第二十一話「ザックの一日」
主人公がどうやって一日を過ごしているのかという視点の話です。
九月二十五日。
いつものように夜明け前に目を覚ます。
子供の体であり、寝起きは強い睡魔に襲われることが多いが、毎日の習慣のおかげで何とか目が覚めるという状況だ。
俺は睡魔と闘いながら、暗い部屋の中でメイドのモリーが用意しておいてくれた服に着替えていく。視力強化のおかげか、真っ暗に近い暗闇の中でも物が見えるので結構便利だ。
着替えが終わると、まず部屋の中で軽く体操を行う。
ストレッチの要領でゆっくりと体を解していく。さすがに四歳児の体は柔らかく、百八十度開脚をしながら床に胸をつけることが出来る。
この柔軟性は維持していきたいと思っているから、毎日の柔軟体操は欠かさない。そのおかげか、雑技団とは言わないが、関節の可動範囲はかなり大きい。
体を解し終わる頃、夜がゆっくりと明けていく。
いつものように、俺用の小さな木剣を持ち、庭に向かう。
外に出ると、東のアクィラ山脈が昇る日の光を背に受け、その特徴的なギザギザとした稜線が次第に明確になる。南にある四つの丘の色彩も朝霧が晴れるに従って、ゆっくりと鮮やかになっていく。
その頃には祖父も外で体を解し終わっており、俺は挨拶をしながら祖父の横に立つ。
「おはようございます、おじい様。今日もいい天気になりそうですね」
「おはよう、ザック。そうじゃな、今日も暑い日になりそうじゃ」
二人で朝の会話を楽しんでいると、兄のロッドが現れる。
「おはようございます、おじい様、おはよう、ザック。いつも早いね」
俺と祖父が挨拶を返すと、三人で剣を構える。
祖父が剣を振り始めると、俺と兄も無言で素振りを始める。
俺はまだ習っている型が少ないため、覚えている数種類の型を一心不乱に振っていく。
兄はその日の気分で好きな型を選んでいるようで、今日は突きを中心とした型で素振りをしていた。
祖父は鋭い気合を吐きながら、目の前に敵がいるかのような、それでいて剣舞のような美しい型を見せている。
空が完全に明るくなると、メルとその兄のシム、ダンとシャロンの兄妹が丘を登ってくる。
そして、祖父に挨拶をしてから、同じように素振りを始める。
シャロンだけは、その横で俺が教えた体操を行いながら、俺たちを見ている。
祖父の素振りが終わるまで、俺たちも剣を振り続ける。
大体三十分くらいだが、朝の涼しい時間帯でも終わる頃には息が上がり、汗が噴出してくる。
その後、祖父の前で一人ずつ素振りをし、おかしな点が矯正されていく。
朝の訓練が終わると、メルたちは家に戻っていき、俺たちは裏の井戸に向かう。
その頃にはウォルトが井戸の水を汲み上げており、桶には冷たい水が湛えられている。その水で顔をバシャバシャ洗うと、頭がすっきりとしてくる。
更に手拭いをその冷たい水に浸し、体を拭いていくと、火照った体がスゥと冷めていく感じがする。この感じが俺には堪らない。
元の世界では学生時代こそ運動をしていたが、入社後は運動らしい運動をほとんどしていなかった。ジムの無料券が手に入った時なんかに体を動かしに行ったくらいで、二十年以上、碌に運動をしていなかった。
体を動かして汗をかく。ただそれだけのことなのだが、とても気持ちがいい。
体を拭き終わると、そのまま食堂に向かう。その頃には井戸の辺りにも朝食のパンが焼ける香ばしい香りが漂い、食欲を誘ってくる。
食堂ではモリーと、彼女の娘のトリシアが朝食の用意をしており、父と母は既に食卓に座っていた。
俺たちが現れると、父と母、そしてリディが笑顔で朝の挨拶をしてくる。俺たちも同じように挨拶を返し、そのまま食卓に着く。
朝食のメニューはほとんど同じだが、俺の要望で沸かしたミルクにバター、そしてチーズ――ハード系のチーズであるため、オーブンの余熱で軽く火を通してもらってある――が付くようになった。
