表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつかの恋を待ってる  作者: かようこ
PR
17/56

もらったアクセサリーの行方 翔

 翔には、恋の話しをしていたつもりなのに。(他人のだけど)


 ふたりで、微笑むところだったと思ったのに。


 お互い、どうも視点が違ってようだ。


 モニタの中には、肘をついて、上目づかいで私を見る翔と、コツコツと指先で何かを叩く音。

「で、そのピアスと指輪、どうしたの」


「え、と、これよ。綺麗でしょ、翔が好きそうな薄いブルー」 

 と、手のひらに置いて、モニタの前に差し出して見せる。

 すると、翔は、とたんに口元をへの字にして眉をしかめた。


「どうするんだよ、それ」


 手のひらで転がして、首をかしげる。

「翔、いる? ピアスするつもりないし、サイズの合わない指輪なんてね。お役御免で手放したんだと思うし、嫌がらせ感もあるのよ。おまけに、いい値段もする」


 彼は、唇を尖らせて横を向いた。

「いらん! ナニ言ってんの? いるかよ、そんなん」

「ん、ん……だよね」


 強い口調に対して、小さい声で返事した私を翔は、ちらっと横目で見てから、顔を画面に戻して、

「そもそも、そんな簡単に、男からアクセサリ貰うなよー……」

 翔は声をだんだん小さくして、肩の力を抜き、椅子の背にもたれた。


「は? いや、だって、これは勝手に押しつけられた物で、男の人から貰ったアクセサリって感じもないよ?」

「で、持て余してんだろ。使い道もないんなら、いっそ、捨てたら? あと売るとか、さ。結構、いいお金になるぜ、ソレ」


 顔がこわばった。

 〝捨てる〟〝売る〟それは、ない。


 ひとときでも、想いがあったことを知ってる物を私が。


 それを平気で口に出した翔に愕然とした。


 なにかを言いたい。

 けれど、翔を見つめたまま、唇は、結んでいく。


 一瞬、彼の瞳が揺れて、背筋が伸びた。

 薄いため息が聞こえて、翔はまた椅子の背にもたれた。

 そして、睨むように私を見据えて、

「いらんもん受け取った時、そういう方法で手放せる。それが、その物に対して残酷だと、できないのは、それに自分が想いがあるからだろ」


 こくんと喉が鳴った。

 そして、手のひらのブルーの石を見る。


 この石には、田辺さんの人知れずの想いがある。


 彼の想いを知って、心に残しておくのは私だけかもしれない。


 瀬戸さんは、目隠ししたままだから。


 モニタの中から、ちっと舌打ちが聞えた。

 視線を石から、翔に向ける。

「しょうがねーな。持ってるしかないんじゃ、どっか見えないとこに仕舞えば? そんなもん」

「うん、そうか。そうだね」


 彼は、さっきからずっと機嫌が悪くて、言葉遣いが荒い(態度も悪い)から、逆らわないような返事をしてしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