01話 三国の王女と戦争の真相
❛聖なる贈与❜の説明に”❛聖なる完全回復❜”も与えられない旨を追記。
サラと二人で玉座の間に入室する。
久し振りにキャサリン・ミドルランド国王、バルドさん、シモンさん、アリスと対面した。
そして見知らぬ少女達3名も佇んでいる。
❛神の眼❜で確認する。
一人目はエルフ。
耳が尖り、身長は160cm程。
スレンダーな身体に、腰まで届く緑色の綺麗な長髪。
切れ長の目に緑色の瞳、穏やかそうな眉の美少女。
お淑やかさも相俟って、三人の中では一番のお姉さんのように見える。
今現在も美少女だが、成長すれば超絶美女になるだろう……胸が残念だが。
【名前】セシリア・シルフィー
【年齢】11歳
【種族】エルフ
【状態】正常
【属性】風・水
【職業】エルフ国王女・魔法師
Lv:20
HP:923/923
MP:1426/1426
【称号】なし
まあ、11歳ならこの胸も仕方がない?のか?
大人びた笑顔で俺を見つめている…。
…なんか、止めて!そういう目で見ないで!
お、おじさんイケない事に目覚めそうだから!
二人目は獣人。
頭から犬のような耳が生えている。
身長は150cm程。肩まで届く銀色の髪。
意思の強そうな眉、若干目尻の吊りあがった目には銀色の瞳が光る。
狼の様な印象だが、これまた美少女だ。
玉座の間であることを意にも介さない態度で、頭の後ろで両手を組んでいる。
それにより胸が協調されるが…こちらは年相応の大きさ?だろう。
人懐こそうに、ニコニコとした笑顔を浮かべている。
【名前】シオン・サクラ
【年齢】11歳
【種族】獣人
【属性】なし
【状態】正常
【職業】ブック・ベア国王女・戦士
Lv:18
HP:900/900
MP:54/54
【称号】なし
…属性が無しというのは、王女としてどうなんだろうか?
大らかな態度とは裏腹に、心の中では闇を抱えていたりしないよね?
三人目は…ドワーフ。
別に髭が生えてる訳じゃ無いんだな。
ただ、身長は120cm程と一際小さい。
その割には胸が…胸が大きい。巨乳だ。
黒い瞳に黒い髪。髪は肩口で短く切り揃えられている。
これまた美少女だ。
もうおじさんのイケない扉を開こうとするのは止めて!
合法ロリとかじゃ無いんだからさ!
しかし、目を伏せて泣きそうな顔をしているのはなんでだ?
【名前】マリー・アイアン
【年齢】11歳
【種族】ドワーフ
【状態】意気消沈
【属性】火・土
【職業】ドワーフの王女・鍛冶師
Lv:17
HP:799/799
MP:49/49
【称号】なし
「マサト様、此度の難民護衛任務、大儀で有りました」
小さく頭を下げて、労いの言葉をかけるキャサリン・ミドルランド国王。
「いえ、サラや神聖ラーナ王国騎士団の助けもありましたから…」
謙遜している訳ではない。本当の事だ。
「ふふふ…左様でご御座いますか…。魔王討伐の偉業を傲る訳でも無く、放り出しても咎めを問われる事の無い、護衛任務を終えてもその様な態度。本当に何と御礼をして良いやら…この国とこの身体を差し出せと言われても釣り合わぬでしょう…」
いや、国なんて貰っても…俺のポケットには大きすぎらぁ。
か、身体は…止めてアリス!サラ!そんな目で睨まないで!
「ゴホン…どちらも不要です」
「あら~~子持ちの薹が立った熟女でご座いますが、逆に言えば熟れ頃・食べ頃にご座いますよ?」
「「ゴホン!ゴホン!」」
「女王陛下!」
シモンさんとバルドさんが言葉を遮るように大きく咳をし、アリスが大声を出す。
「アリスのかーちゃんて肉食系だな~」
「ですわね」
「(コクコク)」
三国の王女達も呆れていた。
「も~~アリス?貴女だって新しいお父様が欲しいでしょう?それにね、私だって独り寝の夜が寂しいのよ?」
「「ゴホン!ゴホン!ゴホン!」」
「お母様!」
”も~何よみんなして~…これは今晩夜這いをするべきかしら”などと、国王の不穏な独り言が聞こえた。
これはあれだ、今夜は❛聖なる地図❜で女王を敵認識にして、❛聖なる防壁❜で侵入を防ごう。
「あ~ゴホン!陛下、戯言は其れ位で。マサト殿、折入って御話したい事があるのじゃ。先ずは此方を紹介致そう」
シモンさんが別の話題を切り出し、三人の王女の方に手を差し出した。
二人の王女は一歩前に出るが、泣きそうな女の子はその場で俯いたままだった。
俺の方から歩み出て、そのドワーフの王女の前に膝を突き「何か心配な事でもあるのかな?マリー王女?」と、話しかけてみる。
「「「エッ!!」」」
名乗ってもいない名前を呼ばれ、驚いた表情をする。
「はんま…壊れた…」
暫く返事を待っていると、絞り出すように少女が答えた。
…この子は無口系のキャラか?