成長期の兄と俺にはカルシウムが必要だろうと、そう提案したのだ。
それまでは、夕食の時にバターとチーズを使った料理が付くだけだったが、もう少しカルシウムを取ったほうがいいと思ったからだ。
はっきり言って、栄養学的なことは全く判らない。だが、何となく子供には“牛乳”だと思っただけだ。
相変わらず硬いパンと具の無いスープだったが、それに乳製品が付くだけでかなり朝食らしくなる。もう少ししたら、ハムとかベーコン作りにもチャレンジしたいと思っている。
この村では肉や魚を燻製にすることがなく、肉は新鮮なもの――家畜以外の野生動物も多い――か、塩漬けにしたものしかなかったのだ。
朝食を終え、顔を洗うと、少しゆったりとした時間が流れる。
父が村の運営の仕事に、祖父が自警団の書類仕事に向かうためで、一時間ほどのんびりとすることができる。俺はこの時間を利用して本を読むか、リディとおしゃべりをして過ごすことが多い。
祖父が書類仕事を切り上げると、朝の訓練が始まる。
自警団の人たちも丘を登ってきており、俺たちを見ると頭を下げて挨拶してくれる。
自警団の男たち十人ほどが屋敷の西の広場に整列する。ウォルトが一人一人の装備を確認していき、装備に不備があると、米軍の鬼軍曹のように顔を近づけて怒鳴り散らす。
普段無口で、俺たちには優しいウォルトの別の一面が見え、最初はとても驚いた。
祖父とコンビで訓練を始めると、映画で出てくる教官と補佐の鬼軍曹のように見える。二人に失礼だが、少し笑ってしまった記憶がある。
俺とメル、ダンの年少組は、広場の一番端で、ひたすら剣を振る。
数日前、メルの剣術スキルがレベル二に上がったことから、ダンの気合が一段と強くなったように見える。
俺たちの隣でも兄とシムが剣を振り、時々祖父の罵声を受けている。
俺たちは三十分で一旦休憩に入るが、兄たちはそのまま模擬戦になる。
相手は祖父かウォルトがほとんどで、時々メルの父親のヘクターやシャロンの父親ガイが相手をする程度だ。
兄もシムも八歳にしては、かなりいい動きをしていると思うのだが、祖父やウォルトは自警団の方を見ながら片手間に相手をしても、一向に攻撃を受けていなかった。
休憩が終わると、俺たちは再び素振りを始める。
型は祖父が指示を出すものを繰り返すだけで、正直な話、とても詰まらない。もう少し実戦的な訓練の方が面白そうなんだが、祖父の指導方針ということで逆らうわけにもいかない。
それに兄はこの方針で既に三年間修行しているのだから、俺だけが不平を言うのは間違っているだろう。
俺たちの訓練は一時間ほどで終わるが、兄たちも自警団の男たちもまだまだ訓練は続く。
俺たちは汗を拭きながら木陰で休み、疲れが取れた時点で遊び始める。
遊びといっても、ロープ登りや木登り、ウォルトに作ってもらった木製の雲梯や平均台などでの訓練のようなものだ。
木登りなんかは、俺のような小さい子供がするには危険な遊びだと思う。実際、何度もケガをして治癒師のところに運ばれている。
治癒師に初めて魔法を掛けられた時、俺はこう思った。
骨折くらいなら、すぐに直せる。頭を打ったり、内臓を傷つけたりしなければ、相当激しいことをしても大丈夫だと。
そう、小さなケガについては、現代医術よりも魔法の方が即効性があり優れている。だから、ちょっと激しい訓練をしても大丈夫なんだと思うようになった。
こういった道具を使う遊びの他にも、前転や後転ができるようになったので、側転やバク転の練習をやったり、布を丸めたボールでキャッチボールをしたりと、俺が思いつく訓練になりそうな遊びを中心にしている。これらの遊びは他の三人にも好評で、付き合っている俺の方がしんどくなることがある。
