第五十四話「サエウム山脈の麓」
トリア暦三〇一三年、五月九日。
五月になり、ドクトゥス周辺の森は若葉の鮮やかな翡翠色から、濃い緑色に変わりつつある。
冬の間も順調に魔物狩りを続け、剣術士レベルは二十六に上がり、剣術スキルレベルは三十になっている。魔法の方は相変わらず風属性が一番高く、レベル三十だが、教授の助手をやっていることから、金属性が二十八と一気にレベルアップしている。
剣術のスキル向上が順調なのは、年明けの黒豹狩りで知り合った二級冒険者のジェラルドに稽古をつけてもらっていることが大きい。
雨や雪の日など、彼が魔物狩りに行かない時に稽古をつけてもらっているため、月に数回しかない。だが、ジェラルドは高レベル――レベル六十五――の剣術士であり、意外なことに人に教えるのがうまい。更に俺と同じバスタードソードを使っていることもあり、剣術スキルはいいペースで上がっていった。
そして先日、そのジェラルドから、十分に一人前であるとのお墨付きを貰った。
だが、スキルレベルは三十を超えると伸びにくくなるとのことで、これからが大事だとも言われている。もっとも、“普通レベル二十を超えると伸びにくくなるんだが”と言われていたが。
今日は初めて山に行く。
ここ数ヶ月、七級相当の魔物である食人鬼を狩り続けたため、俺とシャロンは昨日五級に上がった。
過保護気味のベアトリスも、五級に上がったこととジェラルドが認めるほどの腕になったため、サエウム山脈の麓に大量発生した兵隊蟻の討伐を許可してくれたのだ。
ソルジャーアントは六級相当の昆虫系の魔物だが、三十匹以上の群れは四級相当とされる。今回は群れの討伐として受けているので、四級の依頼ということになる。
ギルドではソルジャーアントの巣分けが行われていると考えているようで、女王蟻の移動の可能性が指摘されていた。
クイーンアントの移動時には、ソルジャーアントがより攻撃的になり、更に数百匹単位の移動となるため、周辺の魔物が山を下り、街道の被害が増える。
ギルドは被害を最小限に食い止めるため、特別報酬を加算することを決めた。これにより多くの冒険者がその依頼を受けていた。
今回この依頼を選んだのは、報酬がいいということもあるが、それ以外にも理由があった。
以前、巨大ムカデと戦った時、かなり苦戦した。だから、同じように外殻が硬く、熱に強そうなソルジャーアントで、リベンジを果たしたいと思ったのだ。
前回は空気の鎚で体を浮かせ、腹側に炎の矢などを叩き込んで攻撃したが、それでもかなり梃子摺った。今回はある作戦を考えている。
目的地までは徒歩で五時間程度。
ドクトゥスの街から西に五kmほど行き、そこから北上して森を抜け、山の麓に入った辺りになる。
往復十時間くらい掛かるため、今回は野営を行う予定だ。一応、安全な場所でリハーサルを済ませており、手順は判っている。
朝八時にギルドで依頼を受け、その足でアウレラ街道――西の商業都市アウレラと東の冒険者の街ペリクリトルを結ぶ街道――を西に進む。
比較的大規模な討伐であり、他の冒険者たちも同じように森に入っていく。今回は共同で受けたわけではないので、黒豹の時のジェラルドのようなリーダーはいない。
但し、敵の数が数だけにある程度、見知ったもの同士で固まっている。俺たちもベアトリスの知り合いのパーティと行動を共にしているのだが、俺とシャロンを見下している様子が目につく。
そのことにリディとベアトリスも気付いており、折をみて別行動にしようと決めていた。
森に入り、俺たちが休憩を取るというと、「体力のない子供はこれだからな」と露骨に嫌味を言ってきた。ベアトリスが何か言いそうだったので、彼女にちょうどいい機会だと合図をすると、おとなしく引き下がった。
