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1.早太郎

 気が付いたら私は大理石の床の上に転がっていた、周囲は淡い光でてらされいるが5メートル程度しか見渡せず室内なのか野外なのかもわからない

 夢の中かとも思ったが今着ているているトレーナーや履いてるスニーカーには色がある、今まで生きてきた20年近くの間に明晰夢を見たことはなく覚えている夢も白黒のものしか無かった


 スッキリしない頭ので今まで事を思い出そうとしていると女性の声と犬の鳴き声が聞こえてきた、女性の声に聞き覚えはなかったが犬の鳴き声は私の飼っている『早太郎』だ、まるで会話をしているみたい聞こえる

 それを認識した途端に視界が視界が広がりその先にはギリシャ神話の女神みたいな衣装に包まれた金髪女性の姿があり早太郎は尻尾を振りながら女性の顔の見ながら鳴いていた

こちらから声をかけるべきか?と考えていると女性がこちらを向き話かけてきた


「目が覚めたみたいだね、君の愛犬とは先に話をさせてもらったよ『イヌカイ』さん!」

 私の名字『犬飼』だ、犬を飼い主だからてそんな言い回しをするとも思えない、戸惑っていると

「何故名前を知ってるか不思議かい?『ハヤタロウ』君から聞いたんだよ」

 笑いながら女性が続ける


「本人の意思は確認出来たんだけど、ご主人さまの許可が欲しいと言うんだよ!」

「君も問題ないよね?」


「問題も何も話しが分か 「そっか、最後の方しか聞いてないよね?」

「あっ、そうだった、そもそもそっちの世界に犬の言葉を正確に理解出来る人間はほとんどいないんだよね?」

 私の言葉に被せて更に話が続く


「気を悪くしないでおくれよ、今から簡単に説明するからさ」

「君の愛犬の魂が欲しいんだ!」

「勇敢な魂を探していてね、そんな時に車に轢かれそうになった少女を助けるハヤタロウ君をみつけたんだ」

「少女が傷つかないように優しく体当たりして車の進路から逃がして身代わりになろうとしてたんだ、そのまま英雄として死んでくれたら話は早かったんだけどっ・・・失礼、言い方が悪かったね、謝罪するよ」

「そのあと君は 跳ね飛ばされて後続車に轢かれそうなハヤタロウ君をダイビングキャッチして自分が代わりにはねられながら助けたんだ、まったく余計なこ・・・済まない、つい本音がっ・・・」

そこまで話してようやく話が止まり女性は気まずそうに眼をそらした


私の話すターンが来た

「ようやく頭もスッキリしてきた、怒りも限度を超えると逆に冷静なるみたいね!」

「あれでしょ、異世界転生ってやつよね? お断りよ! 今すく私たちを元の世界に返しなさい!」

女性に怒りをぶつける


「待っておくれよ、冷静になんかなってないじゃないか、本当に悪かった、頭も下げる、何なら土下座をしてやってもいい」

そう言いながら頭を軽く下げた


「し・て・やっ・て・も・い・い? 馬鹿にしてるでしょ!」

「取り合えず土下座を さ・せ・て・あ・げ・る 話はそれからよ!」

私が返すと無言でピクピクと震えながら歯ぎしりをしている


(さすがに調子に乗って追い詰めすぎるた?私の少ない異世界物の知識でも相手が『女神』だと予想できた)

「仕方ないわね、頭をあげていいわ、話を聞いてあげる」

「立ち話もなんだし出来れば座って話が出来る様にしてくれないかしら、女神様なら簡単でしょ?」


「良いとも、飲み物だって用意しよう」

さっきまでの事が無かったみたいに明るい言葉が返ってきた、そのあとすぐ景色がファミレスの店内に変わった

「好きな飲み物を取ってくればいい、何なら料理を注文したっていいぞ、私の奢りだ」


「ん、期待に沿えなかったかい? 君が一番落ち着ける場所を用意したつもりなんだが」

「不満なら英国風の庭とアフターヌーンティーに変えようか? カラオケボックスでもいい、なんなら和風の茶室も可能だ」


「いえここが良いわ、驚いてしまっただけ」

返事をしてドリンクバーに行きストレートティーを入れ戻ってくるとテーブルの上に料理が並んでいる、私がテーブルに座ると女神が話を再開した

「さすがアスリートこんなところに来てもカロリー制限かい?ここで幾ら食べようとカロリーはゼロなんだ、揚げ物だろうとスイーツだろうと気にせず食べればいいじゃないか」


(私の事をどこまで知ってるの?)

