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ゆい言  作者: Suica
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五月雨


午前8時

「ピピピピピー」

「…」


午前8時10分

「ピ、ピピ、ピー」

「…」


午前8時20分

「早く学校に行くんだぞ…」

「…」


午前8時30分 「ピ、ピ、ピピピ」

8時30分を知らせるアラームがスマホから鳴り響く。しばらくして、徐に伸ばした手がアラームを止めた。


毛布にくるまりながら、なんで朝のアラーム音ってこんなに不快なんだろうかと思う。寝る前はこのアラーム音ならと期待を持って寝るのに、朝になってみると不協和音にしか聞こえてこない。

 

父も早く学校に行くように言っていた気がするがよく覚えていない。朝は自分でも不思議になるくらい不機嫌だ。自分の眠りを邪魔してくるものはみんな蹴飛ばしたくなる。それが例え親だとしても。


そういう気怠さを感じながらベッドから降りて朝ご飯を食べる。ここ最近ずっとパンばかりだが、父の作るまずいご飯よりはましかと思いながら口の中に押し込んでいく。9時にはもう学校が始まるから少し急がないといけない。5月に入って遅刻が続いているが、とうとう父に知らせが行ったのかなと朝の様子からそう思う。


制服に着替えながらテレビをつけて天気予報を見ると、今日はずっと雨の予報らしい。雨は嫌いではないが、好きでもない。窓を見るとまだ降ってはいないが今にも降り出しそうな重い曇り空だった。


時間を確認しようとテレビを見ると8時47分と表示されていた。すぐにテレビを消して、教科書の入ったカバンを片手に家を出る。自分の通う高校は自転車で10分だから急げばまだ間に合う時間だ。素早くサドルにまたがり、住宅街を颯爽と駆けていく。そして、学校に近い赤信号の交差点に差し掛かったとき、


「ゆい…」

一瞬、頭について離れないその言葉がよぎった。しかし、私はそれを一旦しまって、自転車のハンドルをグッと握り、急いで漕ぎ進めた。


「はぁ、はぁ」

息が上がる頃には自分の通う高校に着いていた。その時、自分の到着を待ったかのように雨がどっと降り出した。みんなが校内へと走っていく。時計を見ると8時54分だった。


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