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41.勇者パーティ

一泊二日の里帰りが終わり、私は新たな故郷に戻ってきた

この里帰りが行われたのはカミラ様の願いを千秋様が叶えるためのものだった、「楽しいゲーム」で情報交換した結果、カミラ様が息子の魂がミネアさんの持つ短剣の中に残っている可能性が高くこれを回収するのが当初の目的だ


ミリアさんの協力が必要なため千秋様が里帰りすることに決まったのだが、先に魂を回収するためカミラ様の短剣を私を生んだお母さんに預けに行った時にミリアさんのお見合いの日程がわかり、私も誘われた、ミリアに会えるし見合い相手も見てみたい私は観光気分で参加した、もう一人何処でその情報を手に入れたのか坂本さんも同行したいと言う、彼女も故郷でやらなければならない事があるとの事だ、最終的に三人で出発することになった


三人共自分の目的を果たし満足して里帰りが終わった、この里帰りの移動手段はカミラ様のスキルが使われた、千秋様がそのスキルをコピーして使用できるため、不測の事態が有っても帰る手段がもう一つある、千秋様は置き去りにされることも警戒し本神殿に出入り口を設定されて出発され、故郷での出入り口を設定するという目的も果たした


カミラ様はカイン様の魂を宿してもう一度自分の子供として産むことを決心されている、ヒルダ姉さんの弟として誕生することになる、ややこしい関係だが私の弟でもある生まれてくるのが楽しみだ


魔王ヒルダの率いる魔王軍の陣営も固まって来た、和平も結ばれて千秋様はダークエルフに殺害された被害者の内から有望なのものを女神様がら頂いた霊薬で蘇えらせるために「法王国」に戻られた、この目的はカミラ様やヒルダ姉さんには秘密にするように言われているが薄々気づかれている様だ、復活を終える頃には使徒としての降臨出来る期限に近づくためこれで一旦お別れとなる、和平の更新の話し合いが予定されているためそう遅れる事は無いと思うが次に会えるのは早くて5年後になるだろう


これからは修行をしながら少しはスローライフを楽しんでもいいかと思っていたが甘かった、想像以上に忙しい、まず魔王軍と人間の国々の境界で牧場を作る仕事がある、私の子分でもあるスーザン達人狼の食料生産のため千秋様が捕まえてきたハイオークをテイムして「種豚」にした、彼の相手をして家畜を産んでもらうモンスターを集めなくてはいけない、ワイルドボアというイノシシのモンスターを中心として100頭を集めた、女神様にスキルを貰う時にご馳走になったコカトリスの養鶏場とマンドレイクの農園も作りたい


同じく境界に迷宮ごと引っ越ししてきた坂本さんの神殿に居候しながら仕事を進めた、定期的に日本からドレスやアクセサリーの注文がカミラ様を通じてお母さんから届く、2人の母のため良い仕事をしたい、千秋様から頂いた素材も無くなり調達する仕事も加わった、里帰りでの交流や居候中の交流、一緒にドレスやアクセサリーを仕上げていく中でお互いを「香織ちゃん」「弥生さん」と呼ぶようになっていった

弥生さんの神殿は新たに使徒となった聖女カーリア様を祀る聖地となっている





千秋が日本に帰省するという情報を各地に放っている使い魔とゴーレムによって掴んだ意図的に発見させていおる使い魔やゴーレムに紛れた極小のゴーレスから確実に各地から情報が入ってくる、エルダーリッチの弟子だった2人が私の両腕として働いてくれている


彼女たちの力も大きい、2人とも私がエルダーリッチの魂を喰らったあとすぐに忠誠を誓ってくれた、私は彼女たちの望みを叶えることで忠誠に報いた、永遠の命と若さを望む彼女たちの適性に合わせ、1人を吸血鬼の真祖に、もう一人には神仙として新たな体を獲得するために研究成果を提供した、この研究はエルダーリッチから引き継ぎ私が完成させたものだ


真祖は吸血の必要も無く日の光の中でも活動できる、神仙はアーティファクトを依り代とするリッチに近く仙宝を依り代にする、違いは動かす肉体が骸骨ではなく人間の身体であることだ、丹という身体を維持する仙薬が必要だがこれの製作法も確立している


カーリアが私と共にエルダーリッチの魂を救済することを女神様が偉業と認めカーリアが使徒となった、千秋が本神殿で報告してくれた事により、私はさらに2人の忠実な信奉者を迎えることが出来た、エルダーリッチの魂の救済は魔王軍に籍を置くため私が創作したストーリーだが千秋はそれを採用してくれた


