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第13話

ある日、我らは迷子と出会った。それは黒髪の幼女。子供ながら大人びた風格をもっており、その黒髪はノアを想像させる。

いや、ノアなど居ない。そんなものだの元から居なかった。


そんな事は忘れてた目の前の幼女に集中する。彼女は子供とは見えない凛とした表情、だけれど何かを探しているようなほど、挙動不審に辺りを見渡す姿。

我ら紳士の会は彼女を迷子認定し、親の元に行くと決意した。


幼女に声が聞こえる程度の距離の物陰に隠れ、一人ずつ話しかけるとしよう。

集団で囲むと幼女を怖がらせてしまうからである。


「えへへへ......お嬢ちゃん一人?」


まずはお調子者のジャックが先頭だ。その巧みな話術は人を引き寄せる。男限定で。


「変質者だ!捕らえろ!」


「へっ?」


「ロリコンめ!」


そう言われ、ジャックは何処からかやって来た兵士二人によって捕まえられた。


「畜生ぅうううう!!」


「「「「......」」」」


そして、俺たちは連れ去られていくジャックの後ろ姿に無言で敬礼するのだった。

たとえ、自らの命を捨ててでも幼女を救う。それが俺達、紳士だ。


続いてはケイロン。彼は細身のイケメン。だれしもに好かれる彼が幼女に好かれない訳が無い。


「やぁ!君、迷子?僕がお母さん探すの手伝って上げようか?」


「......」


それは完璧な笑顔だった。しかし幼女は無表情だ。


「ちょっと!ケイ!何、幼女を口説こうとしてるのよっ!!ちょっとこっちに来なさい!!」


ケイロンの事を愛称で呼ぶ者、女性の声だ。それはケイロンの妻であるジェシカ。


「誤解だァ〜〜!!」


「そう言って、アナタはまた私に嘘をつくのね!このケダモノ!淫獣!」


「待ってくれぇえええええええ!!」


そう、ケイロンは結婚していたにも関わらず、ロリコンで、妻に尻に敷かれているのであった。

それにも一同が敬礼をする。


「じゃあ、俺が行きます。」


「初陣、頑張れよ」


「はい!」


俺は覚悟を決めた。同士に応援され、前に出る。

俺は次、3番目に幼女を救うため、立ち上がった。

そして幼女の顔を近距離でまじまじと見る。


「……」


それは顔は凄まじくと整っており、童顔。まるでお人形のような顔。

ふんわりとした肩まで伸びる美しく綺麗な黒髪は太陽の光を少し反射し、煌びやかだ。

幼女らしい小さく可愛らしい鼻とふっくらとした唇。あどけない顔がとてもキュートで目線が自然と彼女の方へ向く。


「ねぇ。お嬢ちゃん困ってる?迷子?」


「お兄ちゃんっ!私と〇〇〇〇して△△△△しよ!!私、お兄ちゃんの事、だーい好きっ!だから……ね?」


そう言って幼女は俺へと抱き着く。

可愛い純粋な幼女?いや、穢れきった化け物だった。脳みそが腐りきっている。これ世に言う……


「ロリババア?」


「ロリババアちゃうもんっ!ちょっとお兄ちゃんより数百年か数千年、歳が離れているだけだもんっ!!」


「おまっ!?それはただの化け物だっ!!」


「ありがとう。お兄ちゃんっ!お兄ちゃんの罵倒なら、私。興奮するのぉ!ふへへへ......」


その瞬間、俺は脳裏によぎる。もしかしなくても……


「くッ!貴様っ!ノアか!?」


「誰のこと?知らない〜〜」


「騙されんぞっ!空間を司るモノよ。我が願い聞き入れよ。我を移動させよ〈ミニマムテレポート〉」


ノアが白々しい言葉を放った瞬間、俺はお得意の転移魔法で仲間である紳士の会の皆の所へ移動した。


「アイツは危険だっ!逃げろ。」


「…ギルティ」


俺は皆を逃がそうとしたのだが仲間の一人にそう言われる。その後、他の紳士の会の仲間が……


「性犯罪者めっ!」


「イエスッ!ロリータ!ノーッ!タッチ!」


「このロリペド野郎っ!」


「幼気な幼女を穢すとは何事だっ!!」


「……お前を追放する。」


「「「「つーいっほーうっ!つーいっほーうっ!」」」」


そう、皆に責められて、追放コールをされるが俺諦めない。説得を試みる。


「あれはっ……脳みそが腐れきった……ロリババアじゃぁあああああああ!!」


そう俺は叫んだのだ。


「ロリがロリババアでも関係ねえっ!!ロリに俺は抱き着かれたい!!」


「あれは、正真正銘のロリだっ!!ふざけんじゃねえ!!」


「黙れ!性犯罪者!!」


「死ねや、おらぁああ!!」


「ロリはロリに変わらん!!」


そして、俺は紳士の会の仲間だったはずの皆から反感を買い、更に責められる。


「殺ぉせ!殺ぉせ!」


誰かが一人、言い始めた。するとそれは皆が口を揃えて言い出す。


「「「「殺ぉせ!殺ぉせ!」」」」


そしてまた一人、また一人その言葉を言う。ある者はナイフを。また別のあるものは槍。はたまたボウガンまで持ち出す者がいた。


「ひぃ……」


俺は恐怖を味わう。昨日まで仲間と思っていた者が俺に明らかな殺意を持って刃物を向ける。

