。うんうん。
降りてからは時間がちょうど良かったのもあって、ログアウトしたのよ。夕食も食べたかったしね。
それで、諸々を済ませてログインして現在に至るのだけど…。
これからどうしようかしら?とりあえず、証拠は揃ったのよね。
うん。やっぱり、叩けば叩くほどホコリが出てきたわ。あ、それと回収した書類は、インベントリに入れたら勝手に整理されていたわ。こういうことを考えると、インベントリって便利よねぇ。現実に欲しいわ。
さて。…とりあえず、リリーさん…お師匠?うーん。リリー師匠でいっか。本人はそれっぽくないけど…。立場的にはあってるものね。本人には内緒よ?調子に乗って『はいっ!私がチェシャのお師匠ですよっ!』って言いふらしそうな予感がひしひしとするからね。
とにかく、リリー師匠のところに行ってみましょう。その後で、普段、領主がいるところを知ってたら教えてもらいましょうか。
やっぱり、調査するなら聴き込みも大事よね!
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「え?領主様ですか?うーん。知らないですね。」
「…にゃぁ。」
…はい。以上がリリー師匠に聞いた、領主さんってどんな人なの?という質問に対する回答でした…。
まあ、そうよねー。知らないわよねー。…知っていて欲しかったのだけど。過ぎたことは仕方がないわよね。うん。
さて、次はどうしようかしらね?
「お役に立てずすみません…。
あっ!でもですね?領主さんの居場所ならなんとなく分かりますよっ!」
「にゃっ!?」
えっ!本当に!?よっしゃ!
「え、ええ。本当ですけど…。もしかしてですけど、この前言っていたように、殴り込みにいくんですか?あはは…なーんて、冗談d…」
「にゃ!にゃーにゃっにゃぁ!」
あら?大正解よ。うーん。やっぱり、反対されるかしらね?前も反対だーっていう雰囲気で話していたし…。
でも、そんなに心配されるようなことではないと思うのよ。王様とアリシアさんからは許可を貰ったし、何より私が本当に死ぬことは無いんだもの。それはリリー師匠も知っているはずなのだけど…。あれ?知ってたっけ?…まあ、良いわ。仮に知っていたとして、理解出来ても受け入れられないって言うやつかしら?
心配なのは分からなくはないけれど、やっぱり…少しでも師匠であるリリー師匠に辛い思いなんてさせたくないじゃない?
「大正解!じゃ、ありませんよっ!確かに暮らしは厳しいですが、それでも生きていけるんです!
弟子にそんな危険な真似はさせれませんっ!」
「にゃっにゃ!」
「…どうしてもですか?そんなに重要なんですか?
領主様は確かに少しばかり憎いですけど、チェシャがしなければならないことではないはずです。
うぅ。どうして、そこまでチェシャが動こうとするんですか…?」
「…にゃぁ。」
…え?な、何でリリー師匠が泣いているの!?リリー師匠は悪くないのに…。泣かなくていいのに…。なんで、泣いちゃうのよ…。私まで悲しくなっちゃうじゃない。
…私が泣かせてしまったのよね。いえ。とにかく落ち着きましょう。私が落ち込んでこの場を解決出来るわけではないもの。気持ちを切り替えて…。
うん。よし。しっかり、話し合おう。余りにも誤魔化しすぎて、話さなさすぎて、今、この状況があるんだもの。思えば、私からすると数時間しかリリー師匠とは一緒に過ごしていないのよね。それなのに、相手に頼りきりで、勝手に理解してくれると思っていたわ。…弟子失格ね。
もっといろいろお話をしましょう。リリー師匠とも、この世界で出会った人々とも。そうすれば、もっと信頼関係を築けるし、もっと面白楽しく過ごせるわ。この世界で遊ぶようになってからまだ数日。少し、先を急ぎすぎていたみたい。
結局、私も追い越されないように先を急ぐプレイヤーの1人でしかなかったのね。クスクス。バカみたいね。私。ゲームだもの。私が楽しく、自分の思う場所に思うままに過ごせばいいんだわ。
クエストだって、いつまでという期限は特にないようだもの。ゆっくりいけばいいじゃない。
とりあえず、今はリリー師匠を泣き止ませるのが先ね。
「にゃっにゃっにゃ?にゃぁにゃにゃ。にゃにゃ。」
「うぅ。チェシャぁ、死なないでぇえええ…。」
あっ。ダメだこれ。泣き止まないわね。
うーん。どうしたものかしらね?困ったわ。
…ここは、普通に話してみる?テイルくんのときもそれで泣き止んでくれたし。意外と有効な気がするのよね。
「ねぇ。落ち着いて?私が悪かったわ。説明するから泣き止んで、ね?」
「…うん。え?え?えええええ!?