「十の誕生日にとーちゃんから貰ったハンマーなんだってさ」
右隣に立つシオン王女が代弁をしてくれる。
「それは、どの位の大きさかな?鍛冶をするものなの?」
「(コク)…この位…」
軽く頷き、両手で20cm位の大きさをイメージさせる。
…ハンマーなど、❛聖なる箱❜の中に売る程あるぜ!
「じゃあ、壊れた物は後でお父さんに直してもらうとして、これをあげるから元気を出して?」
そう告げて、俺は❛聖なる箱❜から[オリハルコンのハンマー(中)]を取り出し、少女に差し出す。
❛聖なる箱❜の中には、例えばスプーンなら[プラスチックのスプーン][木のスプーン][銅のスプーン][銀のスプーン][金のスプーン]……[オリハルコンのスプーン]と、色んな種類のスプーンが存在し、その中でも大・中・小の種類がある。
[オリハルコンのつるはし]だってあるのだ。
「「エエッ!!」」
「マサト様!」
「にーちゃん!それは!」
「静かに!…王女が受け取るかどうかなのじゃ。周りが騒ぐ事ではないぞぃ」
なんだか周囲が喧しいが、俺はジッと少女の目を見つめ続けた。
「これは…?」
「これは[オリハルコンのハンマー(中)]だよ。お父さんの物の代わりには成らないだろうが、使うと良い」
「ありがと…これで…マリー、お兄さんのもの…」
そう言って[オリハルコンのハンマー(中)]を大事に両手で抱える少女。
「ん?お兄さんのモノ?」
シモンさんの方を向くと、ニヤニヤとしていた。…そういう顔をするから、あんたは悪人に見えるんだぜ?
「マサト殿。この世界で、ドワーフが”ハンマー”を渡すのには意味があるんじゃ。父が子の誕生日に送ったり、親方が弟子に送ったり、婚姻の習わしであったりじゃ…。王女が受け取ったのじゃ、親密な関係に成れるハズじゃわぃ」
…ああ、そういう事はもっと早く言ってくれよ。
今にも泣き出しそうな少女を放って置けないんだよなぁ。
だが、別に”結婚して下さい”って渡した訳じゃ無いんだから、どうでもいいか。
この子も喜んでいる様子だしね。
「にーちゃん、初対面から飛ばすね~!」
同じくニヤニヤとするシオン王女。
次は少し腰を伸ばし、シオン王女の前で目を合わせる。
「…明るく振る舞ってはいるケド、シオン王女も何か悩み事があるんじゃないの?」
思い切って、悩みが無いか聞いてみた。
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Lv上げのため、ここ一月近くの間に5,000個の[石英]から❛聖なる錬金❜で[聖なる水晶玉]を造り、❛聖なる付与❜で固有魔法を付与してみた。
❛神の眼❜を❛聖なる付与❜すると[鑑定玉]が。
❛聖なる地図❜を❛聖なる付与❜すると、[MAP玉]が造れた。
[鑑定玉]は”鑑定の宝珠”よりも小さいが、同様の事が出来るモノ。
[MAP玉]は確認済の、自分を中心に直径5km周囲の場所がMAPに表示されるモノ。未確認の場所は灰色で表示。味方は[青▼]・敵は[赤▼]・敵味方不明は[黄▼]に識別されるモノだ。
以前造った[陣地の水晶玉]を[陣地玉]に、[身体強化の水晶玉]を[身体強化玉]に、[防壁の水晶玉]を[防壁玉]に❛聖なる契約❜で改名。
これで俺の持つ神聖魔法の内、5つの固有魔法が[水晶玉]に付与出来た。
Lvが1つ上がり、❛聖なる錬金❜と❛聖なる付与❜のLvも上がった。
そして、新たな魔法を一つ覚えた。
また、❛聖なる錬金❜では、念願の”属性を混ぜて錬金”が出来る様に成ったのだ。
実際に使う場面はまだ想像できないが、試しに[聖なる水晶玉]・[ブラックドラゴンの魔石]・[グリーンドラゴンの魔石]・[レッドドラゴンの魔石]・[イエロードラゴンの魔石]を”混ぜて”❛聖なる錬金❜を唱えると、直径10cm大の宝玉[ドラゴンオーブ]が造れた。
[ドラゴンオーブ]は持つだけで、全属性耐性・全魔法耐性・攻撃力/防御力/速度/精神力が上昇するチートアイテムだ。
これを[オリハルコン塊(10kg)]で造った杖の杖頭に取り付け、[ドラゴンオーブの杖]の完成だ。
なんか、某国民的ゲームのようになってきたなぁ。
そして、新たに覚えた魔法は、固有魔法の”❛聖なる贈与❜”。
❛聖なる贈与❜。他者に神聖・闇属性以外の属性を与える事が出来る。また、形は変わるが固有魔法と❛聖なる完全回復❜以外の魔法を与える事が出来る。与えたからといって自らの魔法が無くなる訳では無い。
…チートだ。
よし!このままチート街道驀地だ!!