彼らがいなくなると、リディがベアトリスに文句を言い始める。
「あれは何なのよ! あんな奴らなら最初から単独の方がよっぽど良かったじゃない!」
ベアトリスは済まなさそうに「すまん。だが、昔は気のいい奴らだったのだ」と言って頭を下げる。
「まあ、いいんじゃないか。言っちゃ悪いが、ジェラルドさんのパーティくらいの実力があるならともかく、あの程度の力なら足手纏いだ。しかし、あれで本当に四級なのか?」
俺たちと一緒に森に入った連中は最近、四級に上がったとのことだった。全員が二十代後半で、剣術士が二人に槍術士が二人、弓術士一人と治癒師の一人のパーティなのだが、少なくとも剣術士のレベルは俺と対して変わらない感じだった。
うちのパーティは三級のベアトリス、四級のリディ、五級の俺とシャロンだが、俺たちに比べれば、明らかに劣っている。
「十年間、コツコツ依頼をこなしていたからな。奴らでも七級相当の魔物なら、問題なく倒せるんだ。まあ、級って奴は数をこなせば上がるんだ。弱い魔物を相手にしていた分、レベルの方はあまり上がらなかったんだろうな。詳しくは聞いていないが、レベル三十に届くかどうかってところだね」
冒険者の級は依頼を達成した指標だ。
ベアトリスの言うとおり、数をこなせば級は上がる。特にここドクトゥスでは事後報告でも依頼達成になる特別ルールだから、低いレベルでも五級や四級になれる。これが他の街、例えば冒険者の街であるペリクリトルとかになると、四級に上がるには最低でも、レベル三十五くらいは必要になる。
「まあ、四級に上がって増長しているだけだろう。今回の依頼で痛い目に会えば、多少は考え直すはずだよ」
ベアトリスの目から見ても、彼らの能力は兵隊蟻狩りに参加できるレベルにはないようだ。
それを言ったら、俺も似たようなレベルだが、俺とシャロンには昆虫系に有効な火属性魔法が使えるため、俺たちの方が遥かに役に立つ。
午後一時過ぎ、ようやく森から抜け、大きな岩が転がるガレ場のような荒地に到着した。
森の中から昇り勾配になっていたので、厳密にはそこから山裾なのだろうが、感覚的にはここから見る風景の方が山という感じがする。
俺たちの前に広がっているのは、高さ数mほどの岩がゴロゴロと転がる草原で、今までよりかなりきつい勾配で山に向かっている。その先には険しいサエウム山脈の稜線が見え、俺は登山道に入る登山者のような気になっていた。
森を抜けると青空が広がっており、ちょっと遅めの昼食をとることにした。
シャロンが用意した弁当は、ベーコンを挟んだサンドイッチとスープだ。干し肉と乾燥させた野菜に塩と香辛料が準備されている。それぞれのカップに材料を入れて、魔法で水を出し、ペルチェ効果の魔法で温める。沸騰するくらいまで温めてから、クルトン代わりに乾燥させたパンを浸して完成する。
これは真冬の森で重宝した食べ物だ。初めてベアトリスに出した時、冒険者経験の長い彼女が、“森でこんな物が手軽に食べられるとはね”と半分感心し、半分呆れていた。
昼食を終え、俺たちは早速兵隊蟻を探し始めた。
「群れの移動跡を見つけられれば、簡単なんだが、それがなくても見つけられる……」
ベアトリスの説明では、集団で移動していれば、草をなぎ倒しているから、その跡を見つければ簡単に群れを追うことが出来る。ただ、それだとこの広い山裾で一本の線を見つけることになるから、運がよくないと見つからない。
もう一つの追跡方法は、ソルジャーアントの習性を利用する物だ。
ソルジャーアントには斥候役の蟻と兵士役の蟻がおり、斥候役は餌を見つけると、兵士役に伝えるため、巣や群れに戻っていく。その時、分泌物を出して目印にする。この分泌物を見つけて追えば、本隊に辿り着けるということだ。
