ドレスを贈る意味
翌朝、目が覚めるとユーリス様とレイスが部屋にいた。
「おはよう。マーガレット。」
「…おはようございます…ユーリス様…」
「マーガレット様、おはようございます。」
「おはよう…レイス…」
朝からなぜ二人がこの部屋に…
レイスなら分かるけど…どうしてユーリス様まで…
「マーガレット。夜会は明日だったよね?」
「はい…そうですが…」
「なら、一緒にドレスを見に行こう。」
「ドレスですか…?」
「ああ。せっかくなら俺が選んだドレスを着てもらいたい。それに君に初めてプレゼントをするなら君に似合う綺麗なドレスがいい。」
「……。」
「あと、夜会に招待してきた最低な男を後悔させるほど美しい君を見せつけてやりたい。もちろん、マーガレットを誰かに渡すなどあり得ないことだけどね…」
はあ…ユーリス様の言葉にはいつも鼓動が高鳴ってしまう。
「よろしいのですか?ドレスをプレゼントする意味はご存知ですよね?」
「ああ、もちろんだよ。だから贈るのさ。君を心の底から愛しているからね。」
ドレスを贈る意味。それは、
【愛の表現】
恋人や婚約者に豪華なドレスを贈ることは、その相手に愛を表現すると言われている。(※諸説あり)
「どんなドレスを選んでくださるのか、楽しみですわ。」
「君に似合うものを選んであげるよ。さあ、行こうか。君へのプレゼントを探しに。」
「はい。」
正直、プレゼントならユーリス様が自分一人で選んで、後で私に渡してほしいところだけど…
でも、仕方ないわね…
だって、私のサイズがわからないのですものね…
さすがにレイスに聞くのもどうかと思っているのか、もしくは、レイスが知っていると分かっているからこそ、聞けば嫉妬でどうなるか分からないからあえて聞かないのか。そんなことはユーリス様本人にしか分からないことだけど…
ドレスか…どんなドレスがいいのかしら…
色にこだわりはないし…
基本的に派手なものは好きじゃない。
スタルツィアにいたときは特にそう思っていた。
貧しく大変な暮らしをしている国民が多い中、令嬢とはいえ派手な暮らしをするのは嫌いだった。食事だけでも十分いい物を食べていたのに、それに加えてドレスまでお金をかけて、派手にするなんて国民に対して全くの配慮がない行為だと思う。だから私たちフィーレス公爵家はそのお金を国民の食事に使っていた。
今でも、お母様が国民に食事を配ったりしているそうだけど、国民の生活が潤うことは今のところ不可能に近いだろう。なぜなら将来、国のトップに立つ人間があのような男なんだから。
早く、国民たちが平和で幸せな暮らしを出来る日がきてほしい…