アクティブなメルはともかく、大人しいシャロンが退屈するかと思ったが、大人しそうな見た目に反して、運動神経は結構いい。剣術の練習をしてもそこそこ出来そうな気がするが、性格的に向いていないのだろう。
今日はドワーフのベルトラムの工房に行く用事があるので、ニコラスに馬で送ってもらい、昼食時間に帰ることになっている。
ベルトラムのところでは、蒸留器の進捗状況を確認し、彼からの疑問点を解消したら、すぐに屋敷に戻っていく。
距離的には一kmほどなので、馬で行けばそれほど時間は掛からない。
他の家ではどうか知らないが、少なくともロックハート家ではきちんと昼食をとる。
メニューは朝とそれ程変わらないが、とりたての野菜のボイルや自警団の人が差し入れてくれる川魚や肉などが付くことがある。
そして、昼寝の時間がやってくる。
子供の体になって感じたことは、体が食事と睡眠を強く求めてくるということだ。
食事の量も結構多いが、それでも体は間食を求める。俺は母とモリーにそのことを告げ、ビスケットのような焼き菓子や、昼に余ったパンで作ったカリカリのラスクに蜂蜜を掛けたものなど、カロリーの高そうなものを用意してもらっている。
母もモリーも最初は間食に反対だったが、俺が運動する子供にはカロリーが必要だと説くと、あっさり論破することができた。俺の前世知識で子供の体にいいことだと思ってくれたようだ。
正直なところ、高カロリーのものを間食で取ることがいいことなのかは判らない。だが、体が求めてくるのだから、必要なことなんだろうという程度の感覚だ。
もちろん、激しい運動をしている前提だから、肥満の心配はない……ないと思う。
睡眠の方は、就寝時間は早い――この季節なら日没後二時間くらいで大体午後八時には、大人も寝ている――が、起床時間も早いため、九時間くらいが夜の睡眠時間になっている。
昼食後はいつも無茶苦茶眠い。サラリーマン時代の昼食後の詰まらない会議以上に、酷い睡魔が襲ってくる。大体、二時間くらい爆睡し、午後二時半くらいに目覚める。
その後はリディの魔法の授業だ。
剣術の訓練も楽しいが、今一番楽しい時間がこの魔法の授業と、夜の魔法の訓練の時間だ。
俺とシャロンが魔法の勉強をし、ダンとメルが俺の持ってきた比較的易しい物語の本を読む。
ダンとメルも五歳児にしては文字をしっかり勉強しており、読みやすい本なら俺やリディの助けなしに読めてしまう。英語圏の子供がどうか知らないが、この二人もある意味天才かもしれない。
そして、シャロンなのだが、四歳児というより、この世界の子供にしては随分勉強が進んでいる。
文字は俺が教えたし、算数も九九を教えたのだが、今では日本の小学校中学年くらいのレベルに達しているかもしれない。その日に教えると、翌日には完璧に覚えているので、調子に乗って教えたことが原因だが、一度も嫌がらないので、つい調子に乗ってしまったのだ。
俺とシャロンはリディの説明を真剣な表情で聞き、リディも判らないところはできるだけ判りやすいように教えてくれる。本当に教師になったほうがいいんじゃないかと思えるレベルだ。
三十分で座学を終えると、実技の時間になる。
俺の魔力操作は全く問題無いので、シャロンがマンツーマンでリディから習うことになる。
俺はその間にダンとメルのところに行き、一緒に本を読み始める。
二人は物語を読み、俺はリディから借りた魔術書を読むのだが、時々、メルがちょっかいを掛けてくる。俺は本を読みながら適当に構ってやっていた。
その様子は父親が新聞を読んでいるところに、邪魔しに来る子供にそっくりだ。
邪険にしない程度に適当に構ってやりながら、魔術書を読んでいたが、最近では背中に乗ってきたり、足を引っ張ってきたりするようになった。構って欲しいのだなと本を置き、少し遊んでやるのが、最近の日課になりつつある。
シャロンの訓練が終わると、大体午後四時頃になっている。