特に今回のような巣分けの場合、安全なルートを探すため、四方に向かって斥候役が出て行く。つまり、そのうちの一匹の痕跡を発見できさえすれば、本隊に辿り着くことが出来るとのことだ。
俺は蟻の出すような特殊な匂いが人間に感じられるのか疑問に思い、
「匂いを追えばいいって言うが、その匂いが判るのか?」
「まあ、人間には無理だろうね。あたしら獣人なら問題ないがね」
どうやら嗅覚の優れた獣人ならではの追跡法のようだ。
ソルジャーアントたちはここのような荒地を好むそうで、山裾に沿って移動しているはずだ。俺たちはソルジャーアントの痕跡を探すため、荒地を北上していく。
ソルジャーアントは全長二m、体高一mほどで、黒く硬いキチン質の外殻と長さ五十cmにも及ぶ巨大な顎を持つ。更に尻の先には蜂のような毒針を持っている。
硬い外殻は矢を弾くため、弓術士泣かせの魔物だ。それだけではなく、恐怖心を持たず、足の一本や二本失っても全く気にせず向かってくる。その姿は、アンデッドとは違う不気味さがある。
二時間ほど捜索するが、ベアトリスの言う痕跡が一向に見つからない。ギルドの情報から判断して先回りしたのだが、どうやら行き過ぎたようだ。
俺たちは野営地になりそうな場所を探しながら、更にソルジャーアントの痕跡を探していった。
結局、その日はソルジャーアントの痕跡を見つけられなかった。午後五時過ぎに野営地に適した場所を見つけ、野営の準備を始める。
と言っても、基本的には水は魔法で出せるので、焚き火用の薪の確保くらいしかない。
森に近い荒地を野営地に定め、薪を集めていく。そして、近くの岩を背にする形で火を熾す。
火も俺の着火の魔法ですぐにつき、四人が囲むにはちょうどいい焚き火が熾せた。
何となくキャンプ気分になってしまうが、ここは魔物のいる危険地帯。それも今まで行っていた街近くの森より遥かに危険で油断は許されない場所だ。
見張りは二人ずつの二交替とし、俺とリディ、ベアトリスとシャロンの組に分かれる。
明日の朝は夜明けと共に行動を開始するつもりなので、夕食を取ったらすぐに就寝する。
パチパチと爆ぜる薪の音と森を吹きぬける風の音に混じり、遠くで魔物の咆哮のような鳴き声も聞こえてくる。
この辺りはオーガやトロルなどの大型の魔物が多く、油断は出来ない。
今日、俺たちが歩いた範囲で大型の魔物の痕跡は見つかっていない。ベアトリスの意見では、俺たちが対応できないような危険な魔物はまず出てこないだろうとのことだった。
最初はベアトリス、シャロン組が警戒に当たり、日付が変わった頃に俺たちと交替する。
何事もなく、時間が過ぎていき、東の空が白み始めた。
ベアトリスたちを起こし、簡単な朝食を取った後、再び捜索を開始した。
一時間ほど西に歩くと、俺たち以外の足跡を見つけた。同じようにソルジャーアントの討伐を受けた別のパーティのようだ。
その足跡は北に向かっており、俺たちはそれを無視して、更に西に進んでいく。
突然、先頭を歩くベアトリスが止まった。
彼女は「ソルジャーアントの痕跡だね」といって、草に付いた透明な液体を見せてくれた。匂いを嗅ぐと仄かに甘い蜜のような匂いがするが、俺の嗅覚でそれを見つけろというのは無理な話だった。
ベアトリスは方向を見定め、北に向かった。
彼女は何度か立ち止まって、痕跡を確認し、俺たちは彼女の後を慎重についていく。
ベアトリスが突然、身を沈めた。俺たちも同じように身を沈めると、ベアトリスからハンドサインで敵発見と知らせてきた。