女神の言うように少年探偵アニメのヒロインに憧れ中学から始めた空手は大学に進学しても続けているアスリートと言っても良いだろう

「魂に脂肪が付くと大変そうで」

そう返すのがやっとだった

「そうかい、君にはささみとブロッコリーを蒸して提供しようじゃないか、魂にも筋肉をつけれて帰ればいい」

「こんな私でも自分だけ食事をするのは気が引けるんだよ」

私の動揺に気が付いているのか笑顔で言ってきた


「さて本題戻ろう、君の愛犬の魂を譲ってほしい」

「ハヤタロウ君はそちらの世界で子孫を残せていない事が不満だそうだ、こちらに来れば自由に恋が出来る、言い方は悪いがハーレムを作れる」

「こっちは危険な剣と魔法の世界だがハヤタロウ君には『フェンリル』の肉体を用意している、肉体は不老不死に近いが魔王との闘いで活躍してくれた結果魂の寿命が近づいていてねそろそろ休ませてやりたい」

「君にも謝礼を渡そう希望を言ってくれれば君の世界で役に立つスキルを用意するよ『異世界転生』って言葉が出て来るならその価値を理解できるだろう?」

「もちろん危険なスキルを渡すことは出来ないしスキルのレベルに制限はあるが、そうだね『身体強化』なんかをお勧めするよ君なら有効に使えるだろう?」

食事をしながらの交渉が始まる


(確かに早太郎にペアを見つけてあげられてない、魂を譲って異世界で生きる方が早太郎は幸せかもしれない・・・)

「魂を譲ったらそのあと早太郎はどうなるの?」

「今ハヤタロウ君は意識不明で動物病院で治療中だが、魂がこちらに来ればしばらくして亡くなることになる」

「ちなみに君の体も同様だ病院で寝ているよ、かすり傷があるぐらいで跡が残る心配はない、ここから帰れば目を覚ます、後遺症の心配もない」

「おっとそうだ、もう一つ謝罪しないといけない事があった、意識が無いのは私がこちらに招待したせいだ君の受け身は完璧だった」


「駄目よ、早太郎が死んだら有紗ちゃんが悲しむ」

しばらく悩んだ後私は答えた


「ハヤタロウ君が助けた少女のことかい?」

「それならハヤタロウ君とフェンリルの魂を交換するのはどうだい?」

「うちのフェンリルの魂をそちらのハヤタロウ君の体に入ればいい、魂の寿命が近いといっても負担の少ない秋田犬の体なら君の寿命以上生きるかもしれない、そっちで平和な余生をおくるのも悪くない」