既に❛聖なる贈与❜でサラに”光属性”と❛ライト❜の魔法を贈与してある。
本当は❛聖なる光❜なのだが、与える時に”ホーリー”が消えた。
この少女が”属性”を欲しがるのならば、与えるのは吝かでは無い。
「エッ!アタイ!?…な、何の事かな~~?」
「君は”属性”が無くて悩んでいるんじゃないのかい?俺の感だけどさ?」
「な、なんでそれを…でも、そんなもん無くったって戦士としては生きて行けるから…さ…」
強気な発言だが、語尾は小さくなって行く。やっぱり寂しさを感じているんじゃないかな?
「もし、俺が属性をあげられるとしたら、君は”何属性”が欲しいの?」
「そりゃ、とーちゃんと同じ”火属性”が欲しいけどさ…にーさん、揶揄わないでよ!そんな簡単に…「…❛聖なる贈与❜。この少女に”火属性”と❛聖なる火❜を与える」…エッ!」
一瞬だけ少女の身体が純白の光に包まれた。
うん。成功だ。
不思議そうな顔をしている少女。
「試しに、今ここで”❛ファイア❜”を唱えてごらん?」
「そんな馬鹿な話が~あれ?頭に呪文が浮かぶ…エッ?これが魔法?……❛ファイア❜…!!ホントだ!!ちゃんと掌の上に火の玉が出た!…やったー!アタイにも魔法が使える様に成った!…ありがとう、ありがとう!にーちゃん!だーい好き!」
❛ファイア❜を消し、俺の首の飛びついて喜びを表すシオン王女。
うん、良かった。子供はこうでなくっちゃね。
「マリー、シオン、良かったわね。…初めまして使徒様。私はエルフ国の王女、セシリア・シルフィーにご座います。
使徒様が魔王を倒した”光の柱”。遠くからでも確認出来ました。…私達は魔王軍と戦う同盟を組むため、人間国にも会談を持ちかけようとしていたのです。
魔王が倒されたとあっては、既に要件は無く成ってしまいましたが…。
”人間国に降臨した使徒様”が魔王軍を殲滅したと聞き及び、是非にお会いしたいと此の国に滞在させて戴きました。…で、使徒様?私には何を戴けるのですか?」
そう言って両手を出し”頂戴”のポーズをとる。
なんでやねん!
そりゃ、何か月も待たせたのは悪かったけどさ…いや、勝手に待ってたんだよな?約束してねーし。
”お会い”出来たんだから、物を貰わなくてもいいんじゃね?
まあ、一人だけ何もあげないっていうのもナンだから、あげたいけどさ…何を?
美少女の君に足りないのは胸位だろうに。でも俺には”胸を大きくしてあげる”って事が出来ないよ?
ふと見ると、左手には質素な杖を持っていた。
いかにも魔法使いが持つような杖だ。
だが、これも”父から貰った~”なんて理由があるかもしれない。
ま、使うかどうかは別として、杖をあげれば役に立つかな?
❛聖なる箱❜から[ドラゴンオーブの杖]を取り出し、「じゃ、セシリア王女にはこれを差し上げます」と言って差し出した。
「…まあ、何とも見事な杖。杖頭の宝珠が虹色に輝いております…これはどの様なモノなのですか?」
「これは俺が造った[ドラゴンオーブの杖]と言います。性能は――」
杖の名前と性能を説明すると、目を見開いて驚愕の表情をするセシリア王女。
「なんと、これは国宝級以上の品にございますね…そうですか…。分かりました。謹んでお受け致します…。これで私が正妻でございますね?」
そう言って[ドラゴンオーブの杖]を確りと抱きしめるセシリア王女。
…またやっちった?