よく見ると百mほど先に、朝日を浴びて黒光りする兵隊蟻の群れがあった。こちらからは見上げる形になるため、全貌は見えないが、見える範囲だけでも十匹近い巨大な蟻がいた。
俺はリディとベアトリスに「数が多いな。どうする?」と尋ねた。
リディは「本隊なら無理ね。もし、餌を運んでいるだけなら倒せると思うけど」といい、ベアトリスもそれに頷く。
そして、ベアトリスが「あたしが偵察してくる。ちょっと待ってな」と言って、音もなく草むらを掻き分けていった。
こういう姿を見ると、虎の獣人なのだとつくづく思う。昔TVで見た、獲物に近づく野生の虎にそっくりなのだ。
十分ほどすると、ベアトリスが戻ってきた。
「餌を運んでいるだけだね。数は十二匹。どうする?」
俺は黙って頷き、背中の剣を引抜く。リディもベアトリスもそれに頷き、シャロンも頬を紅潮させて頷いている。
「奇襲を掛けるよ。静かに近づいて、ザックとシャロンの魔法で出来るだけ多くの敵を倒す。リディアーヌは空気の鎚で近づくアリを吹き飛ばす。あたしはそれを掻い潜ってきた奴を槍で倒す。これでいいね」
俺たちは静かに頷き、ソルジャーアントたちに近づいていった。
アリたちはオークらしき人型の魔物の肉を牙でくわえ込み、列を作って西に向かっていた。
俺は奇襲が可能ということで、考えていた作戦を実行した。
十二匹のアリは長さ三十mくらいの列を作っている。
俺たちの位置はアリたちの列の南側約三十m。
この位置から二人同時に炎の嵐を発動する。火力を上げるため、二人の炎の渦を接近させ、先頭側からゆっくりと後方側に移動させ、アリたちを焼いていく。
ファイアストームは目標の場所に、直径十mほどの炎の渦を出現させる魔法だ。普通のファイアストームは目標地点で固定され、数十秒間燃え続ける。このため、ファイアストーム自体を移動させることはできず、範囲外の敵にはダメージが与えられない。
だが、俺とシャロンは、ファイアストームを自分の意志で移動させることができる。
ラスペード教授に言わせると、俺たちのイメージ力と魔力操作が天才的なのだそうだ。実際、リディはおろか、ラスペード教授ですらストーム系の魔法を移動させることができない。
話は逸れたが、ファイアストームを移動させることにより、全体にダメージを与えることができる。俺たちの魔法の持続時間はおよそ三十秒であるため、秒速一mで炎の渦がアリたちを焼いていくことになる。更に火力を上げるため、直径を半分にし、それを二本並べる。この幅なら横に逃げてもかなりのダメージを与えられるはずだ。
俺とシャロンは草むらに身を沈めながら、簡単な打合せをし、静かに呪文を唱えていく。
「火を司りし火の神よ。御身の眷属、精霊の猛き炎の舞いを我は求めん、御身に我が命の力を捧げん。我が敵を焼き尽くせ! 炎の嵐!」
魔法の発動と共に、二本の炎の渦がソルジャーアントの列の先頭に現れる。
アリたちはパニックを起こしたようにガサガサと足を動かすが、未だに魔物の肉を離さず、動きが鈍い。そして、ゆっくりと二本の渦がアリたちの上を通過していく。
荒地の草が燃える匂いに魔物の肉が燃える匂いが加わる。バチバチという炎の音が聞こえてくるが、悲鳴などが上がらないため、ソルジャーアントがどういう状況なのか確認できない。
三十秒の魔法の発動時間が過ぎると、下生えの草が燃える音とガサガサというソルジャーアントの足が草を掻く音が聞こえてきた。
俺は火力不足だったかと思ったが、先に立ち上がったベアトリスが「相変わらず、あんたたちの魔法は規格外だね」と言って呆れていた。
そっと立ち上がって見てみると、足を炎に焼かれてひっくり返っているアリたちの姿があった。
これが今回、俺が試したかったことだ。