俺は思わず怯む。モンスターとは戦った事があっても、人は無い。

そして俺は……逃げてしまったのだ。


「おいコラっ!待て!」


「逃がさんっ!」


「ロリが抱きついた所を俺に抱きつかせろ!!」


「殺すっ!」


「死ねやっ!オラァあああ!!」


「うわっ!!」


俺は仲間だと思っていた者が敵だという事にここでやっと納得した。出会った始めの頃、あんなにも俺を慰めくれたはずのアイツらは消えたのだ。


しかし、俺の残された道は一つしかない。逃げ切る事だ。

殺しにかかってきたアイツらを殺してしまうのなら簡単に終わる。しかし、それはダメだと俺の身体に警告音が鳴り響いたような寒気が来る。それは俺が日本であまり、殺しというモノをあまり知らずに生きてきたせいであると、俺は自分自身で分かっている。


「はぁ……!はぁ……!」


俺は必死で逃げた。しかしアイツらは撒けない。俺の最近取った低レベルのスキルでは通用せず、見つかり、追いかけられる。

そして俺は隠れられそうな所を探すがそれはどこも人がおり、捜索願が出ている俺はどこもアウトだ。


「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」


息切れが激しくなっていくが、俺は走り続ける。

俺にはまだ転移魔法という名の切り札がある。だからまだ逃げ切れる。死ぬ訳にはいかないんだ。


そして、俺は街の中にある川の地点まで辿り着いた。しかし人が多い。これでは捜索願をかけられた俺はすぐさま見つかり、あの屋敷に……。そんなことはあってたまるか。俺は急いで探せそうなところを探す。


「下水道……!空間を司るモノよ。我が願い聞き入れよ。我を移動させよ〈ミニマムテレポート〉」


川の近くに水を放流している穴。下水道である。絶対に人のいない場所だ。俺はすぐさま転移魔法で行方をくらます。


「よし。……臭い。」


俺は下水道に入った。もちろんの通り、そこは臭く人がいるようなところでは無い。しかしそれを俺は耐えて前に進む。


「ぬぐ……」


俺は必死に耐え、前に進んだ。



__________________





どれほど歩いた頃だろうか。俺は必死に前に進んでいた。そして直線だった下水道の途中にドアがあったのだ。


俺はそのドアをノックした。すると小さくドアが開く。気密性が高いのであろう、こちらの空気が吸い込まれる。


そこにはボサボサとした長い白髪とボロボロの汚れたローブ、しわくちゃの顔の老人。それは何かの仙人のような佇まい。と言うか思い描いた仙人そのものだった。


「……何か用か?」


そう、死にそうな声で喋った。


「えっと……おれを匿って下さい。」


「ほぉ……ゴホッ!……すまんな。……入れ」


そう言って、ドアを大きく開け、俺を招き入れた。中はモワッと青臭い草の臭いが広がる。

奥に入ると老人が肌色の陶器で水を呑んでいる。


「すまん。ここに人が来るのが珍しくてな。喉の渇きを忘れていたようだ。君はそこの椅子に座っていい」


「……喉の渇きを忘れる?」


下手したら餓死になりかけていたのでは?と考えつつ、言われた椅子に座る。


「安心するまでここに居ればよい。何があったかは詳しく問わんが、不安事が有れば相談せい。」


「ありがとうございます。」


「儂もそんな事が昔あったのう。若気の至りというものじゃ」


そう言って老人はベットに腰掛ける。

周りを見渡すと心地の良さそうな狭さの部屋で先ほど入ったドアとは違うドアが向かい側にある。

最初に入ってきたドアから見て右奥がベット、右手前は今座っている一人分の椅子とテーブル。左奥は本の山が直置きして積み上げっており、床には何かの研究の成果のような紙が散らばる。

左手前には大量の何かの素材であると思われる色鮮やかな花や草が紙に包まれたり、紐できびられて保存されている。


そして俺はこの老人の正体が気になった。


「あの、ここでアナタは……」


「儂の事か?儂はただの知恵のあるジジイと思って構わん。ワシはソロモン。ソロモンと呼べ。」


ソロモン。聞いたことのある名前だ。


「ソロモン王?」


「何故、知っておるっ!」


ベットに腰掛けていた老人、ソロモンは驚いた様子で急に立ち上がり、トウヤの肩を掴んだ。


「えっと、英雄として本に書かれていました。」


「儂がしてきたことが本へと?」


「はい。かなり昔のことだったそうです。」


「それでどうじゃ!?わしがしてきたことは!?」


「はい。人並みを外れた凄まじい知識を持っており、素晴らしい政治家とも言われる人物で悪魔や精霊を使役する偉大な魔法使いと言われていたと書かれていたはずだと思います。それはマーリンに並ぶ程だとも。」


「ほほほうっ!!なんと素晴らしい……。所でマーリンとやらはなんだ?」


「それはですね……」


そう、俺はソロモン王に言われるがまま、説明していくのであった。



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