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城のなかを進んでいると、さっきの馬車を引いていたおじさんは、いくつかの扉があるところに案内してくれた。

「さて、ここに来たわけですが、ここはこれからあなた方が暮らす部屋です。そうですね。まずは、そこのあなた、ここに。」

そう言って、私を見た。

「分かりました。」

近づくとそこには形状や大きさの違う扉があった。一つは、どこかのお城の扉を連想させる豪華できらびやかな扉。それに似たランクダウンする扉が二つ。それと、簡素だが、神聖で厳かな扉。そして木で作られた簡素な扉。なんだがそこから懐かしい気配がした。

「それではまず、あなたからこの五つから、好きな部屋を選んでください。尚、部屋を覗くのは無しです。」

「要は直感で選べと。」

「単刀直入に言うとそうなります。」

私は、扉を眺めていた。なんとなくだが、私は この木の扉がいいなと思った。何故なら、家の扉にそっくりだし、他の扉は、自分の感性に似合わないからだ。

「私はこの木の扉を選びます。」

「そうですか。あなたにとてもよく似合っていると思いますね。」

「全くその通りね。」

ビッチがナイスミドルの発言を私に対する貶しだと思っての発言だったのだろうが、私はナイスミドルが、素直に称賛しているのだろうと思った。彼の顔からは、私に対する蔑みの表情ではなく、優しく微笑んでいるだけだった。だから私は、

「ありがとうございます。」

素直にお礼を言った。ビッチは驚いて目を丸くしていた。

「サタン。」

「えっ?」

「私の名前です。」

「そうですか。これからよろしくお願いいたします。サタンさん。」

「はい。ユイ様」

どうやら私のことは既に知られているみたい。サタンの名前ぐらい私も聞いたことがある。そんなやつを執事にさせているのだ。怪物さん。あなたは、私を守るためにどのくらい努力をしたのかよく分かる。だから私も、あなたを守りたい。私なりの方法で。

そう思って私は扉を開いた。

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