朝陽の秘めた想い、は
昨日、話したばっかりだけど、今日もいいのかな? お母さんと翔の生活邪魔してないかな?
もうこのまま連絡くれなくなったら、どうしよう。
通信が途絶えた後、いつも真っ黒なモニタに映る自分の泣きそうな顔。
「俺は会って話すだけで満足だったし、身のまわりがキレイなことで安心してるだけ。でも、そんなんじゃ、ダメだ」
はっと、翔の方を見る。
「ダメ? 私?」
「違う、俺がダメだって。亜紀さんと、高坂さんがもっと深く重く考えろって。離れてても、朝陽が、俺や母さんの事なんでわかるのか。同じ時間しか共有してないのに」
高坂さんは、私にも考えなさいと言っていた。
翔にも、亜紀に言付けてたんだ。
「朝陽は寂しさを必死さで抑えてるんだって。いつも言えないから、それを察してくれそうなひとに惹かれるんだって」
「そんなの、恋愛にならないよ? 察して欲しいだけじゃ、成り立たない」
「だね。惹かれてるだけじゃ、恋愛にならない。これまで、自分とはそうならない相手ばかりだよね、朝陽。だから、言えなかったんだよ」
自分とは、絶対、恋愛にならないひとを想う。
秘めた恋、誰にも言えない恋、それも片思いだ。
人知れず、終わらせることができる。
これが、翔とお母さんに言えない、キズ。
想いは誰にも知れずに終わった。
だから、翔とお母さんに、何もなかったように話すことができた。
「朝陽が、母さんに言えるような好きな奴は、きっと、自分も想ってもらえる奴なんだろう、ね」




