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65.カトレアとダリア

見の程知らずにもハイエルフの女が率いる冒険者パーティが魔王ヒルダに挑み返り討ちになった


彼女はハイエルフの族長の娘であるミネルバの身体を手に入れ自分は討伐されたことを偽装することにしたようだ、その結果姉弟子であるカトレアに魔王の役目がまわって来た、弥生様がアシュノット様の研究を完成させ吸血鬼の真祖として永遠の命を授けられたカトレアに相応しい役目だろう


彼女が真祖になった時に私も神仙になり望みを叶えて頂いた、私もカトレアと同じく弥生様がアシュノット様の力を引き継いだ時にダリアと名前を授かっている


カトレアは160年前に勇者に勇者に討伐されたエルダーリッチの代わりにアシュノット様が魔王の誘惑に負けリッチになった後ほどなくして弟子になった、共に研究を重ねアシュノット様はエルダーリッチに進化しカトレアは老化を止める事までは研究を進めていた、その後「魔導国」を追放されたわたしも誘われて弟子に加わった


その後聖女カーリアと取引をして師の娘の魂を召喚し今に至っている、150年近くをかけて私達の悲願を叶えることが出来た、私達はこの恩義に報いなければならない


魔王カトレアとしての初めての大きな仕事がやって来た「法王国」が探りを入れてきた使徒が蘇らせた聖女候補と神殿騎士2名が審問官の影の部隊として送り込まれた、正式な就任に対する挨拶ではない捕らえた以上好きにして良いのにも関わらずカトレアは返してやるというのだ


相変わらず甘い対応だ、その甘さのせいで「魔導国」の八大貴族の当主争いに敗北したのだろう、手緩さが歯痒い、三人共新品だったのだ眷属にすればいいものを呪いをかけて和平を継続する手紙に使ってしまった、その呪いは良い趣味だと思うが使徒にしたうえで本神殿に報告に向かうと見せてひと暴れさせる方が面白いだろうと思うのは私が悪趣味なのだろうか


「魔導国」で八大貴族の当主を眷属にしたのも自分を追い出した実家をニブルヘイム殿や美咲殿から守るために若い当主を気に入ったといって実質的には保護している、その甘さが気がかりだ、弥生様がこの世界を手に入れる選択をした時に私達が両腕となって働かなくてはならないのだ、足を引っ張られてはたまらない




魔王ヒルダが「死んだふり」をして魔王の役目を弥生様に押し付けようとして来た、冒険者パーティの内三人の身柄を譲ってくれたが割に合うとは思えない、弥生様は私に魔王カトレアとして後始末を命じられた、弥生様には返しきれない恩義がある、立派に魔王役を演じて和平を継続させなくてはいけないだろう


押し付けられた3人の冒険者も使い道が無い使用済みでは眷属にも出来ない、レッサーバンパイアなど作る気にならないし弥生様からも控えるように言われている、ダリアに譲ることにした彼女は房中術の相手にして力を奪い最後には丹の原料ににて有効利用した


ダリアを魔王にすれば何をやりだすか分かったものでは無い、和平など気にせず魔王ヒルダの敵討ちを大義名分にして弥生様が育てている「法王国」の聖女や神殿騎士達を禁呪で縛り、新品を私の眷属に押し付け残りを冒険者の三人と同じく有効利用するだろう


その上で聖女イライザ様と勇者香織様を倒す戦いに巻き込まれる一人のところを弥生様と私達で襲えば勝算はあるが厳しい戦いになる、それも全ての工程を確実にクリアしていくことが前提だ、そんな危ない橋を弥生様に渡らせる訳にはいかない


万が一弥生様がそれを望んだとしても弥生様ならじっくり確実に成果を積み上げていくだろう、私達は手足として弥生様の指示に従えば良いのだ余計な事をして良いことなど何も無い


ダリアは「魔導国」でさえ危険な研究に手を出して追放された危険人物だ、私がしっかり手綱を握っておかなければいけない、それが出来るのは弥生様を除けば私しかいない、弥生様もそれがわかっているからだろう、ダリアを留守番役にして極力勝手な事をさせない様に気を配っておられる


当然、魔王に選んだのも私だ、吸血鬼の真祖である私の方が魔王をして聞こえが良いのもあるが、元々私を魔王にするしかないのだ弥生様自身が「法王国」で一定の影響力を持っているし、使徒になられたカーリア様に対しても恩義があるこちらから和平を反故にすることは出来ない


魔王ヒルダ討伐に味を占めたのだろう、二匹目のどじょうを狙って高位の冒険者が次々と鴨が葱を背負っやって来るダリアと二人で美味しく頂くことにしよう、魔王カトレアの名を高める事になる、カミラ殿も協力を誓ってくれている


今までの彼女の行動からみて完全な信頼は出来ないが寝首を搔くまでの度胸はないだろう「魔導国」の美咲殿の方が注意を払う必要がある、ダリアが手緩いとこぼしている「法王国」への対応も備えておかなければいけない、忙しくなるだろうが表舞台に出るのも悪くはない


やり過ぎは心配だが背中を預けるパートナーとしてダリア以上の者は存在しない、弥生様が暗黒神の力を持って私を魔王にして下さったのだが、その魔王カトレアですら前座でしかない、私を討伐できたとしても本当の魔王弥生様が控えているのだ


私を倒せたとしても消滅させることは困難だ弥生様が復活させて下さるだろう、死んで見せる事も私の役目ならやり遂げて見せよう、弥生様はもう師の娘「エア」様ではない、私の信仰する神になられている

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