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殺人日記  作者: 鬼火
3/10

一月十一日 追記

 一月十一日 追記


 奏子の体は冷え切った。

 奏子の体は死にきった。

 私の体はまだ暖かい。

 私の体はまだ生き続けている。

 奏子は私を置き去りにした。

 奏子は私を裏切った。

 私が「連れて行ってくれ」と頼んだ時、確かに彼女は肯いていたというのに。


 奏子は私を憎んでいたのに違いない。

 奏子は表面的な媚びを披瀝(ひれき)し私を欺いていたのに違いない。

 私は屍人にさえ裏切られた。


 ーーいやそうではない。


 私は屍人に裏切られたのではなく、「跡部奏子」に裏切られたのだ。

 そうだ。


 お前は私を欺く緋色の娼婦。

 私はそれを踏みにじるために海からあらわれた暴虐の使徒。

 私はお前の欺きを裁く。

 私はお前を消そう。

 私の記憶から。


 私は今、(ふる)える手で、私の前から吹き飛んでしまう世界を辛うじて繋ぎ止めている。

 私は怖い。

 私が私を殺してしまうのではないかと。


 私の精神と血肉は不一致だ。

 もしも一致したその時は。……

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