 すぐに女神が別の提案をしてきた、女神の筋書き通りなのだろうニコニコしている


「ねえ、私も早太郎と一緒にそちらに行くことは出来ないの?」

「ほう、面白い提案をするじゃないか、それは魂の交換でってことだろ?」

「君の魂なら大歓迎さ!と言いたいところだが都合の良い体を持った魂がすぐに見つかるわけじゃない」

女神の楽しそうに返してきた

交渉の成立までもう一歩だと思っているようだ


結局早太郎の魂を異世界に残し私はフェンリルの魂を連れて帰ってきた

謝礼のスキルは要らないといったが早太郎と別れの挨拶をする為とフェンリルと話せる様に『言語』と『ビーストテイマー』のスキル貰いそのままを持ち帰ることになった


「いっぱい子供をつくるんだ」

早太郎は異世界での出会いにワクワクしていた、もう少し私との別れを惜しんでくれてもいいはずだ、私が中学生になった時から一緒に暮らしてきたのに


「良い体と魂が見つかったら連絡するよ」

女神が別れ際に言ってきた、嫌な予感がするし腹が立ったが異世界に行って早太郎の子供を見たいとも思う


病院で目を覚ますと神戸から両親が来ていた

「良かった香織」

母が鳴いていた

「心配さやがって、柔道を辞めるからまともに受け身がとれなくなるんだ」

鳴きそうな顔で父が言ってきた、県警の偉いさんで柔道を続けてきた父は私が小学生まで習っていた柔道から空手に転向したことが未だに不満な様だ

心外だ女神も受け身は完璧だと言っていたしそもそも本当なら意識を失うこともなかった、女神への怒りがよみがえってきた


「良かった、意識が戻られたのですね心配しましたよ」

眼鏡をかけスーツを着た30代くらいの男性が父に声をかける

「なにが心配しましたよだ、お前が心配してるのな犯人の事だろう、診断書が出たらすぐ被害届を出すからな!」

「あなた、病院ですよ!」

父が怒りの声をあげ、母がなだめている

男性のスーツに弁護士バッチが見える、私をはねた車のドライバーか保険会社が依頼人なのだろう


「お父さん、落ち着いて!弁護士さん私の事故の件ですか?」

「香織、目を覚ましたばかりなんだから安静にしてなさい!話は父さんがする、二度と車の運転が出来ないようにしてやる!」

「静かにしてよ!お父さんが興奮するから私が安静に出来ないのよ!」

今度は私が怒鳴っていた


「話は私がします、仕事に私情は持ち込まないっていつも言ってるのはお父さんでしょ」

一度深呼吸をし、冷静に父に話しかけると渋々ながら黙ってくれた


「弁護士さん、あなたの依頼人は私をはねた車の関係者ですか?」

・・・

この後話がまとまり示談することになった、そもそも後続車はしっかり車間距離をとっておりブレーキもかけていた、スマホ運転をしながら早太郎をはねた前の車とは違う

証拠としてドライブレコーダーのデータを提供してもらえたし、前の車のドライバーは厳しく処分して欲しいと思う


私が目覚めた同じころ早太郎も目覚めていた、動物病院から母のスマホに連絡があった様だが病院内という事もあって電源を落としていた為気が付いたのはホテルに着いた後だっようだ


私と早太郎は翌日退院することとなり私が借りているマンションで再会となった早太郎は母が動物病院まで引き取りに行き連れてきてくれた、私の学生生活や両親の近況を話題にしながら二人で料理した夕食を食べた後ホテルに戻っていった、この後母は学生時代の友人と会う様だ、父も警視庁にいる学生時代からの友人に会いにいっているらしい夜は飲みにいくそうだ。


オートロック付きでペット可のマンションは壁も厚く安心して周囲に聞かれたくない話も出来る

早太郎(フェンリルの魂入り)との話だ


「フェンリルさんありがとう、有紗ちゃんを悲しませないで済んだわ」

「気にするな、ワシにとっても理の有る話だ不満は無い」

異世界での早太郎との会話と同様にこちらでもスキル『言語』の効果が有効で問題なく意思疎通が出来る


「良かったなんだけどフェンリルさんの名前を教えてもらえないかしら?早太郎と呼ぶのは失礼な気がするの」

「悪いがワシの名前を呼んでいいのは『名付け』をし共に魔王討伐を成し遂げた勇者とその仲間達だけじゃ、早太郎と呼んでくれて構わんよ」

「わかったわ、これからよろしくね」

「女神から『ビーストテイマー』のスキルを贈られていると聞いておる、契約をすれば『念話』で意思疎通が出来る、こそこそ話さなくても良いし離れていても『念話』は届く」

フェンリルさんの提案に同意し契約を済ませたそのあと今後の生活の打ち合わせを『念話』で行い今日の一日が終終わった

ちなみに早太郎の食事はドッグフードで大丈夫な様だ

「栄養バランスが良ければなんでも良い、魔力のこもっていない肉は臭いだけで喰う気がしない」

との事だった」

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