チェシャが、チェシャがしゃべったあああああああああぁぁぁ!?」
うーん。過去一で一番困惑されたのではないかしら。
「えっ。な、なんで今まで話さなかったの!?それよりも、話せたの!?えっ!?ええっ!?」
「に゛ゃぁあ゛あ゛」
か、肩持って、ふ、振り回さないでぇー。ガクガクしないでぇー!
め、目が、まわるぅう。
「…あっ。ご、ごめんなさいっ!…大丈夫ですか?」
「うっぐ。ま、まあ大丈夫よ…。まだフラフラするけどね…。」
はぁ、ここまで慌てるとは思わなかったわ。うん。慣れないことはするものではないわよね。
「それで、ちゃんと話してもらってもいいですか?」
「にゃぁ。」
「いえ、言葉で。」
あー…。やっぱり、そうなるわよね。
そりゃぁ、ちゃんと話した方が伝わりやすいわよね…。迷惑かけたのはコチラだし、言葉で話しましょうか。
「はいはい。これでいいのでしょう?」
「本当に、猫がしゃべった…。」
「あら。猫だって話すわよ?」
どうしてこんなに愕然とした表情をしているのかしらね?
この世界にはアニマル種も居るでしょうし…あら?もしかして、動物種だと思って弟子にしたとかかしら。
「普通の猫は話しませんよ。いくら迷い人でもアニマル種だとは思わなかったです…。」
「あら。その言い方だと、まるでアニマル種に普通の猫は居ないかのような言い方ね?」
「居ませんよっ!居たら大変なことがおきますもん。」
…え?居たら大変なことがおこるの?
何が起こるのかしらね?…コワイナー。
「大変なことって何かしら?」
「えっと、そもそもアニマル種と動物種の違いはですね?言葉を話せるか、ということもあるのですが、それ以上に通常の動物とは見た目が違うものが多いんです。
例えば、角が生えていたり、翼が生えていたり、魔法が使えた…あ、あー!そうです!そういえば、チェシャは魔力が使えるじゃないですかっ!
どうして気が付かなかったのでしょうか…。」
あ、落ち込んでる…。ではなくて、大変なこととは何かしら?それが聞きたかったはずなのだけどね…。うーん。リリー師匠は難しいわね。
「えーっと、話を続けてもらってもいいかしら?」
「あっ。私ったら、ダメですね…。
まあ、何かと変わった特色を持つのがアニマル種なんですよ。しかも、人類種より力を持っている個体が多いんです。
ですので、街中にアニマル種が居るとバレれば、街中はパニックになるでしょうね。
その関係上、アニマル種はあまり街中には居ません。居ても大抵擬態しているそうです。…まあ、何に擬態しているのかはさすがに知りませんけどね。」
ふむふむ。なるほどね。…あれ?今、アニマル種のプレイヤーが街中を跋扈しているのだけど…。…うん。まあ、気にしないでおきましょう。知らない方が幸せなこともあるわよね。うん。
…いずれ、街中を歩くときは擬態能力がいるようになるのかしらね?取得条件が気になるわね。ちょっと、楽しみかもしれないわね。
「…って、そんなことはどうでもいいんです!
それで、チェシャはどうしてまだ領主様を殴…切…成敗しに行こうとしていたんですかっ?危ないですよっ!」
あー…まだ、覚えていたのね。その話題。誤魔化せたと思ったのだけど。
「仕方がないわね。えーっとね。実はカクカクシカジカという訳だったのよ。」
「へー。なるほど。カクカクシカジカ…って、通じるわけないじゃないですかっ!真面目にしてくださいよ!」
あら。これって通じないのね。不便だわ。…通じたことないけどね。
「はいはい。実は…」
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〜数分後〜
「なるほど。つまり、チェシャ的に許せなくて、王族の方からも許可を得たから領主様を殴るのは正当な権利である、ということですか?」
うんうん。それで正しいわ。なんでも暴力で解決するのはいけないことだとは思うのだけどね?
でも、一発殴らないと気が済まないことだってあるじゃない?
「そういうことよ。だから、これから殴り込み…コホン。ちょっと、挨拶に行こうと思ってね?だから、領主の場所が知りたかったのよ。」
…あれ?なんか、リリー師匠が疲れた顔をしたと思ったら、急に吹っ切れたみたいね。
ん?なんだか、嫌な予感が…。ついて行くとか、言わないわよね?ね?
「…はぁ。それなら、私も行きますよ。というか、私が案内します。それでいいじゃないですか。
私はチェシャのお師匠なんですからっ!」
oh...。あ、うん。ハイ。やっぱりですか。そうですか。
リリーさん。ここは敢えてこう呼ぶけれども、リリーさん、貴女、師匠だからって頑張らなくてもいいのよ…。
次回、明かされる、見習いの理由。
チェシャ「…あら?そんな内容だったかしら?」
本文には書いていないですね。
次回を読めば、なんとなーくわかると思いますよ。
それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。