自警団の訓練が終わる頃で、俺たちと入れ替わりに村に帰っていく。ほとんど足を引き摺るような感じで、疲労困憊を絵に書いたようになっている。
メルの父親のヘクターに教えてもらったのだが、月に二回ある訓練の日は、訓練仲間で打ち上げをするのが楽しみになっているそうだ。
ヘクターも自警団の宴会で聞いたそうだが、彼らが言うには村にある唯一の酒場、黒池亭に行って酒を浴びるように飲むことだけを考えて、祖父の厳しい訓練に耐えるのが、この村の正しい男のあり方なのだそうだ。自警団の世話役をやっているヘクターも、みんなに懇々と説明されて困ったと笑っていた。
まあ、言っている村人も祖父には感謝しているようだ。この村がこれほど平和になったのは祖父が来てからだそうで、今では魔物が村に入ってくることもほとんどなく、盗賊団――この辺りには結構いるそうだ――がこの村を狙わないのも、祖父のおかげだと言っていた。
午後四時頃から再び素振りが始まる。
朝の涼しい空気とは異なり、ムッとする暑さが残る中、素振りを始めると、すぐに汗が噴出してくる。
兄とシムはフラフラになりながら、剣を振っている。この時間になると、父とその手伝いをしているウォルトの息子イーノスも訓練に参加する。
父の方はまだマシなのだが、イーノスはウォルトの罵声を浴び続けながら、槍を振るっている。彼も父親のウォルトと同じ槍術士なのだが、訓練時間の短さが原因なのか、あまりうまくない。
訓練時間を削ることになった原因――内政の要ニコラスが俺の助手になったことが主な原因なので何もいえないが、もう少し体を動かしたほうがいいんじゃないかといつも思ってしまう。
父の方も祖父との模擬戦でいつもボコボコにされているので、夕食後は幼馴染同士、愚痴を言い合っているのかもしれない。
午後五時前にその日の訓練がすべて終了する。
メルたちは家に帰っていき、俺たちは再び井戸に向かう。
この家には風呂がない。シャワーすらないのだ。飲み水や料理に使う水は井戸から汲み、家畜の飲み水や洗濯や掃除などの生活用水は天水――雨水を溜める大きな水槽がある――に頼っているから仕方ないのだが、記憶が戻った当時、元日本人の俺にはこれが一番辛かった。
ザブンと湯に浸かり、ふぅと息を吐く。体の芯から温まるあの感じが味わえないのだ。
今のところ手が回らないが、いつかこの屋敷に風呂を作るつもりでいる。それも近い将来必ず。
これまで時刻を書いているが、この村には時計が無い。だから、書いてある時刻は太陽の位置から感覚的に計った大雑把なものだ。
腕時計と携帯の時計で分刻み、時には秒刻みで生きてきた俺にとって、時計の無い生活というのは面食らうことも多かった。だが、今ではこういう生活もいいものだと思っている。
ちなみに、時計は専用の魔道具があるそうで、街や街道沿いの村なら役所か村長の家辺りに置いてあるそうだ。
井戸で冷たい水を浴びた後、夕食の時間になる。
夜のメニューは自警団の人が持ってきてくれる食材か、外回りに出ることが多いヘクターやシャロンの父ガイが手に入れてくる食材がメインになる。
特にガイが森で取ってくる野鳥や猪は、この屋敷でもかなりのご馳走だ。
この時期だと、雉や山鳥、鶉などが良く獲れるそうで、丸焼きにされた野鳥がよく食卓に並ぶ。前世でも野生鳥獣肉好きだった俺には天国のようなところだが、残念なことにまだ酒が飲めない。
雉の野性味ある味には濃い目の赤ワイン――個人的にはカベルネではなく、ピノ・ノワール――が欲しいし、脂の乗った猪のばら肉のソテーなら、甘口の白ワイン――ソーテルヌなどの貴腐ワイン――でもいい。
しっとりとした食感と豊かな香りの山シギ、繊細な肉質の森鳩……さすがにピレネーのパロンブと同じものはいないが、普通の山鳩は時々食卓に上る――、これらにも赤ワインがほしいところだ。独特の苦味のある雷鳥も食べたいが、この辺りにはいない。