昆虫系の魔物のほとんどは、胴体や頭といった重要な部位を硬い外殻で守っている。このため、急所である頭などに炎系の魔法は効きにくい。
だが、関節部分は違う。
可動部があるため、薄い皮膜で覆われているだけだ。魔物といえどもたんぱく質でできており、関節を高温で焼けば、神経系か筋肉がやられるはずだ。
足さえうまく動かなくなれば、殺虫剤にやられた虫と同じで、ひっくり返って無力化出来るだろう。巨大ムカデでも、今回のようにうまくいけば、同じように倒せるはずだ。
リディとシャロンを残し、俺とベアトリスが慎重に近づいていく。さすがに全滅とまではいかなかったが、九匹のソルジャーアントがひっくり返っており、後方にいて無事だった三匹が、俺たちに襲い掛かってきた。
ソルジャーアントはガサガサという音を立てながら、巨大な顎を振りかざして襲い掛かってくる。俺に一匹、ベアトリスに二匹が向かい、俺たちは邪魔にならないよう、スッという感じで距離を取った。
ベアトリスなら二匹に対応できると信じ、俺は正面の一匹に集中する。
体長二m,体高一mのアリが後足で立ち上がると、俺の身長を超える。巨大な顎を上から叩きつけるように振り下ろしてくるが、動きは単調であるため、容易に避けられる。
アリは頭の重量などないかのように、下に振り降ろした頭を俺に向けて振り上げてきた。
俺はバックステップでそれを避け、愛剣を振りかぶって、アリの頭に振り下ろす。
ガンという硬い音がするが、頭に傷が入っているだけで、有効なダメージとはいえない。
(やはり硬いな。頭に拘る必要はないか。こいつらの弱点は足の関節。正確ささえあれば、斬り落とせるだろう……)
足の関節にターゲットを変え、右前脚から斬り落としていく。アリは頭を左右に振り、それを防ごうとするが、タイミングを合わせれば、顎を避けることはそれほど難しくはない。ただ、足自体も丈夫な外殻を持っているため、数cmの幅の関節に正確に剣を振り下ろす必要がある。
数回の攻撃で感覚を掴み、右側の足をすべて斬り落とすと、ソルジャーアントはバランスを崩して、ひっくり返る。そのまま、健全な左側の足で地面を掻き、背中を中心にグルグル回り出す。こうなってしまえば、脅威とはなりえない。慎重に首の付け根を狙って剣を振り下ろし、ソルジャーアントに止めを刺した。
俺が敵を倒して振り返ると、ベアトリスは既に二匹のアリを倒していた。どちらも一撃で牙の間の口を貫いていた。
その後、足の関節を焼かれたソルジャーアントたちに止めを刺していき、燻る草を踏んで火を消していく。その間にシャロンが魔晶石を回収していった。
ベアトリスが「こいつらの剥ぎ取りはどうする?」と聞いてきたので、使えそうなアリの外殻を剥ぎ取ることにした。
ファイアストームで焼かれたアリのうち、半分以上使い物にならないが、五匹分くらいは使い物になりそうなので、一番硬い頭の部分だけを回収する。
本当ならもう少し回収してもいいのだが、俺とシャロンはあまり重い荷物は持てないことから、一番売れそうな部位だけを持ち帰ることにした。
ちなみに、ソルジャーアントの外殻は革鎧の材料となり、結構いい値で売れるそうだ。傷が少なければ、一匹分で銀貨一枚十C(=一万円)ほどで引き取ってくれる。今回は頭の部分だけなので、五匹分で三十Cくらいだろうとのことだ。
「まだ時間は早いが、どうする? こいつらが西に向かっていたということは本隊が西にいるんだよな」
俺の問いに「あんたたちの魔力に問題がなけりゃ、もう少し狩っていくが、どうだい?」とベアトリスが聞いてきた。
俺の魔力はまだ九割以上あり、シャロンも問題ないと答えたので、更にアリたちを追うことにした。




