決意の日
一月十五日
世界でもっとも忌むべき、私にとってのかの祝祭日。
今日は殺さねばならなかった、小悪魔を自称し肉欲に耽る愚かな少女をば。
私は繁華街でそれを見つけた。
威丈高に知性をけなし自己の腐敗した感性と他人におもねる媚態を得意にする少女。
彼女はくだらないものに恋をしていた。
社会的ブランド、金、張りぼての虚栄で自己保身する男、BMW。
私の厭うものの多くに恋する馬鹿な女。
私はとある会員制クラブの地下の密室に彼女を連れ込んだ。
彼女はうっとりした目で私を見ていた。
……あの救いがたい馬鹿め!
私は女を壁に押し付け、猛烈な勢いで顔面を殴打した。
デンツの手袋の中には砂鉄が仕込まれてい、女の顔をみるみる腫れ上がらせていった。
女の目からロマンティシズムの気色は消えて、かわりに涙を流すほどの怒りの表情に歪んでいた。
私は女の顎を掴んで「お前はあのサキュバスに似ている」と恫喝し、耳を張り手して鼓膜を破り、みぞおちに蹴りを入れた。
女は嘔吐して倒れこんだ。
その滑稽な姿!
指一本動かすことのできぬ不具の身!
私は従業員に命じて彼女を車に乗せ、港まで連れてゆき、クルーザーで暁闇の海を沖まで渡り、そして鉄アレイを繋いだ女を放り捨てた。
バイバイ。あのサキュバスに似た女。
お前が沈む穢らわしい海になど私は二度と入らない。
かわりに私は山と川を愛そう。
これからはお前の穢れに染まらぬ自然に身を浸して。