だが、悲しいかな、酒を飲むことができない。それにこの村には品質のいいワインもあまりない。見た感じ少し濁っており、雑味がありそうな気がする。
ブドウ畑を見た感じでは、黒ブドウ系の実がなっていたが、俺にブドウの知識はないし、ワインの醸造のやり方もしらないので、飲めない今の年齢では品質を上げようが無い。
今日の夕食は残念ながら、普通の塩漬け肉料理だった。
これはこれで旨いので文句は無いが、この季節はどうしても期待してしまう。
塩漬け豚を炙ったものと、イモと豆のシチューにパンが付く。
この世界にはジャガイモが存在していた。それにトマトや唐辛子も。トマトはこの村で見たことは無く、本に書いてあったから知識として知っているだけだが。
地球ではアメリカ大陸から渡ってきた食材だが、この世界では普通に以前からあるようだ。
地図を見ても探検隊のようなものがいないのか、情報の無いところが多い。有名なところではこの村の東に見えるアクィラ山脈の向こう側、東側がそれに当たる。
こっちの人々は、その土地をクウァエダムテネブレ=永遠の闇と呼び、魔族が支配する恐ろしい土地だという認識のようだ。そのため、アクィラ山脈の東側は地図では、空白地帯として描かれていた。
西側も南側も海があると書いてあるだけで、その先に何があるか調べたものはいない。
カエルム帝国には飛竜部隊があるそうなので、帆船と飛竜部隊を組み合わせれば、結構広い範囲を調べられそうなのにと思ってしまう。
祖父や父たちは酒を酌み交わしながら、談笑している。外は徐々に暗くなり、ウォルトたちが灯りの魔道具を灯していく。
俺はこの丘の上から見る夕日が好きだった。
この村の西にはポルタ山地という大きな山地が広がっており、山の間に夕日が沈んでいくのだ。
山を眺めていると、その頂にゆっくりと太陽が落ちていく。そして、徐々にその姿を沈めていくと、一瞬、点のような光を残し、最後にはオレンジ色の眩しい太陽の光はすべて消える。
その直後、黒い山影が赤い空に浮かぶように見える。そして、真上を見上げると、茜色の空が徐々に紺色に変わっていく。
更に後ろを見ると、アクィラ山脈の険しい頂がゆっくりと蒼い空に溶けていく。
その様子は何度見ても飽きない。
のけぞるように紺色の空を眺めていると、星が一つずつ浮かび始める。
知っている星はない。だが、満天の星空の中に天の川のような星の帯を見ると、子供の頃、山奥の親戚の家で見た夜空を思い出してしまう。
晴れた日は美しい夕日を見ていることが多い。
そして、俺の後ろにはいつもその風景より美しい人がいる。
「また、夕日を見ていたの? それに空も?」
「ああ、何度見てもきれいだし、季節によって表情が変わるから、見ていて楽しい」
リディはふふっと笑った後、「空に表情……変わっているわね」と俺に言ってくる。
俺は「否定はしないよ。でもきれいだろ」と彼女を見ずにそう答える。
そのまま庭で魔法の練習を始めるのだが、いつも何となく気恥ずかしい感じで始まるような気がしている。
これが俺の一日だが、四歳児にしては確かにハードスケジュールだと思っている。
本当はもっと時間が欲しい。やりたいことがたくさんあるから。
前の世界ではこんなに充実した日々を送ったことは無かった。今この瞬間、夢を見ているだけだと言われても否定できない。それほど、夢のような生活だから。
だが、まだまだやりたいことがある。明日からは蒸留器の最終工程だし、風呂も作りたい。
その先も……
なんかエンディングみたいな終わり方ですが、まだまだ続きます。
ジビエ話に力が入ってしまいましたが、軽く流してください。
(特にパロンブとピジョンラミエは食べ比べたことはありますが、単品で食べて、違いを言い当てられる自信は全くありません)
ご意見、ご感想、お待ちしております。




