61.ヒルダの森
ハイエルフの身体のままカミラ様と今後の相談をしていると世界樹の使いだというドライアード達がやって来た
「ヒルダ様、貴女の望む場所に世界樹の若木を植えるために参上しました、流石にダークエルフの森や魔王城は避けて頂きたいのですがそれ以外なら自由にヒルダ様の森を育てて頂いて構いません」
「それはハイエルフの後継者では無く新たに森を作って私の思い通りにして良いという事かしら?」
「その通りです、「魔導国」から解き放たれ、「暗黒神」の支配も受けず、「女神」を信仰する事のないヒルダ様であれば新たな世界樹の巫女に相応しい、いえ新たな世界樹の管理者として世界樹すら自らの力とされるでしょう、これからは私達三人もヒルダ様の僕です」
悪い話ではない、マチルダの身体の使っているとしてもハイエルフの反発もあり族長として自由にハイエルフ達を動かすことは難しいだろう
「私もヒルダ様の下でお仕え致します」
人質として押しかける様について来たセシルも私に従うと言いだした
「私の森を持てるならマチルダの身体と魂が人質みたいなものよ、族長たちも心配するでしょうハイエルフの森に帰って大丈夫よ、弥生様に連絡して聖女ユリア達に迎えに来てもらいます、無事に送り届けてくれるでしょう」
「お願いです側に置いてください、私はヒルダ様の様に強くなりたいのです、これまではマチルダ叔母様が憧れでしたが今ではヒルダ様が私の目標なのです」
マチルダの記憶から弟の娘を唆して死なせ、弟の人望を落とそうと企んだことが読みとれる、不憫な娘の様だ、マチルダの次は私に憧れるとは可哀そうに思えた、少しでもまともな師匠を紹介しやろう
「それなら弥生様を紹介しよう彼女の管理する神殿で鍛えて貰えばいいそこなら族長たちも安心できるだろう、近くに勇者香織が造った盆地がある、世界樹の若木を植える場所として相応しいだろう、私の森をそこから拡げていく、ドライアード達に現地を見て確認して貰おう」
「カミラ様ダークエルフの森をお願いします、私の森に飲みこまれない様に管理してください」
「ついにヒルダも独り立ちか、跡継ぎとしてカインを産み直して育てることにする、私達も魔王の重責から解放された、いい機会だろう」
カインの魂も回収した甲斐があったあの兄が今度は弟になる、今度はどの様に成長するのだろうか?
ドライアード達とセシルを連れ弥生さんの神殿に向かう身体は本来のダークエルフの身体に乗りかえた、畑としてはそのまま使えるとは思うが香織に農場を使う許可を貰う必要があるだろう、ハイエルフの身体で会いに行くと問題が起こるかも知れない
無事セシルを弥生様に引き合わせ、香織に畑を使う許可を貰った、アルラウネが居るため香織に案内してくれるた、私達が盆地に近づくとアルラウネ達が警戒しながら出迎えた、ドリアードを気にしている様だ周囲を巨大な蜂のモンスターが飛び回っている
「アンジュ、お客様よ、蜂たちを巣に返して頂戴」
香織がアルラウネに声をかけた、リーダーをテイムして名付けをしている様だ、蜂が盆地の中の方に帰っていった
「可愛いでしょ、曼殊沙華みたいな花が頭から咲いているからアンジュと名付けしたのよ」
香織がニコニコしながら紹介してくれた
「カオリママ・ヒルダママ、気に食わないの奴らをつれてこないで欲しいの、世界樹の匂いがするでち」
リーダーのアンジュだけが敵意をむき出しにしている、他の八人は興味深々といった様子でドリアード達を見ている
「一本だけ暗黒神の匂いを強く感じますね、どの様な育て方をしたのですか?」
ドリアード達もアンジュが気に入らないようだ
「カミラ様の血の影響でしょうね仲良くして貰いたい所ですがどうしましょうか?」
私が香織に相談すると
「すまないヒルダ、アンジュから連絡を受けた彼女は私が引き取ろう、アンジュ、おいでお前のために新しい森を迷宮に用意しよう」
いつの間にか背後に弥生様がいた、今までの弥生様から感じなかった気配を感じる、カミラ様の短剣から感じたものと同じだがその力の濃さが別物だった
「弥生様~♪」
アンジュと名付けられたアルラウネが弥生様の元にかけていった
凍り付いた様にドライアード達が動かない私も冷汗が出ていた、香織だけが平気な顔をしている
「お邪魔したわね後は好きにして大丈夫よ、残りの子たちはヒルダと香織の血だけしか与えていなかったわね、ドライアード達ともうまくやって行けるでしょう」
アンジュを抱きあげて転移で姿を消した
「ヒルダ様、彼女は危険です、この世界に放置して良い存在ではありません」
「大丈夫よ、カーリア様のスキルも複製されているから普段はしっかり力を封印されているわ、今のは挨拶でしょう」
忠告してくれたドライアードの言葉に香織が答えた
「カトレアさんをヒルダ姉さんの次の魔王にするときもあんな感じだったけど神殿であった時は平気だったでしょ?」
女神の加護が働いているからなのか、それとも香織が自力で「蟲毒壺」のスキルを獲得して魔王になる資格を持っているからなのか、香織はあの力の前でも平気だった
「ヒルダ様、急いで世界樹の若木を育てましょうこのままではアレに対抗できません」
ドライアード達が深刻な顔をしていた、私の森を育て私自身も成長しないといけない、弥生様とも、私がいまから育てる世界樹とも対等に付き合っていくために