「ほっほっほ…流石はマサト殿。ドワーフと同じに、エルフも”杖”を送るのは特別な事。短時間にエルフ・獣人・ドワーフの王女を落とされるとは…見事な手管じゃわぃ」
…そういう心算じゃ無ぇよ!人を結婚詐欺師みたいに言うんじゃ無ぇ!
「ちょっと待った!…マサト様は私、アリスティア・ミドルランドの夫になるお方ですよ!」
「ご主人様は、永遠に私のモノで御座います…」
「ちょ、サラ!次は私の番!…サラは此処までの道中、ず~~~っと一緒にいたでしょう!次の順番は私です!」
「姫様、それはそれ、此れは此れ」
「マリー…求婚…された…」
「にーちゃんが相手なら、アタイも立候補するよ」
「皆さんお静かに。正妻は[ドラゴンオーブの杖]を戴いた私です」
玉座の間だというのに、あーだこーだと騒ぎだす少女達。
「お静かに!!」
俺の周囲で子供達が騒ぐ中、賢者シモンが圧の掛かった声を発した。
ピタリと騒ぎが治まる。
「さて、マサト殿。先日の詫びの話しを致そうか」
”先日の詫び”とは、サラに”奴隷の紋章”を付けた犯人がシモンさんだと疑った件だ。
「マサト殿。次なるは三国連合との和平の使者に成って頂きたいのじゃ。それを以て詫びの代わりとしよう」
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「先の戦争の真相を話そうぞぃ…」
そう告げて、真面目な顔で賢者シモンが話を始めた。
「後で知った事なのじゃが、事の切っ掛けは、イーストランド王側だったのじゃ。
ある日イーストランド王妃が倒れ、数多の魔法師が治療を行った。
何がしかの毒とも呪いとも言われたが、原因は不明。
結局魔法師では治すことが出来なんじゃった。
そんな時、ある魔法師が『世界樹の雫』ならば何とかなるかもしれないと王に進言した。
イーストランド王はエルフ王に頼んだ。が、”世界樹の雫”は一年に三十cc程度しか採れないらしいんじゃ。
エルフ王は部族の為に残しておきたい旨を伝え、丁重に断った。
日に日に衰弱していく王妃を見、”世界樹の雫”を奪う為、とうとうイーストランド王はノースシーロード大陸に攻め入ったのじゃ…。
人数の少ないエルフは脅威を感じ、獣人やドワーフに助力を求めた。
何も知らなかった他国の人間達は、ただ他種族と交戦が始まったという事態に動揺し、ウェストランドもこの国も参戦したのじゃ。
そこからは泥沼じゃ。”そちらが先に殺した、いや、お前らが先だ”とな。
矛先治まらず、その戦いはイーストランド王家が滅亡するまで行われた。
その時になって初めて、お互いが気付いた。余りにも若者、特に男が死にすぎた。
このままではお互い滅亡してしまうとな…。
そして停戦協定が結ばれた。
停戦協定を持ち掛けたのは三国連合側。
その席で、人間側は初めてイーストランド王の話を知ったのじゃ。
イーストランド王妃が倒れた事は周知の事実。
当人達が存在しないと成っては、それ以上の詮議は無駄じゃ。
停戦協定として、イーストランド地方のブルー・フォレスト国をエルフが、キアタの街を獣人が、ワイテの街をドワーフが治める事になった。
クシューマの砦街だけは、この国、ミドルランドが治める事になった。
他の被害の無かった二つの村、マガタの村とヤギーの村は、人間とエルフや獣人、ドワーフとの共存が行われる事に成った。これは、各種族が血を濃くせずに繁殖する為じゃ。双方承諾し、何の問題もなく行われておる。むしろイーストランド王に税を治める必要がなくなり、喜んでおるようじゃ」
…それが戦争の切っ掛けか。
簡単に説明していたけど、どこの世界にも扇動する人はいるだろうし、中々止められなかったんだろうなぁ。
その場に俺がいれば、王妃を回復魔法で治せたかもしれないが。
まあ、過去の歴史に”たられば”を言っても仕方がない…。
和平の使者って事は、俺が”ブルー・フォレスト国”まで行かなきゃ成らないんだよね?
東京~青森って、直線距離で600km位あったよな?
十倍で6,000km。
また三か月以上の旅に出なきゃ成らないのか…。
そろそろ何処かでゆっくりしたいなぁ~~
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【名前】山田聖人
【年齢】50歳
【種族】人間
【状態】正常
【職業】無職
【属性】神聖
Lv:44
HP:11398/11398
MP:11398/11398
【称号】神の使徒・サラスティアの庇護者