カミラやヒルダは信じていないだろうが、人間に達に対して魔王軍の戦力を誇示する必要があるため話を合わせてくれている様だ、魔王城の背後に私の迷宮が存在するのが気になるのだろう、勇者である香織と共に人間たちとの境界に緩衝地帯として私の迷宮を移転することを認めている


香織と協力して人間側に付かれるのも嫌だろうが、どうやら私より、娘や妹の関係でもある勇者の方が味方として信用できるようだ、確かに和平が続いている限り香織と戦う事は無いだろう、エルダーリッチからの確執も尾を引いていると見える


2人の信奉者とはカーリアがエルダーリッチと取引をして助けた勇者パーティの二人の子孫たちだ、カーリアが助けた2人は男性の戦士と女性の魔法使いで二人は恋人同士だった、勇者が倒れ聖女が犠牲になったことで助かった2人に周囲の目は冷たく厳しかった、裏切り者とまでは思われないものの、敗北者・逃亡者とみなすものは多く流石に直接言葉にするものは居ないが、その空気は伝わってくる


世間の目をから隠れ、逃げるようにひっそりと、傷を舐め合うように結婚して2人の血を残した、いつか汚名を拭い、名誉を挽回するのだと子孫たちは努力を重ねたが100年以上たってもその機会は巡ってこなかった、そんな彼らに聖女カーリア様がエルダーリッチの魂を救済し女神の使徒に加わったという知らせは一筋の希望だった


私は迷宮にやって来た姉弟にカーリアの思いを伝えた


2人の仲間の命を救ったことが彼女の誇りであることを

2人の存在がエルダーリッチから自分の心を守る支えであったことを

2人の子孫が彼らの思いや技を今も伝えていることは彼女の喜びに違いないと


「私は、聖女カーリア様の身体を借りているだけにすぎません、彼女の身体に相応しくないとあなた達が判断したらエルダーリッチの娘であるかもしれない私の魂から、聖女様の身体を取り戻して下さい」

私の言葉に返事は無かった、ただその時から姉弟にとってこの迷宮は聖女カーリア様を祀る神殿になったようだ、姉弟にとって聖女カーリアの身体を引き継いだ私は乾き傷ついた心を癒す泉だった、その水を飲むように私の為に働いてくれた、贖罪と考えているのかもしれない


その働きに報いるため私は姉弟を鍛えた、2人はカーリアの仲間だった二人の力を受け継いだ魔法戦士だった鍛錬の為のゴーレムを作りエルダーリッチがアンデッドの精鋭としていた冒険者や「魔導国」の勇者の持っていた剣技を伝え錬金術などの私の知る表の魔法を教えた、勇者である香織も共に技と力を磨いた


噂が広まったのか正式に聖女に選ばれたユリア様も神殿を訪れた護衛として女神の奇跡で蘇った者たちの内4人の神殿騎士や審問官の精鋭10名・魔法使い10名を引き連れて


護衛の質と量は和平を結んでいる状態であるが私を敵か味方か判断できないためでもあるのだろう、その疑念も私が鍛えている内に1年が過ぎ、そのころには敬意に変わっていた、私を師とよび尊敬してくれる、この変化に私のスキル「軍団」の効果も影響している上位の存在として指導や指揮を行う際にバフがかかる、指導の効果上げ効率的な連携を取れるよう仲間同士の団結や友情を深める、そして私に対する好意的な感情も育てることが出来る


香織と早太郎・ユリアに姉弟の二人を加えたパーティなら本当の魔王が戻ってきたとしても余裕で討伐できる、表向きの魔王ヒルダであればユリアと姉弟の三人でも十分だろう、少し鍛え過ぎたかもしれない、4年後の千秋の出番が無くなって会えなくなるのではないかと心配するくらいだ


そう言えば、カミラやヒルダは千秋が降臨している間に魔王の居所を探していた、2人からみれば不安要素だ使徒の支援が受けられる間に魔王を見つけ始末しかったのだろう、今魔王の居場所を教えてやったらどいう反応をするか見てみたい


最高のタイミングはいつだろうか?千秋も知らない情報だもう少し待ってみよう、何なら本神殿の最高司祭に教えてやってもいい、千秋の居ないうちにメインディッシュを平らげるのも楽しそうだ

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