本題の話は収穫ありか…
私とレイスは野菜を収穫し、調理をする。
相変わらず、ユーリス様は調理をしている間にずっと横で話しかけてきたり、くっついてきたりしているけど、もう慣れたことで気にならない。
それに久しぶりに会えたこともあり、それでいいとさえ思う。
料理が完成し、私たちは食事を始めた。
ユーリス様はいつも通り美味しいと言ってくれて、使って良かったと心から思う。ユーリス様は、ここ最近忙しくきちんと栄養のある食事が全然取れなかったらしい…確かに、ユーリス様の目の下には薄く隈がある。それを見ればどれほど忙しかったのか想像はつくだろう。
食事が終わりレイスがお皿を片付ける。
テーブルの上が片づき、レイスが淹れた紅茶が目の前に置かれた。
「揃ったところで、そろそろ話してもいいかな?」
そうだった。ユーリス様がここへ来たのは本題の話のためだ。
「はい…!」
「実は、盗賊たちを捕らえた次の日から尋問を始めた。尋問をしたものの大した情報がなく、尋問に意味があるのかさえ感じた。だが、ある証言を得たんだ。」
「ある証言ですか…?」
「うん。ボスのような男がいただろ?」
「ええ…いましたわ…」
確か…盗賊たちに色々と指示を出していた男ね…
「その男が言うには自分たちは雇われたと言うんだ。」
「雇われた?一体誰に…」
「存在は明かさなかった。だけど、有力な情報を貰った。」
「…なんですか?」
「盗賊たちを雇ったのはマーガレットの知っている人の中にいるとね…」
「私の知り合いということですか…!?」
「そうなるね。心当たりはある?」
心当たりなんて…
「ありません…」
「そうだよね…」
「ただ…」
「ただ?」
「ロベルト王子殿下やマリアが関わっているのではないかとどうしても思ってしまうのです…思い込みは良くないのに…」
そう…心当たりがあるとすれば確実にロベルトとマリアの二人。この二人ならやりかねないと思う。でも、証拠もなにもなければ、ただ思うというだけ。確実にこの二人だというには不足すぎる。
「まあ、その線が一番最初に浮上するね。だけど、証拠がなにも掴めない以上、二人の仕業だとは言えない。もちろん、色々調べてみるけどね。」
「ありがとうございます…」
私の知ってる人間…
その中にはお父様たちやレイスも含まれている…
疑いたくない…だけど、疑わなければならない…
今後は慎重にならないと…
「ところで、ユーリス様。」
「ん?どうしたの?」
「スタルツィアでの件は何か掴めましたか?」
「まだ調査がそんなに進んでいないが、分かったことはあるよ。」
「なんですか…!?」
「それは、記録が残っていないんだよ。」
記録…?一体なんの…
「ロンド公爵が国へ寄付をした記録だよ。」
「そんな…!!そんなはずありませんわ!絶対にお父様は…」
「落ち着いてください、マーガレット様…!」
レイスに落ち着くように言われ私は一度深呼吸をする。
「マーガレット。ロンド公爵が寄付したかしていないかは分からない。だけど、ロンド公爵が本当に寄付をしていたとして可能性があるのは、誰かが意図的にその寄付の記録を消したということ。必ずしもロンド公爵が寄付しなかったとは限らないよ。」
私の考え不足だ…
ユーリス様の言う通り、誰かがお父様を陥れるために意図的に記録を消した可能性もある。そこを全く考えていなかったのは私の落ち度だわ…
「ユーリス様…必ず、明らかにしてください…」
「もちろんだよ、マーガレット。」
今はとにかくユーリス様を信じよう…
私に出来るのはそれだけだから…




